「感染症・予防接種ナビ」は、広島テレビ放送が運営しており、厚生労働科学研究「ワクチンで予防可能な疾病のサーベイランスとワクチン効果の評価に関する研究」(研究代表者・鈴木基)の 「ワクチンの有効性、安全性、啓発に関する研究」(研究分担者・岡部信彦)の研究活動の一部に協力しています。
子育てに欠かせない「正しく信頼できる」感染症情報の発信と予防接種の啓発を、公的機関や専門医の監修と取材協力のもと、分かりやすく伝えるサイトです。
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新型コロナウイルス感染症

2019年末頃より「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)」が中国の武漢市を中心に出現し、世界中で患者数が増加しています。

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【感染症ニュース】腸管出血性大腸菌感染症 患者発生数は増加傾向 8〜9月の患者発生のピークに向けて警戒が必要

 腸管出血性大腸菌感染症は、5月以降、患者発生の増加傾向が続いています。例年8〜9月にかけて、腸管出血性大腸菌感染症の患者発生はピークを迎えます。今後もさらに患者数が増加する可能性がありますので、注意が必要です。特に、牛肉などの生肉を食べない、取り箸やトングの使いまわしをしないなど注意し、また食事をする前は必ず流水せっけんで手を洗うことを心がけましょう。

 腸管出血性大腸菌感染症の主な感染経路は、腸管出血性大腸菌によって汚染された食材(加熱が不十分な肉など)や水分を経口摂取することによる経口感染です。

 例年、腸管出血性大腸菌の感染者の報告数は、0〜4歳児が最多です。5〜9歳がこれに次いで多い状況です。特に重症化すると命にかかわる場合があるので、注意が必要です。

患者数の動向

 IDWRの速報データによると
 2020/7/6〜7/12(第28週)は、全数把握疾患、報告数が66件
 2020/7/13〜7/19(第29週)は、全数把握疾患、報告数が108件
 2020/7/20〜7/26(第30週)は、全数把握疾患、報告数が82件

概要

 大腸菌は、哺乳類や鳥類の主に大腸に生息している細菌で、菌の表面にある抗原(O抗原と呼びます)によって約180種類に分類されます。殆どの大腸菌は、例えヒトの大腸内にあっても無害ですが、一部にヒトに対して病原性を示すものがあります。

 腸管出血性大腸菌(EHEC:enterohemorrhagic E. coli)とは、ベロ毒素(VT:Verotoxin、VT1とVT2があります)を作り出す能力を持った大腸菌のことです。

 腸管出血性大腸菌の感染によって血便を伴う激しい下痢や、重篤な合併症である溶血性尿毒症症候群(HUS:Hemolytic uremic syndrome)や脳症となり、生命に関わる場合もあることはよく知られています。O抗原で分類される大腸菌O157は、腸管出血性大腸菌として有名ですが、たとえO157であってもベロ毒素を産生できなければ腸管出血性大腸菌ではありません。

 O157の他に、O26、O121、O111などが腸管出血性大腸菌としてよく知られています。

症状と合併症

 感染後3〜5日間の潜伏期間を経て、激しい腹痛を伴う頻回の水様性の下痢が起こり、その後で血便となります(出血性大腸炎)。発熱は軽度です。血便は、初期段階では、少量の血液の混入で始まりますが、次第に血液の量が増加し、典型例では血液そのもののような状態となります。

 発病者の6〜9%では、下痢などの最初の症状が出てから5〜13日後に溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの重篤な合併症をきたすことが知られています。HUSを合併した場合の致死率は3〜5%といわれています。

衛生管理

 腸管出血性大腸菌は75℃で1分間過熱で死滅するので、食事はしっかりと過熱したものを供することが基本です。

 また焼肉などでは、生肉を扱った箸やトングなどは生食用のものと必ず使い分けましょう。過去の事例として、野菜類(生野菜はもとより浅漬けなど)やそれ以外の加工食品(最近ではお団子の食中毒)での集団発生がありました。施設に提供され、そのまま加熱処理等が行われないままに供される食材の衛生管理は、納入業者と連携してしっかりと行われなければなりません。

 牛の生肉や生レバーなどの内臓は、腸管出血性大腸菌の感染の可能性があるので食べるべきではありませんが、特に保育所に通っている年齢群の乳幼児では厳禁です。高齢者や乳幼児と日常的に接触する職業や立場の人(家庭も含めて)、あるいは免疫力の低下した人と接触する職業・立場の人は厳に慎むべきです。



監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
感染症ニュース一覧
予防接種における間違いを防ぐために

