感染症・予防接種ナビは、平成27年度日本医療研究開発機構研究費(医薬品等規制調和・評価研究事業)「ワクチン接種と稀ながら発生する副反応に関する研究」(研究代表者・多屋馨子)の 「ホームページを活用した予防接種後副反応アンケート調査」(研究分担者・安井良則)の研究活動に協力しています。

感染症ニュース

おたふくかぜ 患者数は今後増加すると予想されます

 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は、両方またはどちらかの耳下腺の腫れを特徴とするウイルス感染症で、3〜6歳の小児を中心に発症します。

 定点あたり患者数は過去5年間の同時期と比較して多く、患者数は今後増加すると予想されます。

 おたふくかぜの流行の周期は5〜6年で、2016年は2010年以来の流行の年になると思われます。

地域別情報

 2016年5/9〜5/15の速報データによると、定点当たり報告数が最も多いのは宮崎県、次いで山形県、石川県、佐賀県、鹿児島県となっています。

症状

 2〜3週間の潜伏期(平均18日前後)の後、両方またはどちらかの耳下腺が腫れます。

 主な症状は唾液腺(耳の下にある耳下腺のほか、舌の下にある舌下腺、顎の下にある顎下腺)の腫れ、圧迫した際の痛み、物を飲み込む際の痛みや発熱で、通常48時間以内に症状のピークがあり、1〜2週間で症状が軽くなります。

 合併症としては発症者の約10%に髄膜炎がみられます。また、数100例に1例程度ですが、難聴を合併する場合もあります。

予防

 おたふくかぜを効果的に予防するには、ワクチン接種が唯一の方法になります。接種後は概ね90%前後が有効なレベルの抗体価を得るといわれています。

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)について詳しく見る▼

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2016/5/26
感染症ニュース一覧
予防接種における間違いを防ぐために

注意してほしい感染症

2016年5月期

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶蓮菌感染症)
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
ロタウイルス感染症
咽頭結膜熱

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

過去5年間の同時期との比較

インフルエンザ
咽頭結膜熱
溶連菌感染症
感染性胃腸炎
水痘
手足口病
伝染性紅斑
突発性発しん
百日咳
ヘルパンギーナ
流行性耳下腺炎
急性出血性結膜炎
流行性角結膜炎
マイコプラズマ肺炎
情報元:IDWR2016年第19週(2016年5月9日〜2016年5月15日)

流行の様子

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 流行性耳下腺炎 ロタウイルス感染症 咽頭結膜熱
 

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

これから流行本番を迎え、1年で最も患者数が多い時期に入ると思われます。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(一般には溶連菌感染症と言われる場合が多いです)は、A群溶血性レンサ球菌によって引き起こされる感染症です。同菌は上気道炎や化膿性皮膚感染症などの原因菌としてよくみられるグラム陽性菌で、菌の侵入部位や組織によって多彩な臨床症状を引き起こすことが知られています。最も多く発生している急性咽頭炎の他にも日常的にみられる感染病態として膿痂疹、蜂巣織炎、あるいは抗菌薬による治療が発達する前によくみられていた病型として猩紅熱があります。
その他にも中耳炎、肺炎、化膿性関節炎、骨髄炎、髄膜炎などをきたすことがあります。また、菌の直接の作用ではなく、感染後の免疫学的機序を介して、リウマチ熱や急性糸球体腎炎を起こすこともよく知られています。更に、発症機序、病態生理は不明ですが、軟部組織壊死を伴い、敗血症性ショックを来たす劇症型溶血性レンサ球菌感染症は重篤な病態としてしばしば問題となっています。A群溶血性レンサ球菌のほとんどは細胞表層に蛋白抗原としてM蛋白とT蛋白を有しており、これらの抗原性により、さらに型別分類されます。M蛋白には100以上の血清型が、T蛋白には約50の血清型が知られています。また、本菌は溶血毒素、発熱毒素(発赤毒素)、核酸分解酵素、ストレプトキナーゼなど、種々の活性蛋白物質を産生して細胞外に分泌し、種々の症状を起こすと考えられています。
情報元:IDWR2016年第19週(2016年5月9日〜2016年5月15日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

