母子感染
川名先生は、臨床医、そして研究医として、長年、母から子にうつる感染症の研究を進めています。
川名先生
「母から子にうつる感染症は、妊娠の時期との関係で、3つのケースが考えられます。
一つ目は赤ちゃんがおなかの中にいるときにうつるケース。風しん、トキソプラズマ、サイトメガロウイルス…特に妊娠初期にうつると、障害が大きくなります。
二つ目は出産の時にうつるケースでありまして、B型肝炎ウイルスとか、あるいは性器ヘルペスのような場合があります。
三つ目は出産をしてから、母乳でうつるケースでありまして、成人T細胞白血病ウイルスとか、あるいはエイズのウイルスとかは、このような形で母子感染が起こります」
これらの感染症は、症状が出ない場合もあり、妊娠時の血液検査で抗体を調べた時に、初めて感染していたことを知るケースもあります。
しかし、すべての感染がおなかの赤ちゃんに影響があるわけではありません。
川名先生は、抗体を詳しく調べ感染の時期を特定する研究を進めています。
川名先生
「トキソプラズマとか、あるいはサイトメガロウイルスとか、症状がありませんから、いつかかったかがわからないわけですね。それをなんとか血液を使って、分かる方法がないかということを20年前ぐらいから研究しておりまして、かなりいい方法が開発できているわけであります。
いつ頃かかかったかということを推定することが、大変重要になってきますので、是非お医者さんとその辺を相談していただいて、そこからいろいろなことを考えていただければと思います」
医事監修:
三井記念病院 産婦人科部長 小島俊行氏
国立感染症研究所 感染症疫学センター第三室室長 多屋馨子氏
協力:田辺三菱製薬、制作協力:日テレアックスオン、製作著作:広島テレビ
更新:2016/1/31