「感染症・予防接種ナビ」は、広島テレビ放送が運営しており、厚生労働科学研究「ワクチンで予防可能な疾病のサーベイランスとワクチン効果の評価に関する研究」(研究代表者・鈴木基)の 「ワクチンの有効性、安全性、啓発に関する研究」(研究分担者・岡部信彦)の研究活動の一部に協力しています。
子育てに欠かせない「正しく信頼できる」感染症情報の発信と予防接種の啓発を、公的機関や専門医の監修と取材協力のもと、分かりやすく伝えるサイトです。
国民の皆様が「正しく知って正しくアクション」することを願っています。

新型コロナウイルス感染症

2019年末頃より「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)」が中国の武漢市を中心に出現し、世界中で患者数が増加しています。

新型コロナウイルス感染症 関連記事はこちら
内閣官房 新型コロナウイルス感染症対策の情報はこちら

感染症ニュース

【感染症ニュース】同じウイルス感染でも病名が異なるのはなぜ? 同時感染の2歳双子が違う病名で診断のワケ

 手足口病は、口腔粘膜及び手や足にあらわれる水疱性の発疹を特徴とした急性のウイルス性感染症です。

 ヘルパンギーナと合わせ、乳幼児を中心に夏季に流行する、「夏かぜ」の代表的疾患です。

 手足口病の原因となるウイルスはエンテロウイルス属と呼ばれているウイルスの仲間であり、その中でもコクサッキーA16(CA16)、エンテロウイルス71(EV71)が主に手足口病を引き起こすウイルスとしてよく知られていますが、他にCA9やCA10なども原因ウイルスとなります。加えて、以前は主にヘルパンギーナの原因ウイルスとして認識されていたCA6による手足口病が近年は目立つようになってきており、日本では2009年に最初の報告例があり、その後しばしば大きな流行を起こすようになっています。基本的に予後は良好な疾患ですが、急性髄膜炎の合併が時に見られ、稀ではありますが急性脳炎を生ずることもあり、なかでもEV71は中枢神経系合併症の発生率が他のウイルスより高いことが知られています。

 主に、乳幼児の感染が多いとされていますが、看病にあたった方が感染してしまうケースもあります。

 今回は、「感染症・予防接種ナビ」にも、2歳の双子の娘さんが感染し、それぞれ手足口病・ヘルパンギーナと診断された、東京都・32歳あんずさんから寄せられた経験談をご紹介します。

娘が発症 看病していた私も…

 1日目
 保育園に通う双子の娘(まもなく2歳)が、38度の熱を出し早退。
 病院に行き、1人はヘルパンギーナ、もう1人は発疹があるため手足口病と診断される。
 その日、娘2人の嘔吐を浴びてしまう。

 2日目
 娘たちの嘔吐は治るも、夜になると発熱、夜中。
 また、ヘルパンギーナに罹った方は喉か口が痛いようで水分もままならず。

 3日目
 娘たちの熱が治まる。
 私自身、夕方から喉が痛くなる。
 そして寒気、倦怠感、頭痛、発熱(38.1度)。
 カロナールを飲んで就寝。しかし、喉の痛みと熱で時々起きる。

 4日目
 朝から倦怠感、食欲不振、喉の痛み。
 カロナール飲んで就寝。
 たっぷり汗をかき、薬が効いている間にヨーグルトを食べる。
 午後も、カロナールを飲んで就寝。
 同じく汗をかき、薬が効いている間におかゆを少し食べる。
 寝る前にカロナールを飲むも、喉が痛くて何度も夜中起きる。

 5日目
 朝から喉が絶好調に痛い。
 トローチを舐めたり、カロナールでなんとかしようとするも、痛すぎてうがいもできず、痰を吐き出すことしかできない。
 また、鼻の穴が痛く、見たら真っ赤になっていた。
 そして、娘も相変わらず飲食ができないため、保育園を休まざるをえず、私も仕事を休まないと…と思いながら経験談を投稿してみた。

