【動画】知ってなっ得!感染症の予防
冬に気をつけてほしい感染症
~水ぼうそう~
2020年5月25日更新
水ぼうそう

水ぼうそうとは?

 水ぼうそうは「水痘・帯状疱疹ウイルス」が引き起こす感染症です。空気感染、飛沫感染、接触感染により広がり、2週間程度の潜伏期間を経て発症します。日本では年間におよそ100万人が発症していると言われます。

 症状は、まず発熱。そして、赤い発疹が出て、その後、水疱、膿疱ができ、かさぶたになって治ります。主に子どもの病気で、発症する人の9割が、9歳以下の子どもと言われています。軽い病気と思われがちですが、日本では年間に4000人程度が入院、20人ほどが亡くなっています。


 2014年10月から、水ぼうそうの予防接種が定期予防接種になりました。1歳以上、3歳未満の子どもが対象で、2回接種を行うと定められています。水ぼうそうのワクチンは、1回の接種で重症化のほぼ100パーセント、2回の接種で軽症も含めて、発症がほとんど予防できると考えられています。


水ぼうそうのワクチンは2回接種

 臨床の立場から水ぼうそうのワクチンの開発にかかわった、国立病院機構三重病院院長・庵原俊昭先生に伺いました。ワクチンを2回接種する意義について「私たちの経験から言いますと、保育園など子ども達の接触が非常に強いところで水ぼうそうが流行りますと、ワクチンを受けている子どもの大体30%から40%が発症するんです。ただ多くの子どもは軽く済みます」


できれば妊娠する前に、水ぼうそうのワクチンを

 水ぼうそうは大人になってからかかると症状が重くなるケースがあり、妊娠をしている女性にはさまざまな危険性がある病気です。庵原先生「妊娠している時期によっては、赤ちゃんにトラブルが起こるという危険性がありますから、できれば妊娠する前に、水ぼうそうのワクチンを受けていただくというのが、水ぼうそうにかかっていないお母さんへのアドバイスです」


水ぼうそうのウイルスが引き起こす帯状疱疹

 高齢者によく発症が見られる帯状疱疹は、水ぼうそうのウイルスが引き起こす病気です。子どものうちに水ぼうそうのワクチンを接種して、水ぼうそうの発症を予防すると、将来、帯状疱疹になるリスクを下げる可能性があるとして研究が続けられています。


水ぼうそうのワクチンの副反応

 「副反応としては、だいたいワクチンを受けて14〜21日頃に水ぼうそうの始まりのような発疹が出てくることがありますが、水ぶくれまでにはならないので周囲へ感染するリスクはほとんどないと考えられています。水ぼうそうのワクチンは比較的安心で接種できるワクチンと言えます」


水ぼうそうのワクチンは日本製

 水ぼうそうは大半の健常な子どもたちは予後が良好で、かかった後は治ってしまうのが当たり前の感染症だという認識がありますが、例えば白血病や、がんで抗癌剤を投与されていたり、免疫抑制剤を投与されているお子さんがもし水ぼうそうになった場合には、命にかかわる病気で、これまでたくさんの子ども達が亡くなっていました。そうした子どもたちの命を守ろうと、大阪大学の高橋教授らが中心となって水ぼうそうのワクチン株が開発されました。そして今、広く世界中で接種されるようになりました。


医療監修:
川崎市健康安全研究所 所長 岡部 信彦氏
国立病院機構三重病院 院長 庵原 俊昭氏
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
協力:田辺三菱製薬、制作協力:日テレアックスオン、製作著作:広島テレビ
更新:2015/1/24

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