「感染症・予防接種ナビ」は、広島テレビ放送が運営しており、厚生労働科学研究「ワクチンで予防可能な疾病のサーベイランスとワクチン効果の評価に関する研究」(研究代表者・鈴木基)の 「ワクチンの有効性、安全性、啓発に関する研究」(研究分担者・岡部信彦)の研究活動の一部に協力しています。
子育てに欠かせない「正しく信頼できる」感染症情報の発信と予防接種の啓発を、公的機関や専門医の監修と取材協力のもと、分かりやすく伝えるサイトです。
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新型コロナウイルス感染症

2019年末頃より「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)」が中国の武漢市を中心に出現し、世界中で患者数が増加しています。

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感染症ニュース

【感染症ニュース】12月1日は「世界エイズデー」 正しい治療を行えば、死に至る病ではなくなったエイズ HIV感染が気になる方は検査を

 12月1日は「世界エイズデー」。世界的レベルでのエイズまん延防止と、患者・感染者に対する差別・偏見の解消を図ることを目的として、1988年に世界保健機関(WHO)が提唱しました。日本でも毎年12月1日を中心に、エイズに関する正しい知識等についての啓発活動が行われ、全国各地で様々な「世界エイズデー」イベントが実施されます。

エイズとはどんな病気?

 エイズ(AIDS /後天性免疫不全症候群)とは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染することが原因の感染症です。主な感染経路は、性的接触、母子感染、輸血など血液によるものなどがあります。かつては重篤な全身性免疫不全により日和見感染症や悪性腫瘍を引き起こし、死に至る病気とおそれられていましたが、近年は治療薬の開発が進み、早期に治療を受ければ免疫力を落とすことなく、通常の生活を送ることも可能です。

日本の感染状況

 日本での2021年の新規報告数は、HIV感染者742(男性712、女性30)、AIDS患者315(男性300、女性15)。HIV感染者の中では、男性同性間性的接触(両性間性的接触を含む)による感染が全体の71.6%で、その大多数は20〜40代でした。また、日本国籍女性HIV感染者10のうち、異性間性的接触が7、その他不明が3。母子感染、静注薬物使用による感染もそれぞれ1件ずつ報告されています。

HIV感染からエイズ発症まで5〜10年かかる

 HIVに感染しても、すぐにエイズを発症するわけではありません。感染すると2〜3週間後にはウイルスが急激に増殖して、数日から10週間程度、発熱や咽頭痛、筋肉痛、皮疹、リンパ節腫脹、頭痛などのインフルエンザに似た症状があります。その後は無症状期といって数年から10年は症状がありませんが、その間もHIV感染症は進行しており、免疫の仕組みの中心である白血球の一種「ヘルパーTリンパ球(CD4陽性細胞)」を破壊し続けています。そして、ヘルパーTリンパ球が減り、免疫が正常に働かなくなると、カンジダ症やニューモシスチス肺炎などの日和見感染症や、悪性リンパ腫、カポジ肉腫などを発症します。これらの疾患を発症した時点で、エイズ発症と診断されます。

知らないうちに、大切な人にHIVをうつしてしまう可能性も

 日本国内のHIV感染で圧倒的に多いのは、性行為による感染です。数字の上では男性同性間の性的接触が多いのですが、男女間の性的接触でもどちらかが感染していれば、HIVはうつります。HIVは感染者の精液、膣分泌液、血液に多く含まれていますが、コンドームを正しく使用すれば、感染はほぼ100%防ぐことができます。そして大事なことは、自分がHIVに感染しているかどうかを知ることです。

HIVの検査はどこでできるの?

