【感染症ニュース】《経験談》RSウイルス感染症2才・高熱と激しい咳… 全国定点報告数4週連続増加 医師「流行期前倒しの可能性」
2025年2月13日更新
風邪気味の時は、乳幼児に近寄らない!
風邪気味の時は、乳幼児に近寄らない!
国立感染症研究所の感染症発生動向調査週報2025年第5週(1/27〜2/2)によると、全国のRSウイルス感染症の定点あたり報告数は0.86。これで4週連続の増加となりました。都道府県別の定点あたり報告数は、北海道1.93、大阪1.73、奈良1.59、山口1.47、1.44福井、兵庫1.38、三重1.32、佐賀1.26が多くなっています。

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RSウイルス感染症とは?

RSウイルス感染症は、RS(respiratory syncytial)ウイルスを病原体とする、乳幼児に多く認められる急性呼吸器感染症です。主な感染経路は、患者の咳やくしゃみなどによる飛沫感染と、ウイルスが付着した手指や物品等を介した接触感染です。生後1歳までに50%以上の人が、2歳までにほぼ100%の人が1度は感染し、何度も感染するとされています。初感染の場合は発熱、鼻汁などの上気道症状が出現し、うち約20〜30%で気管支炎や肺炎などの下気道症状が出現するとされています。乳幼児のおける肺炎の約50%、細気管支炎の約50〜90%の原因がRSウイルス感染症と考えられています。RSウイルス感染症には特効薬はありません。治療は基本的には対症療法(酸素投与、点滴、呼吸管理など症状を和らげる治療)を行います。

感染症に詳しい医師は…

感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は「RSウイルス感染症は、以前は春頃から患者数が増え、夏がピークとなっていましたが、今年は流行の立ち上がりが早いように感じます。本格的な流行になるかどうか、これからの動向を注視する必要があります」と語っています。

《経験談》 RSウイルス感染症 2歳 福岡県

2歳のお子さんの保護者の方からRSウイルス感染症経験談が寄せられました。
「みなさんの体験談を読ませていただき、わたしも一緒にがんばろう!と思えたので、書かせていただきます。
2月5日 水 1日目
朝から38.0。すぐに病院に行き、RSウイルス感染症と診断される。機嫌はよくて咳も少し出るくらい。
2月6日 木2日目
午前中37.0。(熱は)もう下がったか?と思ったのが、地獄のはじまり。夕方から夜にかけてぐったりになり、41℃(の発熱)。夜間も座薬使用。
2月7日 金3日目
かわらず朝から40度。座薬がないとぐったり。食事取らない、水分のみ(摂取)。咳がはげしくなり、病院に行き、吸入器を借りる。熱は続くヨ!と医者にいわれる
2月8日 土4日目
変わらず朝から40度。昨日より、ぐったり。朝晩吸入。座薬ないと眠れない。咳も激しい。血液検査をすると、白血球8600。まだ様子見でいいと言われる。
2月9日 日 5日目
はじめて朝、(熱が)38.0℃まで下がる。急患に行きセカンドオピニオン。酸素や呼吸問題なし。山場は超えてそうといわれるが、夜39.0℃。座薬いれる。
2月10日 月 6日目
朝から7.2〜8.3。かかりつけ医に行く。再度血液検査とレントゲン。肺炎にはなっておらず、血液検査も悪くなっておらず、土曜日の数値とかわりなし。
昼37.7←いまここ
今から、熱が上がるか上がらないかで、入院するかしないかの境目になるみたいです。ほんとうにRSしぶといし、長いです。辛そうな我が子をみて、何度泣いたかわかりますせん。手を握り頑張って頑張ってと励まし続けました。今から熱が上がらないのを、ただただ祈ります。みなさんの力に少しでもなりますように」
安井医師「熱が41℃にもなったということで、親御さんも、さぞご心配になられたことと思います。RSウイルス感染症は、以前はあまり熱が出なかったのですが、最近は高熱の報告も多く、発熱にも注意が必要です。そして呼吸器感染症ですので、呼吸がうまくできなくなって入院ということがあります。RSウイルス感染症は生涯に何度もかかりますが、初めて感染した時や乳幼児は、症状が重くなるケースがあります。RSウイルスには抗ウイルス薬はなく、対症療法になります。経験談のお子さんも、早く良くなるようお祈りしています」

引用
国立感染症研究所:感染症発生動向調査週報2025年第5週(1/27〜2/2)、IDWR2024年第15号〈注目すべき感染症〉RSウイルス感染症
厚生労働省HP:RSウイルス感染症Q&A(令和6年5月31日改訂)

取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏

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