注意してほしい感染症

2020年8月期

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
腸管出血性大腸菌感染症
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)
RSウイルス感染症

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

過去5年間の同時期との比較

インフルエンザ
咽頭結膜熱
溶連菌感染症
感染性胃腸炎
水痘
手足口病
伝染性紅斑
突発性発しん
百日咳
ヘルパンギーナ
流行性耳下腺炎
急性出血性結膜炎
流行性角結膜炎
マイコプラズマ肺炎
情報元:IDWR2020年第30週(2020年7月20日〜2020年7月26日)

流行の様子

新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 腸管出血性大腸菌感染症 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 RSウイルス感染症
 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

発熱・鼻水・のどの痛み・咳などといった、風邪のような症状から始まります。また、頭痛や強い倦怠感などが良く見られる症状です。下痢や味覚・嗅覚障害を伴うことも少なくはありません。症状の続く長さ(期間)については、風邪やインフルエンザと比べて長いという特徴があるようです。中国のデータによると、患者の8割は軽症で治癒するようです。一方、2割弱の患者では、肺炎の症状が強くなり、入院して酸素投与などの治療が必要になることがあります。重症化する場合は、発症から1週間前後で発熱や呼吸困難などの症状が悪化し、場合によっては人工呼吸器による管理が必要となる例も見られています。特に発症から10日間前後は、病勢が進行していく場合が多いですから、最初は軽症であると思っても、慎重な経過観察が必要です。
新型コロナウイルス感染症で重症化しやすいのは、高齢者と基礎疾患のある方と言われています。中国CDCのデータによると、高齢者ほど致死率が高くなることが示されています。厚生労働省が示している「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安」にあるように、こういった方は一般の方よりも早めに、帰国者・接触者相談センターに相談しましょう。
コロナウイルスの感染経路は、飛沫感染と接触感染です。原則として空気感染はありません。最も重要な対策は、咳エチケットと手洗い・アルコール消毒など手指衛生を徹底することです。手洗いが大切な理由は、ドアノブや電車のつり革など様々なものに触れることにより、自分の手にもウイルスが付着している可能性があるからです。外出先からの帰宅時や調理の前後、食事前などこまめに手を洗いましょう。また、感染拡大を防ぐため、人と人との距離を保つことが重要です。専門家会議によると、これまで集団感染が確認された場所に共通するのは、
(1)換気の悪い密閉空間
(2)多くの人が密集していた
(3)近距離(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声が行われた
という3つの条件(3つの密)が同時に重なった場所です。こうした場所ではより多くの人が感染していたと考えられます。これらの3つの条件が同時に揃う場所や場面をできるだけ予測し、避ける行動をとりましょう。また、これら3つの条件がすべて重ならないまでも、1つまたは2つの条件があれば、なにかのきっかけで3つの条件が揃うことがあります。3つの条件ができるだけ同時に重ならないようにすることが対策となります。
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

腸管出血性大腸菌感染症

腸管出血性大腸菌感染症は、感染後3〜5日間の潜伏期間を経て、激しい腹痛を伴う頻回の水様性の下痢が起こり、その後で血便となります(出血性大腸炎)。発熱は軽度です。血便は、初期段階では、少量の血液の混入で始まりますが、次第に血液の量が増加し、典型例では血液そのもののような状態となります。発病者の6〜9%では、下痢などの最初の症状が出てから5〜13日後に溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの重篤な合併症をきたすことが知られています。HUSを合併した場合の致死率は3〜5%といわれています。
<感染経路と対策1>
主な感染経路は、腸管出血性大腸菌によって汚染された食材や水分を経口摂取することによる経口感染です。例年、腸管出血性大腸菌の感染者の報告数は、0〜4歳児が最多です。5〜9歳がこれに次いで多い状況です。感染後の発症率も9歳以下は80%前後と高くなっています。牛の生肉や生レバーなどの内臓は、腸管出血性大腸菌の感染の可能性があるので食べるべきではありませんが、特に保育所に通っている年齢群の乳幼児では厳禁です。高齢者や乳幼児と日常的に接触する職業や立場の人(家庭も含めて)、あるいは免疫力の低下した人と接触する職業・立場の人は厳に慎むべきです。
<感染経路と対策2>
腸管出血性大腸菌は75℃で1分間加熱で死滅するので、乳幼児への食事はしっかりと加熱したものを供することが基本です。また焼肉などでは、生肉を扱った箸やトングなどは生食用のものと必ず使い分けましょう。過去の事例として野菜類(生野菜はもとより浅漬けなど)やそれ以外の加工食品(最近ではお団子の食中毒)での集団発生がありました。
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

