感染症ニュース

【感染症ニュース】腸管出血性大腸菌感染症 患者報告数の増加傾向が続く 今後警戒が必要

 腸管出血性大腸菌感染症の主な感染経路は、腸管出血性大腸菌によって汚染された食材(加熱が不十分な肉など)や水分を経口摂取することによる経口感染です。

 例年、腸管出血性大腸菌の感染者の報告数は、0〜4歳児が最多です。5〜9歳がこれに次いで多い状況です。特に重症化すると命にかかわる場合があるので、注意が必要です。

患者数の動向

 IDWRの速報データによると
 2019/6/17〜6/23(第25週)は、全数把握疾患、報告数が115件
 2019/6/24〜6/30(第26週)は、全数把握疾患、報告数が126件
 2019/7/1〜7/7(第27週)は、全数把握疾患、報告数が144件

症状と合併症

 感染後3〜5日間の潜伏期間を経て、激しい腹痛を伴う頻回の水様性の下痢が起こり、その後で血便となります(出血性大腸炎)。発熱は軽度です。血便は、初期段階では、少量の血液の混入で始まりますが、次第に血液の量が増加し、典型例では血液そのもののような状態となります。

 発病者の6〜9%では、下痢などの最初の症状が出てから5〜13日後に溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの重篤な合併症をきたすことが知られています。HUSを合併した場合の致死率は3〜5%といわれています。

衛生管理

 腸管出血性大腸菌は75℃で1分間過熱で死滅するので、食事はしっかりと過熱したものを供することが基本です。

 また焼肉などでは、生肉を扱った箸やトングなどは生食用のものと必ず使い分けましょう。過去の事例として、野菜類(生野菜はもとより浅漬けなど)やそれ以外の加工食品(最近ではお団子の食中毒)での集団発生がありました。施設に提供され、そのまま加熱処理等が行われないままに供される食材の衛生管理は、納入業者と連携してしっかりと行われなければなりません。

 牛の生肉や生レバーなどの内臓は、腸管出血性大腸菌の感染の可能性があるので食べるべきではありませんが、特に保育所に通っている年齢群の乳幼児では厳禁です。高齢者や乳幼児と日常的に接触する職業や立場の人(家庭も含めて)、あるいは免疫力の低下した人と接触する職業・立場の人は厳に慎むべきです。


監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
感染症ニュース一覧
予防接種における間違いを防ぐために

注意してほしい感染症

2019年7月期

手足口病
RSウイルス感染症
伝染性紅斑(りんご病)
腸管出血性大腸菌感染症

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

過去5年間の同時期との比較

インフルエンザ
咽頭結膜熱
溶連菌感染症
感染性胃腸炎
水痘
手足口病
伝染性紅斑
突発性発しん
百日咳
ヘルパンギーナ
流行性耳下腺炎
急性出血性結膜炎
流行性角結膜炎
マイコプラズマ肺炎
情報元:IDWR2019年第27週(2019年7月1日〜2019年7月7日)

流行の様子

手足口病 RSウイルス感染症 伝染性紅斑 腸管出血性大腸菌感染症
 

手足口病

手足口病は、主に夏季に流行する感染症で、例年7月頃に流行のピークを迎えています。年齢別にみると5歳以下が流行の中心であり、感染症発生動向調査の小児科定点医療機関からの報告によると、2歳以下からの報告数が全体の約半数を占めています。
 従来のCA16およびEV71による手足口では、3〜5日間の潜伏期間の後に、口腔粘膜、手掌、足底や足背などの四肢末端に2〜3mmの水疱性発疹が出現してきます。発熱は約3分の1に認められますが軽度であり、高熱が続くことは通常はありません。通常は3〜7日の経過で軽快し、水疱の跡が痂皮(かさぶた)となることもありません。
一方、近年みられるようになったCA6による手足口病では、水疱が5mm程度と大きく、四肢末端に限局せずに前腕部から上腕部、大腿部から殿部と広範囲に認められ、発熱も39℃を上回ることも珍しくなく、水痘との鑑別が困難な例もあります。また、手足口病を発症して治癒した後に、数週間を経て上下肢の爪が脱落する爪甲脱落症をきたす場合があり、CA6を原因とする手足口病の特徴となっています。感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染があげられます。保育園や幼稚園などの乳幼児施設においての流行時の感染予防は手洗いの励行と排泄物の適正な処理が基本となります。
情報元:IDWR2019年第27週(2019年7月1日〜2019年7月7日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

RSウイルス感染症

報告数
北海道
94
青森
6
岩手
10
宮城
29
秋田
0
山形
7
福島
41
茨城
17
栃木
15
群馬
7
埼玉
56
千葉
39
東京
122
神奈川
69
新潟
57
富山
4
石川
3
福井
9
山梨
2
長野
12
岐阜
5
静岡
21
愛知
31
三重
1
滋賀
7
京都
12
大阪
70
兵庫
31
奈良
9
和歌山
4
鳥取
0
島根
2
岡山
4
広島
7
山口
10
徳島
14
香川
2
愛媛
4
高知
5
福岡
34
佐賀
6
長崎
14
熊本
13
大分
4
宮崎
15
鹿児島
41
沖縄
299
RSウイルス感染症は、病原体であるRSウイルスが伝播することによっておこる呼吸器感染症です。潜伏期間は2〜8日、一般的には4〜6日で発症します。多くの場合は軽い症状ですみますが、重い場合には咳がひどくなったり、呼吸が苦しくなるなどの症状が出ることがあります。
特に気をつけなければならないのが、生後数週間から数か月の赤ちゃんがRSウイルスに感染することです。感染すると、気管支炎、肺炎などを起こすことがあり、1〜3%が重症化すると言われています。RSウイルス感染症の感染経路はインフルエンザと同様、飛沫感染や接触感染です。RSウイルス感染症のワクチンはまだ実用化されていません。予防法は、手洗い、咳エチケットなどが有効です。RSウイルス感染症には特効薬はありません。治療は症状を和らげる対症療法になります。
情報元:IDWR2019年第27週(2019年7月1日〜2019年7月7日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