感染症の専門医は…

 感染症の専門医で大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「ヘルパンギーナはエンテロ属のウイルスですが、手足口病を引き起こすウイルスとして知られるコクサッキーA6は、元々はヘルパンギーナのウイルスとしても知られています。症状の出かたなどで、手足口病なのか、ヘルパンギーナなのか、診断が異なることもあります。今回の親御さんへの感染経路は、定かではありませんが、手足口病の感染経路としては飛沫感染、接触感染、糞口感染があげられます。感染予防は手洗いの励行が基本となります。しかし、症状が回復した後も比較的長期間に渡ってお子さんの便などからウイルスが排泄されることがあり、排泄物の適正な処理が必要です。また、大人であっても、じゅうぶんな免疫がない場合は、発症し、高熱や発疹が出てしまうこともあります。」

まとめ

 手足口病・ヘルパンギーナの原因とされるエンテロウイルスやコクサッキーウイルスは、アルコール消毒が効きにくいため、手洗いは、流水とせっけんを用いて行ってください。

 また、おむつ交換時はマスクや手袋・エプロン等を着用して処理するようにしてください。

 タオルの共用はしないでください。

症状

 従来のCA16およびEV71による手足口では、3〜5日間の潜伏期間の後に、口腔粘膜、手掌、足底や足背などの四肢末端に2〜3mmの水疱性発疹が出現してきます。発熱は約3分の1に認められますが軽度であり、高熱が続くことは通常はありません。通常は3〜7日の経過で軽快し、水疱の跡が痂皮(かさぶた)となることもありません。このように手足口病は基本的には数日間の内に治癒する予後良好の疾患ですが、まれではあるものの髄膜炎を合併することがあり、非常に少ない例ですが、他に小脳失調症、脳炎などの中枢神経系の合併症などのほか、心筋炎、急性弛緩性麻痺などの多彩な臨床症状を呈することもあります。特にEV71に感染した場合は、中枢神経系の合併症を引き起こす割合が高いことが明らかとなってきていますので注意が必要です。

 一方、近年みられるようになったCA6による手足口病では、水疱が5mm程度と大きく、四肢末端に限局せずに前腕部から上腕部、大腿部から殿部と広範囲に認められ、発熱も39℃を上回ることも珍しくなく、水痘との鑑別が困難な例もあります。また、手足口病を発症して治癒した後に、数週間を経て上下肢の爪が脱落する爪甲脱落症を来す場合があり、CA6を原因とする手足口病の特徴となっています。

治療

 特異的な治療法はなく、抗菌薬の投与は意味がありません。発疹に痒み(そう痒感)などを伴うことは稀であり、抗ヒスタミン薬の塗布を行うことはありますが、通常は外用薬としての副腎皮質ステロイド剤は用いられません。口腔内病変を伴いますので、乳幼児の場合は刺激にならないように柔らかめで薄味の食べ物が奨められますが、水分が不足しないように、経口補液などで水分を少量頻回に与えることのほうがより重要です。時には脱水を防ぐために経静脈補液が必要となる場合もあります。発熱に対しては、通常は解熱剤なしで経過観察が可能です。しかし、元気がない(ぐったりしている)、頭痛、嘔吐、高熱、2日以上続く発熱などの場合には髄膜炎、脳炎など中枢神経系の病変の合併に注意する必要があります。ステロイド剤の多用が症状を悪化させることが示唆されています。

感染経路

 手足口病の感染経路としては飛沫感染、接触感染、糞口感染があげられます。保育園や幼稚園などの乳幼児施設においての流行時の感染予防は手洗いの励行と排泄物の適正な処理が基本となります。しかし、本疾患は主要症状が回復した後も比較的長期間に渡って児の便などからウイルスが排泄されることがあり、加えて流行時には無症状病原体保有者も相当数存在していると考えられるため、発症者のみを隔離したとしても、効果的な感染拡大防止策となるとは考え難いです。基本的には軽症疾患であることを踏まえ、回復した児に対して長期間の欠席を求めることも得策ではありません。

引用
厚生労働省 手足口病Q&A
国立感染症研究所 手足口病とは

取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
感染症ニュース一覧
予防接種における間違いを防ぐために