溶連菌感染症の症状が疑われる場合は、速やかにかかりつけ医を受診しましょう。溶連菌感染症と診断され、抗菌薬が処方された場合は、医師の指示に従うことが重要です。途中で抗菌薬をやめた場合、病気の再燃や糸球体腎炎などの合併症を来すことが知られています。
溶連菌感染症は、学童期の小児に最も多く、3歳以下や成人では典型的な症状が現れることは少ないといわれています。症状としては2〜5日の潜伏期間を経て、38度以上の発熱と全身倦怠感、のどの痛みによって発症し、しばしばおう吐を伴います。
また、舌にイチゴのようなぶつぶつができる「イチゴ舌」の症状が現れます。まれに重症化し、全身に赤い発しんが広がる「猩紅熱(しょうこうねつ)」になることがあります。また、十分な抗菌薬の投与による治療をおこなわないと、リウマチ熱や急性糸球体腎炎などを引き起こすことが知られています。
主な感染経路は、発症者もしくは保菌者(特に鼻咽頭部に保菌している者)由来の飛沫による飛沫感染と濃厚な直接接触による接触感染です。物品を介した間接接触による感染は稀とされていますが、患者もしくは保菌者由来の口腔もしくは鼻腔由来の体液が明らかに付着している物品では注意が必要です。発症者に対しては、適切な抗菌薬による治療が開始されてから48時間が経過するまでは学校、幼稚園、保育園での集団生活は許可すべきではないとされています。
情報元:IDWR2020年第30週(2020年7月20日〜2020年7月26日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

RSウイルス感染症

報告数
北海道
0
青森
0
岩手
1
宮城
0
秋田
0
山形
4
福島
0
茨城
1
栃木
0
群馬
0
埼玉
3
千葉
0
東京
0
神奈川
0
新潟
2
富山
0
石川
0
福井
0
山梨
0
長野
1
岐阜
0
静岡
0
愛知
3
三重
0
滋賀
0
京都
0
大阪
1
兵庫
1
奈良
0
和歌山
1
鳥取
0
島根
1
岡山
0
広島
0
山口
3
徳島
4
香川
0
愛媛
0
高知
0
福岡
0
佐賀
0
長崎
0
熊本
0
大分
0
宮崎
0
鹿児島
9
沖縄
7
RSウイルス感染症は、病原体であるRSウイルスが伝播することによっておこる呼吸器感染症です。潜伏期間は2〜8日、一般的には4〜6日で発症します。多くの場合は軽い症状ですみますが、重い場合には咳がひどくなったり、呼吸が苦しくなるなどの症状が出ることがあります。
特に気をつけなければならないのが、生後数週間から数か月の赤ちゃんがRSウイルスに感染することです。感染すると、気管支炎、肺炎などを起こすことがあり、1〜3%が重症化すると言われています。RSウイルス感染症の感染経路はインフルエンザと同様、飛沫感染や接触感染です。RSウイルス感染症のワクチンはまだ実用化されていません。予防法は、手洗い、咳エチケットなどが有効です。RSウイルス感染症には特効薬はありません。治療は症状を和らげる対症療法になります。
情報元:IDWR2020年第30週(2020年7月20日〜2020年7月26日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
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予防接種トピックス

感染症発生動向調査による小児科定点(約3,000か所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000か所)からの報告数に基づいたデータ解析によります。
感染症発生動向調査とは(厚生労働省ホームページより)
すこやか201 知ってアクション!感染症の予防
すこやか2019 知ってアクション!感染症の予防

予防接種スケジュール

※国立感染症研究所サイト

インフルエンザ情報

情報元:日本医師会、日本薬剤師会、日本大学薬学部、(株)EMシステムズ
※今シーズンのコメントの更新は今回が最後となります インフルエンザ 患者数は8週連続で減少 インフルエン ザの流行は収束を迎えつつある (更新:2020/3/26) インフルエンザの1週間当たりの推定患者数は約2万人と なり、・・・
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※今シーズンのコメントの更新は今回が最後となります インフルエンザ 患者数は8週連続で減少 インフルエン ザの流行は収束を迎えつつある (更新:2020/3/26) インフルエンザの1週間当たりの推定患者数は約2万人と なり、8週連続で減少しました。また、週明けの月曜日の 推定患者数は約3千人と前週の月曜日の値を下回っており インフルエンザの患者数は更に減少していくものと予想さ れます。1週間当たりの患者数は全国的な流行の指標であ る3万人を下回って2万人であり、インフルエンザの流行 は収束を迎えつつあります。 (監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長・国立感染 症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏)
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