 HIVの検査は、保健所・病院・クリニックなどで実施しています。保健所や特設検査相談施設では、名前や住所を知らせずに無料で検査を受けることができます。検査は約5mlの血液をとり、通常検査の場合は検査結果が判明するまで1〜2週間かかります。HIVに感染しても、すぐには血液中にHIV抗体が検出されないので、正確な結果を得るためには、感染の可能性があった機会から3か月以上経ってから受検する必要があります。

世界エイズデーにあわせて、各地でイベントや臨時検査を実施

 12月1日の世界エイズデーにあわせ、エイズへの理解と支援のシンボルである「レッドリボン」にちなみ、各地でライトアップなどのイベントが行われます。またこの時期、検査を受けやすいように土日や平日夜間に無料・匿名でHIVの臨時検査を実施する自治体もあります。1時間程度で結果が判明する「即日検査」を行っている施設もあるので、予約の有無も含め、詳しくは検査を受ける地域の保健所に問い合わせてください。

 福岡県で世界エイズデーの取り組みをしているがん感染症疾病対策課によると、「新型コロナウイルス感染症への対応のため、一部の保健所で検査を休止しています。その影響もあり、統計上はHIV感染者・エイズ患者は減少傾向にありますが、実際にはコロナ以前と同程度の感染者が発生していると考えています。この世界エイズデーをきっかけに、感染が気になる方はぜひ検査を受けていただきたいと思います」と語っています。

感染を早く知り、治療を早期に始めれば、死の病ではない

 今のところ、HIVに感染した場合、体内から完全に取り除く治療法はありません。しかし、治療法は日々進歩しており、感染しても早期に治療を始め継続することにより、エイズの発症を防ぎ、感染していない人と同じぐらい長く、健康的な社会生活を送ることができるようになっています。エイズはもはや「死の病」ではありません。正しい情報を知り、対処することが重要です。

引用
国立感染症研究所:AIDS (後天性免疫不全症候群)とは、HIV/AIDS 2021年
(公財)エイズ予防財団:エイズ予防情報ネット
厚生労働省:世界エイズデーに向けた普及啓発イベントを実施します

取材 福岡県保健医療介護部がん感染症疾病対策課
感染症ニュース一覧
予防接種における間違いを防ぐために

注意してほしい感染症

2022年11月期

新型コロナウイルス感染症
インフルエンザ
感染性胃腸炎(ノロウイルス感染症)
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)
咽頭結膜熱

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

過去5年間の同時期との比較

インフルエンザ
咽頭結膜熱
溶連菌感染症
感染性胃腸炎
水痘
手足口病
伝染性紅斑
突発性発しん
百日咳
ヘルパンギーナ
流行性耳下腺炎
急性出血性結膜炎
流行性角結膜炎
マイコプラズマ肺炎
情報元:IDWR2022年第46週(2022年11月14日〜2022年11月20日)

流行の様子

新型コロナウイルス感染症(COVID-19) インフルエンザ(季節性) ノロウイルス感染症 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

一時期の流行状況からは、落ち着きをみせているものの、未だ流行は続いています。
一般に冬は、ウイルスが流行する時期であることから、流行が予測されます。
また、学校などでの集団感染が発生し、子どもから家庭内にウイルスが持ち込まれるケースも、引き続き増えると危惧しています。
学校でできる感染対策として、マスク着用や手洗いの励行に加え、教室内ではこまめな換気を行ってください。何より重要なのが、多くの方がワクチンを接種することです。
国内でも、オミクロン株対応ワクチンの接種が始まっています。
しかし、ワクチンを接種していても、感染しないわけではなく、周囲にうつさないわけでもありません。ワクチンを接種した後も決して安心しないでください。
ワクチン接種に加え、感染対策を徹底することで、ようやくウイルスに立ち向かえるのです。

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

インフルエンザ(季節性)

インフルエンザは集団生活の場で広がる可能性があり、冬にかけて感染動向に注意が必要です。インフルエンザの予防には、予防接種を受けることが有効です。ここ2シーズンほど、インフルエンザの流行がみられず、乳幼児が初めて感染すると重症化しやすいことから、予防接種を受けることで発病率、重症化の低減につながると言われています。
予防接種を受けてから、抗体ができるまで約2週間かかり、効果は約5か月間持続しますので、流行前に早めに接種することを、おすすめします。
情報元:日本医師会、日本薬剤師会、日本大学薬学部、(株)EMシステムズ
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

