感染症ニュース

【感染症ニュース】風しん 昨年の秋以降流行が継続、2/25〜3/3(2019年第9週)までの累積報告数は768人で、2013年以来の大きな流行となる可能性が高い

追加的対策の趣旨及び内容

 これまでの風しん対策は、乳幼児及び妊娠を希望する女性等を中心に行っていましたが、2018年の風しん患者報告の中心は、過去にワクチンを受けておらず、風しんウイルスに感染したことがない、抗体を保有していない成人男性でした。今般の追加的対象者の多くは働く世代の男性で、これまでにはなかった新たな取り組みとして実施されます。

 2020年には東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、様々な国から多くの訪日客の増加が見込まれています。人の往来が活発化し、国内で流行している感染症の感染が拡大する恐れがあることが懸念されます。

 そのため、早急に今後の風しんの発生及びまん延を予防するための対策が必要になっています。2019年4月から2022年3月31日までの時限措置として段階的に実施の予定です。

 これによって、昨年秋以来の流行が縮小あるいは収束する可能性については、予想はできません。

対象者

 1962年(昭和37年)4月2日から1979年(昭和54年)4月1日までの間に生まれた男性(現在39歳から56歳の男性)。

風しんの症状と予防

 風しんは、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性発疹症です。症状が現れない不顕性感染から、重篤な合併症(脳炎や血小板減少性紫斑病)併発まで幅広く、臨床症状のみで風しんと診断することは困難な疾患です。男女ともにワクチンを受けて、まず風しんの流行を抑制し、女性は感染予防に必要な免疫を妊娠前に獲得しておくことが重要です。そのためには1歳以上で2回の予防接種を受けておくことが求められています。

先天性風しん症候群とは

 妊娠20週頃までの女性が風しんウイルスに感染すると、胎児にも風しんウイルスが感染して、眼、耳、心臓に障害をもつ先天性風しん症候群の児が生まれる可能性があります。妊娠中は風しん含有ワクチンの接種は受けられず、受けた後は2か月間妊娠を避ける必要があることから、女性は妊娠前に2回の風しん含有ワクチンを受けておくこと及び妊婦の周囲の者に対するワクチン接種を行うことが重要です。また、30〜50代の男性で風しんに罹ったことがなく、風しん含有ワクチンを受けていないか、あるいは接種歴が不明の場合は、早めにMRワクチンを受けておくことが奨められます。風しんはワクチンで予防可能な感染症です。

先天性風しん症候群の発生を防ぐためには

 妊婦への感染を防止することが重要であり、妊娠出産年齢の女性及び妊婦の周囲の者のうち感受性者を減少させる必要があります。また、風しんの感染拡大を防止するためには、30〜50代の男性に蓄積した感受性者を減少させる必要があります。

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
感染症ニュース一覧
予防接種における間違いを防ぐために

注意してほしい感染症

2019年3月期

麻しん(はしか)
ロタウイルス感染症
伝染性紅斑(りんご病)
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

過去5年間の同時期との比較

インフルエンザ
咽頭結膜熱
溶連菌感染症
感染性胃腸炎
水痘
手足口病
伝染性紅斑
突発性発しん
百日咳
ヘルパンギーナ
流行性耳下腺炎
急性出血性結膜炎
流行性角結膜炎
マイコプラズマ肺炎
情報元:IDWR2019年第10週(2019年3月4日〜2019年3月10日)

流行の様子

麻しん ロタウイルス感染症 伝染性紅斑 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
 

麻しん

麻しんは麻しんウイルスによって引き起こされる急性熱性発疹性の感染症です。麻しんウイルスは人のみに感染するウイルスであり、人から人へ感染が伝播していきます。その感染力は非常に強く、感染経路としては、空気感染、飛沫感染、接触感染によって感染します。同じ部屋にいるだけで「空気感染」することもあり、手洗い、マスクのみで予防はできません。免疫を持っていない人が感染するとほぼ全ての人が発症します。
潜伏期間は10日から12日間の潜伏期を経て発症し、カタル期(2〜4日間)、発疹期(3〜5日間)、回復期へと至ります。38度前後の発熱が2日から4日続き、発症すると発熱、咳、鼻水など風邪のような症状が現れ、2〜3日後には39度以上の高熱と発疹が現れます。肺炎や中耳炎などの合併症を起こしやすく、さらに、患者1,000人に1人の割合で脳炎を発症すると言われています。その後、一旦はやや熱が低くなるものの、再び39度以上の高熱が出るとともに、麻しん特有の発疹が現れ2日後には全身に広がります。
麻しんにはいずれも特効薬はありません。もしも、発症してしまった場合の治療は、症状を和らげる対症療法となります。
麻しんの感染発症を防ぐ唯一の予防手段は、MRワクチンという麻しんと風しんを混合したワクチンがあります。予めワクチンを接種をすることがもっとも有効で麻しんに対する免疫を獲得しておくことです。