注意してほしい感染症

2022年10月期

新型コロナウイルス感染症
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)
インフルエンザ
手足口病・ヘルパンギーナ
ヒトメタニューモウイルス感染症

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

過去5年間の同時期との比較

インフルエンザ
咽頭結膜熱
溶連菌感染症
感染性胃腸炎
水痘
手足口病
伝染性紅斑
突発性発しん
百日咳
ヘルパンギーナ
流行性耳下腺炎
急性出血性結膜炎
流行性角結膜炎
マイコプラズマ肺炎
情報元:IDWR2022年第37週(2022年9月12日〜2022年9月18日)

流行の様子

新型コロナウイルス感染症(COVID-19) A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 インフルエンザ(季節性) 手足口病 ヒトメタニューモウイルス感染症
 

ヒトメタニューモウイルス感染症

ヒトメタニューモウイルス感染症は、年代に関係なく感染します。症状は、咳・鼻水・上気道炎ですが、重症化すると気管支炎などの下気道炎や肺炎を引き起こします。
また、発熱症状が、4-5日間続くこともあります。中でも注意が必要なのは、お子さんや高齢者です。ウイルスが発見されたのは、2001年と比較的最近で、国内の流行を示す全国的な統計データが無いのが現状です。 子どもは、生後6ヶ月頃から感染が始まりますが、一度の感染ではじゅうぶんな免疫が獲得できず、大人になっても感染を繰り返します。一方、感染を繰り返すごとに症状は軽くなります。初感染の子どもや免疫が低下している高齢者は注意が必要です。
飛沫・接触による感染により広がるとみられており、マスク着用・手指衛生、そして感染者とタオルの共用を避けることが大切です。
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

梅毒

梅毒は、性的な接触(他人の粘膜や皮膚と直接接触すること)などによってうつる感染症です。原因は梅毒トレポネーマという病原菌で、病名は症状にみられる赤い発疹が楊梅(ヤマモモ)に似ていることに由来します。
感染すると全身に様々な症状が出ます。
性別関係なく、患者報告数が増えています。特に女性では、梅毒に感染したと気づかないまま妊娠して、先天梅毒の赤ちゃんが生まれる可能性があるので注意が必要です。妊娠中でも治療は可能です。
ほとんどの産婦人科では、妊婦健診の際に血液検査してもらえます。妊娠したら必ず梅毒の検査を受けましょう。
早期の薬物治療で完治が可能です。検査や治療が遅れたり、治療せずに放置したりすると、長期間の経過で脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。
時に無症状になりながら進行するため、治ったことを確認しないで途中で治療をやめてしまわないようにすることが重要です。また完治しても、感染を繰り返すことがあり、再感染の予防が必要です。
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

一時期の流行状況からは、落ち着きをみせているものの、未だ流行は続いています。
多くの学校では夏休みが明け、新学期が始まっています。集団生活が再開することで、今後、子どもの間で感染が拡がっていくことが予測されます。また、学校での集団感染が発生し、子どもから家庭内にウイルスが持ち込まれるケースも、再度、増えると危惧しています。
学校でできる感染対策として、マスク着用や手洗いの励行に加え、教室内ではこまめな換気を行ってください。何より重要なのが、多くの方がワクチンを接種することです。
9月から国内でも、オミクロン株対応ワクチンの接種が始まっています。
しかし、ワクチンを接種していても、感染しないわけではなく、周囲にうつさないわけでもありません。ワクチンを接種した後も決して安心しないでください。
ワクチン接種に加え、感染対策を徹底することで、ようやくウイルスに立ち向かえるのです。
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症) は、例年春に患者報告数が増え始めます。保育所や幼稚園の年長を含め、学童を中心に広がります。学校などでの集団生活や、きょうだい間での接触を通じて感染が広がるので、注意しましょう。
感染すると、2〜5日の潜伏期間の後に発症し、突然38度以上の発熱、全身の倦怠感、喉の痛みなどが現れ、しばしば嘔吐を伴います。また、舌にイチゴのようなぶつぶつができる「イチゴ舌」の症状が現れます。まれに重症化し、全身に赤い発疹が広がる「猩紅熱(しょうこうねつ)」になることがあります。発熱や咽頭痛など、新型コロナの症状と似ており区別がつきにくいため、症状が疑われる場合は速やかにかかりつけ医を受診しましょう。主な感染経路は、咳やくしゃみなどによる飛沫感染と、細菌が付着した手で口や鼻に触れることによる接触感染です。感染の予防には手洗い、咳エチケットなどが有効です。
情報元:IDWR2022年第37週(2022年9月12日〜2022年9月18日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