流行性耳下腺炎

GW明けより流行本番を迎え、さらに患者数が増加すると思われます。今年は6年ぶりの流行の年と予想されますので、注意が必要です。
流行性耳下腺炎(mumps)は2〜3週間の潜伏期(平均18日前後)を経て発症し、片側あるいは両側の唾液腺の腫脹を特徴とするウイルス感染症です。通常1〜2週間で軽快します。最も多い合併症は髄膜炎です。その他、髄膜脳炎、睾丸炎、卵巣炎、難聴、膵炎などを認める場合があります。
情報元:IDWR2016年第19週(2016年5月9日〜2016年5月15日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

ロタウイルス感染症

GW前後に患者発生のピークを迎えつつあると思われます。
先進国、発展途上国を問わず、罹患率が高いのがロタウイルスです。ほとんどすべての子どもが4〜5歳までに感染します。初感染であれば新生児期を除いて不顕性感染(感染していながら臨床的に確認しうる症状を示さず健康にみえる状態)はまれです。生後6か月以降2歳未満の時期に感染するともっとも重症化しやすいといわれており、入院治療を必要とする乳幼児下痢症の35〜52%がロタウイルスによるものです。アメリカにおいて、ロタウイルスは年間数百万例以上の下痢症を引き起こし、約7万人の子どもが入院治療を必要とし、100例以上が死亡していると推計されています。
情報元:日本学校保健会
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

咽頭結膜熱

GW明けより本格的な流行期となると予想されます。
咽頭結膜熱は、別名プール熱とも呼ばれています。春から夏にかけて流行する感染症です。主にアデノウイルス3型(他に1、2、4、5、6、7型等でもみられる)に感染することによってみられる咽頭炎、結膜炎を主とする急性ウイルス性感染症です。
なお、プール熱という名前の方が一般的に知られるようになり、プールに入ったら感染してしまうなどというイメージを持っている方もいらっしゃいますが、残留塩素濃度の基準を満たしているプールの水を介して感染することはほとんどありません。
情報元:IDWR2016年第19週(2016年5月9日〜2016年5月15日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
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予防接種トピックス

感染症発生動向調査による小児科定点(約3,000か所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000か所)からの報告数に基づいたデータ解析によります。
感染症発生動向調査とは(厚生労働省ホームページより)
予防接種チェックリスト

予防接種スケジュール

※国立感染症研究所サイト

インフルエンザ情報

情報元:日本医師会、日本薬剤師会、日本大学薬学部、(株)EMシステムズ
【インフルエンザ推定患者数 5週連続で減少し、本格的 な流行から脱した】 更新:3/25 ◇流行のようす/薬局サーベイランスによると2016年 第11週(3/14〜20)の推定患者数は679,51 3人となり、5週連続で前週・・・
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【インフルエンザ推定患者数 5週連続で減少し、本格的 な流行から脱した】 更新:3/25 ◇流行のようす/薬局サーベイランスによると2016年 第11週(3/14〜20)の推定患者数は679,51 3人となり、5週連続で前週の値より減少しました。前週 と比較して20万人以上の大幅な減少が2週連続となりま した。第10週、第11週(3/7〜13、3/14〜2 0)で患者数は大幅に減少し、本格的な流行から脱しまし た。春休み期間に入り、患者数は更に大きく減少すると予 想されます。しかし、例年の同時期と比較すると、まだ患 者発生数の多い状態が続いており、今しばらくは患者数の 推移に注意が必要です。 ◇都道府県別情報/人口1万人当たり1週間の推定受診者 数※は、福井県、北海道、愛媛県、秋田県、長野県、富山 県、岐阜県、徳島県の順となっており、北海道、秋田県、 福井県を除く44都府県で前週よりも減少がみられました 。 ※各都道府県別、人口1万人当たりの1週間の推定受診者 数は、各都道府県のインフルエンザ流行指標です。 ◇年齢群別情報/今シーズンの累積推定患者数は、約9, 165,000人で、年齢群別では5〜9歳(21.6% )、10〜14歳(13.4%)、40〜49歳(12. 8%)、30〜39歳(12.2%)、0〜4歳(10. 9%)、50〜59歳(7.6%)、20〜29歳(6. 7%)、60〜69歳(5.6%)、15〜19歳(5. 3%)、70歳以上(3.9%)の順となっています。す べての年齢群において、前週よりも減少しています。 ◇ウイルスの型/国立感染症研究所によると、これまでの インフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエン ザウイルスはA/H1pdm57.6%、B型31.9% 、A/H3(A香港)亜型10.5%の順です。A/H1 pdmとB型の混合流行が継続しています。 監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長・国立感染症 研究所感染症疫学センター客員研究員・安井良則
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