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

ロタウイルス感染症

ほとんどすべての子どもが4〜5歳までに感染します。初感染であれば新生児期を除いて不顕性感染(感染していながら臨床的に確認しうる症状を示さず健康にみえる状態)はまれです。生後6か月以降2歳未満の時期に感染するともっとも重症化しやすいといわれており、入院治療を必要とする乳幼児下痢症の35〜52%がロタウイルスによるものです。
かかりやすいのは乳幼児で、特に1歳児に多く、年齢が上がるにつれだんだんと減っていきます。脱水などのために入院治療が必要となるのはほとんどが就学前(6歳以下)の乳幼児で、2歳未満児(ただし、3か月以上)が過半数を占めます。生涯をとおしてロタウイルス感染は繰り返し起こりますが、一般に年長児や成人は不顕性感染となります。
従来、12〜1月に流行し、冬季下痢症と呼ばれてきましたが、最近の日本での流行のピークは3〜5月となっています。初冬(11月〜1月)に流行するノロウイルス感染症とれ替わるようにロタウイルスの流行がみられ、ウイルス性胃腸炎として二峰性のピークを示すことが最近の日本での流行の特徴です。

情報元:日本学校保健会
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

伝染性紅斑

妊婦が感染すると、胎児水腫や流産の可能性があります。妊娠前半期は、より危険性が高いといわれていますが、後半期にも胎児感染は生じるとの報告があります。その他、溶血性貧血患者が感染した場合の貧血発作を引き起こすことがあり、他にも血小板減少症、顆粒球減少症、血球貪食症候群等の稀ですが重篤な合併症が知られています。
4〜5歳を中心に幼児、学童に好発する感染症で、単鎖DNAウイルスであるヒトパルボウイルスB19が病原体です。典型例では両頬がリンゴのように赤くなることから「リンゴ病」と呼ばれることがありますが、実際には典型的な症状ではない例や症状が現れないケースもあり、様々な症状があることが明らかになっています。感染後約1週間で軽い感冒様症状を示すことがありますが、この時期にウイルス血症を起こしており、ウイルスの体外への排泄量は最も多くなります。
感染後10〜20日で現れる両頬の境界鮮明な紅斑があります。続いて腕、脚部にも両側性にレース様の紅斑がみられます。体幹部(胸腹背部)にまでこの発疹が現れることもあります。発熱はあっても軽度です。本疾患の大きな特徴として、発疹出現時期を迎えて伝染性紅斑と診断された時点では、抗体産生後であり、ウイルス血症はほぼ終息し、既に他者への感染性は、ほとんどないといわれています。
情報元:IDWR2019年第10週(2019年3月4日〜2019年3月10日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

溶連菌感染症の症状が疑われる場合は、速やかにかかりつけ医を受診しましょう。溶連菌感染症と診断され、抗菌薬が処方された場合は、医師の指示に従うことが重要です。途中で抗菌薬をやめた場合、病気の再燃や糸球体腎炎などの合併症を来すことが知られています。
溶連菌感染症は、学童期の小児に最も多く、3歳以下や成人では典型的な症状が現れることは少ないといわれています。症状としては2〜5日の潜伏期間を経て、38度以上の発熱と全身倦怠感、のどの痛みによって発症し、しばしばおう吐を伴います。
また、舌にイチゴのようなぶつぶつができる「イチゴ舌」の症状が現れます。まれに重症化し、全身に赤い発しんが広がる「猩紅熱(しょうこうねつ)」になることがあります。また、十分な抗菌薬の投与による治療をおこなわないと、リウマチ熱や急性糸球体腎炎などを引き起こすことが知られています。
主な感染経路は、発症者もしくは保菌者(特に鼻咽頭部に保菌している者)由来の飛沫による飛沫感染と濃厚な直接接触による接触感染です。物品を介した間接接触による感染は稀とされていますが、患者もしくは保菌者由来の口腔もしくは鼻腔由来の体液が明らかに付着している物品では注意が必要です。発症者に対しては、適切な抗菌薬による治療が開始されてから48時間が経過するまでは学校、幼稚園、保育園での集団生活は許可すべきではないとされています。
情報元:IDWR2019年第10週(2019年3月4日〜2019年3月10日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
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「水ぼうそう・帯状疱疹」ホントのところ

予防接種トピックス

感染症発生動向調査による小児科定点(約3,000か所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000か所)からの報告数に基づいたデータ解析によります。
感染症発生動向調査とは(厚生労働省ホームページより)
すこやか201 知ってアクション!感染症の予防
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予防接種スケジュール

※国立感染症研究所サイト

インフルエンザ情報

情報元:日本医師会、日本薬剤師会、日本大学薬学部、(株)EMシステムズ
インフルエンザ 1週間の推定患者数は約15万人と6週 間連続して減少が認められているが、春休みに入るまでは まだ注意が必要(更新:2019/3/15)
 インフルエンザの1週間の推定患者数は約15万人と、 前週の値(約・・・
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インフルエンザ 1週間の推定患者数は約15万人と6週 間連続して減少が認められているが、春休みに入るまでは まだ注意が必要(更新:2019/3/15)
 インフルエンザの1週間の推定患者数は約15万人と、 前週の値(約22万人)よりも減少し、6週間連続しての 減少となりました。また、週明けの3月11日の推定患者 数は約2万7千人と前週の値(約3万8千人)を下回って おり、インフルエンザの患者数は更に減少していくものと 予想されます。推定受診者数多い順…秋田県、福井県、山 形県、北海道、三重県 (監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長・国立感染 症研究所感染症疫学センター客員研究員・安井良則氏)
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