インフルエンザ(季節性)

多くの学校では夏休みが明け、新学期が始まっています。
インフルエンザは集団生活の場で広がる可能性があり、冬にかけて感染動向に注意が必要です。インフルエンザの予防には、予防接種を受けることが有効です。ここ2シーズンほど、インフルエンザの流行がみられず、乳幼児が初めて感染すると重症化しやすいことから、予防接種を受けることで発病率、重症化の低減につながると言われています。
予防接種を受けてから、抗体ができるまで約2週間かかり、効果は約5か月間持続しますので、流行前に早めに接種することを、おすすめします。
情報元:日本医師会、日本薬剤師会、日本大学薬学部、(株)EMシステムズ
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

手足口病

手足口病はエンテロウイルスなどを病原体とする感染症で、主に夏季に流行します。
3日〜5日の潜伏期間の後に発症し、口の粘膜・手のひら・足の甲や裏などに、2〜3ミリの水疱性の発疹が現れます。手足口病の感染経路としては飛沫感染、接触感染、糞口感染があげられます。保育所や幼稚園などの集団生活では、感染予防として流水・石けんを用いた手洗いの励行と、排泄物は適切に処理をしましょう。
一方で、子どもがウイルス感染し、その後に看病にあたった大人が手足口病に感染し発症する例もみられます。職場では感染対策としてマスクを着用し、こまめに石けんを用いて手洗いを行うようにしてください。
情報元:IDWR2022年第37週(2022年9月12日〜2022年9月18日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
びせいぶつ芸能社
風疹ゼロプロジェクト
「水ぼうそう・帯状疱疹」ホントのところ

予防接種トピックス

感染症発生動向調査による小児科定点(約3,000か所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000か所)からの報告数に基づいたデータ解析によります。
感染症発生動向調査とは(厚生労働省ホームページより)
すこやか201 知ってアクション!感染症の予防
すこやか2019 知ってアクション!感染症の予防

予防接種スケジュール

※国立感染症研究所サイト

インフルエンザ情報

情報元:日本医師会、日本薬剤師会、日本大学薬学部、(株)EMシステムズ
インフルエンザはこの冬流行?新型コロナと同時流行の可 能性も 感染報告各地で(2022/9/9) この冬はインフルエンザが大きく流行する可能性がありま す。現在、少数ですが全国各地で感染の報告があり、新型 コロナは「陰性」で・・・
+全文表示
インフルエンザはこの冬流行?新型コロナと同時流行の可 能性も 感染報告各地で(2022/9/9) この冬はインフルエンザが大きく流行する可能性がありま す。現在、少数ですが全国各地で感染の報告があり、新型 コロナは「陰性」でもインフルエンザが「陽性」だった事 例も発生しています。2022年第34週(8月22〜2 8日)、インフルエンザの定点あたりの報告数は、福岡県 が31例、愛知県は14例、神奈川県は9例ありました。 大阪府も9例だったものの今年7月には1週間で100例 を超えたこともありました。感染症の専門医で大阪府済生 会中津病院の安井良則医師は「日本では例年12〜3月が 流行のシーズンですが、ここ2年、流行がありませんでし た。しかし海外では今が冬のオーストラリアでA型インフ ルエンザが流行し、アメリカ、フランス、ブラジル、中国 などで患者が増えています。海外の方の入国が増えるとウ イルスの持ち込みが予想され、国内でも行動制限の緩和と 人流の増加に伴い、インフルエンザの感染者が増え、今年 の冬は流行に発展する可能性が高いと予測しています」
−閉じる
こどもの救急
あいち健康ナビ