感染症ニュース

【感染症ニュース】RSウイルス感染症の患者報告数の急増が続く 本格的な流行に警戒

 2018/9/3〜9/9(第36週)のRSウイルス感染症の定点あたりの患者報告数は全国で7,543件にのぼり、先々週から2週間連続で急増。本格的な流行が続いています。乳幼児の育児に係わる方は、警戒が必要です。

 年長者の再感染例等では典型的な症状があらわれず流行を効果的に抑制することは困難である場合が多いです。特に乳幼児の育児に関わる方は、休日や夜間の診療や問い合わせ先などを前もって把握しておきましょう。

 RSウイルス感染症に感染すると、1%から3%が重症化すると言われています。生後1か月未満の赤ちゃんには無呼吸の症状が現れ、ひどい場合には、突然死につながる可能性があると言われていて、注意が必要です。咳等の呼吸器症状を認める年長児や成人は、可能な限り0歳児、1歳児との接触を避けることが乳幼児の発症予防に繋がります。

患者数の動向

 IDWRの速報データによると
 2018/8/20〜8/26(第34週)は定点把握疾患、報告数が4,191件(1.34)
 2018/8/27〜9/2(第35週)は定点把握疾患、報告数が6,609件(2.11)
 2018/9/3〜9/9(第36週)は定点把握疾患、報告数が7,543件(2.39)
 
 ※2週間連続で急増しています。

地域別情報

 2018/9/3〜9/9(第36週)の速報データによる患者数が多い都道府県ランキング
 ・宮崎県 6.03
 ・佐賀県 5.35
 ・鹿児島県 5.31
 ・愛媛県 5
 ・徳島県 4.48

 (数字は、定点当り報告数)

感染経路

 飛沫感染と接触感染です。感染力が強く、また生涯にわたって何度も顕性感染を繰り返すといわれています。咳やくしゃみによる飛沫感染や、ウイルスが付着しているおもちゃやコップなどを触ったり舐めたりすることで、感染します。

 また生涯にわたって何度も顕性感染を繰り返すといわれています。年長者の再感染例等では典型的な症状があらわれず、RSウイルス感染と気付かれない軽症例も多数存在することから、家族間の感染や乳幼児の集団生活施設等での流行を効果的に抑制することは困難である場合が多いです。

予防法

 RSウイルス感染症の予防法は、手洗い、咳エチケットなどが有効ですが、乳幼児自身が予防することは難しいです。そのため、咳などの症状がある年長児や大人には、0歳児、1歳児のお世話は薦められません。しかしながら、お世話をしなければならないときは、手洗いやマスクの装着などで乳児に感染させないように気をつけましょう。

症状

 主な症状は感染してから2〜8日後に発症。発熱や鼻水などの症状が数日続きます。多くの場合は軽い症状ですみますが、重い場合には咳がひどくなったり、呼吸が苦しくなるなどの症状が出ることがあります。

速やかにかかりつけ医へ行く症状

 ・息がゼイゼイと呼吸が苦しそうになる
 ・咳で何回も夜中に起きる
 ・咳込んで嘔吐してしまう
 ・熱が下がっても症状が改善されない

生後6か月未満の乳児で特に注意してほしい症状

 粘っこい鼻水による鼻づまりの症状が非常に強くなることがあります。3か月未満の乳児は、口呼吸ができていません。鼻で呼吸をしているために、粘っこい鼻水が詰まっただけでも苦しくなります。

 そして更に、ミルクやおっぱいを飲む時に、口もふさがってしまうと呼吸がしにくい状態となります。

 保護者の方は、乳児がおっぱいの飲みが悪くなったなどの変化を注意深く観察しましょう。

特に生後1か月の新生児のお世話は

 生後1か月未満の新生児は、特別な症状が現れることがあります。これは息を止めてしまう無呼吸という症状です。ひどい場合には突然死につながる可能性があるため、注意が必要です。

治療方法

 RSウイルス感染症には特効薬はありません。治療は症状を和らげる対症療法になります。


監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則

いざという時のために、知っておきたい情報


▼お住まいのエリアの医療情報 感染症・予防接種ナビ
http://kansensho.jp/loc/location.html?page=hospitals.html


▼【経験談】RSウイルス感染症 子育て応援団
http://www.kosodateouendan.jp/loc/location.html?page=exp%2Finfect.html%3Fid%3D4
感染症ニュース一覧
予防接種における間違いを防ぐために