伝染性紅斑

妊婦が感染すると、胎児水腫や流産の可能性があります。妊娠前半期は、より危険性が高いといわれていますが、後半期にも胎児感染は生じるとの報告があります。その他、溶血性貧血患者が感染した場合の貧血発作を引き起こすことがあり、他にも血小板減少症、顆粒球減少症、血球貪食症候群等の稀ですが重篤な合併症が知られています。
4〜5歳を中心に幼児、学童に好発する感染症で、単鎖DNAウイルスであるヒトパルボウイルスB19が病原体です。典型例では両頬がリンゴのように赤くなることから「リンゴ病」と呼ばれることがありますが、実際には典型的な症状ではない例や症状が現れないケースもあり、様々な症状があることが明らかになっています。
感染後約1週間で軽い感冒様症状を示すことがありますが、この時期にウイルス血症を起こしており、ウイルスの体外への排泄量は最も多くなります。感染後10〜20日で現れる両頬の境界鮮明な紅斑があります。続いて腕、脚部にも両側性にレース様の紅斑がみられます。体幹部(胸腹背部)にまでこの発疹が現れることもあります。発熱はあっても軽度です。本疾患の大きな特徴として、発疹出現時期を迎えて伝染性紅斑と診断された時点では、抗体産生後であり、ウイルス血症はほぼ終息し、既に他者への感染性は、ほとんどないといわれています。
情報元:IDWR2019年第27週(2019年7月1日〜2019年7月7日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

腸管出血性大腸菌感染症

腸管出血性大腸菌感染症は、感染後3〜5日間の潜伏期間を経て、激しい腹痛を伴う頻回の水様性の下痢が起こり、その後で血便となります(出血性大腸炎)。発熱は軽度です。血便は、初期段階では、少量の血液の混入で始まりますが、次第に血液の量が増加し、典型例では血液そのもののような状態となります。発病者の6〜9%では、下痢などの最初の症状が出てから5〜13日後に溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの重篤な合併症をきたすことが知られています。HUSを合併した場合の致死率は3〜5%といわれています。
<感染経路と対策1>
主な感染経路は、腸管出血性大腸菌によって汚染された食材や水分を経口摂取することによる経口感染です。例年、腸管出血性大腸菌の感染者の報告数は、0〜4歳児が最多です。5〜9歳がこれに次いで多い状況です。感染後の発症率も9歳以下は80%前後と高くなっています。牛の生肉や生レバーなどの内臓は、腸管出血性大腸菌の感染の可能性があるので食べるべきではありませんが、特に保育所に通っている年齢群の乳幼児では厳禁です。高齢者や乳幼児と日常的に接触する職業や立場の人(家庭も含めて)、あるいは免疫力の低下した人と接触する職業・立場の人は厳に慎むべきです。
<感染経路と対策2>
腸管出血性大腸菌は75℃で1分間加熱で死滅するので、乳幼児への食事はしっかりと加熱したものを供することが基本です。また焼肉などでは、生肉を扱った箸やトングなどは生食用のものと必ず使い分けましょう。過去の事例として野菜類(生野菜はもとより浅漬けなど)やそれ以外の加工食品(最近ではお団子の食中毒)での集団発生がありました。
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
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「水ぼうそう・帯状疱疹」ホントのところ

予防接種トピックス

感染症発生動向調査による小児科定点(約3,000か所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000か所)からの報告数に基づいたデータ解析によります。
感染症発生動向調査とは(厚生労働省ホームページより)
すこやか201 知ってアクション!感染症の予防
すこやか2019 知ってアクション!感染症の予防

予防接種スケジュール

※国立感染症研究所サイト

インフルエンザ情報

情報元:日本医師会、日本薬剤師会、日本大学薬学部、(株)EMシステムズ
インフルエンザ 1週間の推定患者数は8週間連続で減少 、学校等の春季休暇の影響によってさらに患者数は減少し ていくと予想される(更新:2019/3/27)
 インフルエンザの1週間の推定患者数は約8万9千人と 前週の値・・・
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インフルエンザ 1週間の推定患者数は8週間連続で減少 、学校等の春季休暇の影響によってさらに患者数は減少し ていくと予想される(更新:2019/3/27)
 インフルエンザの1週間の推定患者数は約8万9千人と 前週の値(約10万6千人)よりも減少し、第5週以降8 週間連続しての減少となりました。また、週明けの3月2 5日の推定患者数は約1万6千人と前週の値(約2万2千 人)を下回っており、インフルエンザの患者数は更に減少 していくものと予想されます。推定受診者数多い順…秋田 県、福井県、北海道、青森県、香川県 (監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長・国立感染 症研究所感染症疫学センター客員研究員・安井良則氏)
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