ノロウイルス感染症

感染性胃腸炎の一つである、ノロウイルス感染症は保育所や幼稚園、小学校などの集団生活で多くみられる感染症です。
ノロウイルスに感染すると、多い時には10回以上のおう吐や下痢の症状が続きます。そのおう吐物や下痢便には、ウイルスが大量に含まれ、わずかな量のウイルスが体の中に入っただけで、容易に感染します。ノロウイルス感染症は有効とされるワクチンや薬がまだ開発されていないため、対症療法を行います。下痢止めを飲むと、ウイルスが体内に残ってしまうため、飲まないようにしましょう。嘔吐や下痢が続いている時は、脱水症状に注意して下さい。水分を補給する際には、電解質輸液が効果的です。
ウイルスが付着していると考えられる物品の消毒については、次亜塩素酸ナトリウム系(塩素系消毒剤)を用いて行いましょう。使用する濃度は500ppm以上が推奨されます。嘔吐や下痢などの症状が改善しても24時間は、自宅で様子をみるようにしましょう。症状がなくなったからといって、登園もしくは登校させると、集団感染につながるおそれがあります。

情報元:日本学校保健会
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)は、冬季および春から初夏にかけての2つの報告数のピークが認められています。保育所や幼稚園の年長を含め、学童を中心に広がります。学校などでの集団生活や、きょうだい間での接触を通じて感染が広がるので、注意しましょう。
感染すると、2〜5日の潜伏期間の後に発症し、突然38度以上の発熱、全身の倦怠感、喉の痛みなどが現れ、しばしば嘔吐を伴います。また、舌にイチゴのようなぶつぶつができる「イチゴ舌」の症状が現れます。まれに重症化し、全身に赤い発疹が広がる「猩紅熱(しょうこうねつ)」になることがあります。発熱や咽頭痛など、新型コロナの症状と似ており区別がつきにくいため、症状が疑われる場合は速やかにかかりつけ医を受診しましょう。主な感染経路は、咳やくしゃみなどによる飛沫感染と、細菌が付着した手で口や鼻に触れることによる接触感染です。感染の予防には手洗い、咳エチケットなどが有効です。
情報元:IDWR2022年第46週(2022年11月14日〜2022年11月20日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
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風疹ゼロプロジェクト
「水ぼうそう・帯状疱疹」ホントのところ

予防接種トピックス

感染症発生動向調査による小児科定点(約3,000か所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000か所)からの報告数に基づいたデータ解析によります。
感染症発生動向調査とは(厚生労働省ホームページより)
すこやか201 知ってアクション!感染症の予防
すこやか2019 知ってアクション!感染症の予防

予防接種スケジュール

※国立感染症研究所サイト

インフルエンザ情報

情報元:日本医師会、日本薬剤師会、日本大学薬学部、(株)EMシステムズ
インフルエンザによる学級閉鎖の報告があがり始めました 東京都教育庁は2022年11月14日の「都内公立学校 のインフルエンザ様疾患による学年・学級閉鎖について」 の中で、八王子市立の小学校で計5クラスの学級閉鎖があ ったと公・・・
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インフルエンザによる学級閉鎖の報告があがり始めました 東京都教育庁は2022年11月14日の「都内公立学校 のインフルエンザ様疾患による学年・学級閉鎖について」 の中で、八王子市立の小学校で計5クラスの学級閉鎖があ ったと公表しました。インフルエンザ陽性が確認されたの は、33人です。東京都での学級閉鎖措置は、2022/ 2023シーズン初となります。また、厚生労働省が20 22年11月11日に発表した2022/2023シーズ ンのインフルエンザ定点報告・第44週(10/31− 11/6)によると、関西地方では大阪府107例・兵庫 県21例・京都府28例でした。大阪府済生会中津病院の 安井良則医師は「大阪府をはじめとして、インフルエンザ の報告があがり始めています。今後、感染が確認された地 域から、広がっていく事が予測されます。マスクの着用や 室内の換気など、基本的な感染対策が重要です。一方、今 シーズンのインフルエンザの流行がどれほど大きなものに なるか、現在のところ予測できません。どれだけの人がワ クチンを接種するかもポイントになってくるでしょう」
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