注意してほしい感染症

2018年9月期

RSウイルス感染症
腸管出血性大腸菌感染症
風疹
梅毒

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則

過去5年間の同時期との比較

インフルエンザ
咽頭結膜熱
溶連菌感染症
感染性胃腸炎
水痘
手足口病
伝染性紅斑
突発性発しん
百日咳
ヘルパンギーナ
流行性耳下腺炎
急性出血性結膜炎
流行性角結膜炎
マイコプラズマ肺炎
情報元:IDWR2018年第35週(2018年8月27日〜2018年9月2日)

流行の様子

RSウイルス感染症 腸管出血性大腸菌感染症 風しん・先天性風しん症候群 梅毒
 

RSウイルス感染症

報告数
北海道
120
青森
49
岩手
67
宮城
137
秋田
65
山形
87
福島
107
茨城
70
栃木
55
群馬
77
埼玉
257
千葉
161
東京
509
神奈川
348
新潟
149
富山
51
石川
51
福井
47
山梨
9
長野
45
岐阜
98
静岡
193
愛知
283
三重
149
滋賀
14
京都
117
大阪
555
兵庫
227
奈良
108
和歌山
83
鳥取
30
島根
53
岡山
119
広島
163
山口
116
徳島
82
香川
116
愛媛
191
高知
51
福岡
367
佐賀
118
長崎
158
熊本
166
大分
105
宮崎
216
鹿児島
233
沖縄
37
昨年と同様、8月にRSウイルス感染症の本格的流行が始まりました。9月には、さらに患者報告数の増加が危惧されます。特に乳幼児の育児に関わる方は、注意が必要です。
RSウイルス感染症は、病原体であるRSウイルスが伝播することによっておこる呼吸器感染症です。潜伏期間は2〜8日、一般的には4〜6日で発症します。多くの場合は軽い症状ですみますが、重い場合には咳がひどくなったり、呼吸が苦しくなるなどの症状が出ることがあります。
生後6か月未満の乳児で特に注意してほしい症状として、粘っこい鼻水による鼻づまりの症状が非常に強くなることがあります。3か月未満の乳児は、口呼吸ができていません。鼻で呼吸をしているために、粘っこい鼻水が詰まっただけでも苦しくなります。そして更に、ミルクやおっぱいを飲む時に口もふさがってしまうと呼吸がしにくい状態となります。保護者の方は、乳児がおっぱいの飲みが悪くなったなどの変化を注意深く観察しましょう。
RSウイルス感染症の予防法は、手洗い、咳エチケットなどが有効ですが、乳幼児自身が予防することは難しいです。そのため、咳などの症状がある年長児や大人には、0歳児、1歳児のお世話は薦められません。しかしながら、お世話をしなければならないときは、手洗いやマスクの装着などで乳幼児に感染させないように気をつけましょう。
情報元:IDWR2018年第35週(2018年8月27日〜2018年9月2日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則

腸管出血性大腸菌感染症

例年、8月〜9月にかけて患者発生数のピークとなっています。9月も、患者発生数の多い状態が予想されます。焼肉などでは、生肉を扱った箸やトングなどは生食用のものと必ず使い分けましょう。
腸管出血性大腸菌感染症は、感染後3〜5日間の潜伏期間を経て、激しい腹痛を伴う頻回の水様性の下痢が起こり、その後で血便となります(出血性大腸炎)。発熱は軽度です。血便は、初期段階では、少量の血液の混入で始まりますが、次第に血液の量が増加し、典型例では血液そのもののような状態となります。発病者の6〜9%では、下痢などの最初の症状が出てから5〜13日後に溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの重篤な合併症をきたすことが知られています。HUSを合併した場合の致死率は3〜5%といわれています。
<感染経路と対策1>主な感染経路は、腸管出血性大腸菌によって汚染された食材や水分を経口摂取することによる経口感染です。例年、腸管出血性大腸菌の感染者の報告数は、0〜4歳児が最多です。5〜9歳がこれに次いで多い状況です。感染後の発症率も9歳以下は80%前後と高くなっています。牛の生肉や生レバーなどの内臓は、腸管出血性大腸菌の感染の可能性があるので食べるべきではありませんが、特に保育所に通っている年齢群の乳幼児では厳禁です。高齢者や乳幼児と日常的に接触する職業や立場の人(家庭も含めて)、あるいは免疫力の低下した人と接触する職業・立場の人は厳に慎むべきです。
<感染経路と対策2>腸管出血性大腸菌は75℃で1分間加熱で死滅するので、乳幼児への食事はしっかりと加熱したものを供することが基本です。また焼肉などでは、生肉を扱った箸やトングなどは生食用のものと必ず使い分けましょう。過去の事例として野菜類(生野菜はもとより浅漬けなど)やそれ以外の加工食品(最近ではお団子の食中毒)での集団発生がありました。
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則

