デング出血熱 2015夏
「デング出血熱」という言葉を聞かれたことがありますか?
デング出血熱という病態は、放置すると致死率が10%から20%という、大変な病気なんです。
実は、昨年(2014年)162人の患者さんのうちの一人がデング出血熱でした。
東京・新宿区にある、国立国際医療研究センターで忽那先生は昨年(2014年)、デング出血熱の患者を診察しました。
忽那先生「その方はですね、2006年にフィリピンでデング熱にかかったことがあって、もともとデング熱の既往があって、今回また東京でデング熱に感染して、2回の感染だったのですが…」
デング出血熱は、以前デング熱に罹ったことがあり、2回目に発症した時になりやすいと言われています。
忽那先生「2回目の感染の発症をした時に、他の人に比べると、血漿漏出といって、体の、血管の外に水分が漏れていくような病態が、他の人よりも強く出て…、あとは血小板がすごく下がる…血を固める成分が他の人よりもどんどん少なくなっていって出血症状が出たりですね。まあ幸いその、去年のデング出血熱になった方は、そこまでは悪くなりませんでしたし、普通に点滴だけでご無事に、後遺症なく退院されました。
必ずしも2回感染すると重症化するっていうわけではないです。1回目は絶対安全だとか、2回目は絶対危険だとか、そういうことはないので、あくまでリスクが高くなるということで、2回目の方がより注意をした方がいいということですね」
デング熱にかからないためにはどうすればいいのでしょうか。予防するためのワクチンは、まだ開発の途中だそうです。
ワクチンとは?
ワクチンというのは、病原微生物そのものを病気の人から取り出して、その毒性をなくしたり弱めてから、再び人に接種して、発症しないようにして抗体を作るものです。だから病気を起こさないような株を作り培養するという、大変な作業があって、ワクチンを作り上げるのは大変です。しかし、現在も開発は進められており、完成が期待されています。
デング熱にかからないためには
デング熱にかからないための予防法は、蚊に刺されないことです。
まずは、長袖シャツと長ズボンを着用、首にバンダナを巻くなどして、肌の露出はなるべく少なくしましょう。
虫よけ剤も効果的です。使用上の注意をよく読んでから使いましょう。
医事監修:
国立感染症研究所ウイルス第一部 第2室室長 高崎智彦氏
国立感染症研究所感染症疫学センター第三室室長 多屋馨子氏
協力:田辺三菱製薬、制作協力:日テレアックスオン、製作著作:広島テレビ
更新:2015/7/12