風しん・先天性風しん症候群

国立感染症研究所によると、風しんの患者報告数は、8月19日(第33週)までに184人となり2015〜2017年の同時期における報告数を超え、さらに2016及び2017年の年間累積報告数を超えました。8月28日、国立感染症研究所 感染症疫学センターは、「首都圏における風しん急増に関する緊急情報:2018年8月22日現在」を公開し、風しん及び先天性風しん症候群に対する注意を呼びかけています。妊娠20週頃までの女性が風しんウイルスに感染すると、胎児にも風しんウイルスが感染して、眼、耳、心臓に障害をもつ先天性風しん症候群の児が生まれる可能性があります。妊婦やその家族は特に注意が必要です。
過去には2012年に2,386人、2013年に14,344人の患者が報告され、この流行に関連した先天性風しん症候群が45人確認されています。
妊娠20週頃までの女性が風しんウイルスに感染すると、胎児にも風しんウイルスが感染して、眼、耳、心臓に障害をもつ先天性風しん症候群の児が生まれる可能性があります。妊娠中は風しん含有ワクチンの接種は受けられず、受けた後は2か月間妊娠を避ける必要があることから、女性は妊娠前に2回の風しん含有ワクチンを受けておくこと及び妊婦の周囲の者に対するワクチン接種を行うことが重要です。また、30〜50代の男性で風しんに罹ったことがなく、風しん含有ワクチンを受けていないか、あるいは接種歴が不明の場合は、早めにMRワクチンを受けておくことが奨められます。風しんはワクチンで予防可能な感染症です。
先天性風しん症候群の発生を防ぐためには妊婦への感染を防止することが重要であり、妊娠出産年齢の女性及び妊婦の周囲の者のうち感受性者を減少させる必要があります。また、風しんの感染拡大を防止するためには、30〜50代の男性に蓄積した感受性者を減少させる必要があります。

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則

梅毒

2010年〜2017年までの7年間で患者報告数が9倍に増加しています。2017年は、2000年以降最多の患者報告数となりました。2018年は、8/19(第33週)までに4,221人(暫定値)となっており、このままでは、昨年の患者数5,770人を大幅に上回る可能性があります。特に注意しなければならないのは若年層です。特に20代の女性の患者数の急増がみられており、このままでは、先天梅毒(※)の増加が危惧されます。※先天梅毒:妊娠している人が梅毒に感染すると、胎盤を通して胎児に感染し、死産、早産、新生児死亡、奇形が起こることがあります。
梅毒は、性的な接触(他人の粘膜や皮膚と直接接触すること)などによってうつる感染症です。原因は梅毒トレポネーマという病原菌で、病名は症状にみられる赤い発疹が楊梅(ヤマモモ)に似ていることに由来します。感染すると全身に様々な症状が出ます。
早期の薬物治療で完治が可能です。検査や治療が遅れたり、治療せずに放置したりすると、長期間の経過で脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。時に無症状になりながら進行するため、治ったことを確認しないで途中で治療をやめてしまわないようにすることが重要です。また完治しても、感染を繰り返すことがあり、再感染の予防が必要です。

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則
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「水ぼうそう・帯状疱疹」ホントのところ

予防接種トピックス

感染症発生動向調査による小児科定点(約3,000か所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000か所)からの報告数に基づいたデータ解析によります。
感染症発生動向調査とは(厚生労働省ホームページより)
すこやか201 知ってアクション!感染症の予防

予防接種スケジュール

※国立感染症研究所サイト

インフルエンザ情報

情報元:日本医師会、日本薬剤師会、日本大学薬学部、(株)EMシステムズ
4月23〜29日のインフルエンザ推定患者数は減少 大型連休によって患者数は更に減少し、流行は収束にむか うと予想(更新:2018年5月1日) 4月23〜29日のインフルエンザの推定患者数は、 約3.8万人と大きく減少しまし・・・
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4月23〜29日のインフルエンザ推定患者数は減少 大型連休によって患者数は更に減少し、流行は収束にむか うと予想(更新:2018年5月1日) 4月23〜29日のインフルエンザの推定患者数は、 約3.8万人と大きく減少しました。4月30日〜5月6 日は、大型連休期間であり、インフルエンザの患者数は更 に大きく減少し、流行は収束に向かっていくものと予想さ れます。今シーズンのコメントは、今回で終了となります (監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長・国立感染 症研究所感染症疫学センター客員研究員安井良則)
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