【感染症ニュース】インフルエンザ全国定点35.02(1/6-12) 北日本は引き続き注意 医師「年明けから、高齢者の入院事例も散見」
2025年1月17日更新
北日本は引き続き注意
北日本は引き続き注意
厚生労働省が、2025年1月17日に発表した「インフルエンザの発生状況について」2025年第2週(1/6-12)によると、全国のインフルエンザ定点当たり報告数は35.02。前週33.82から、微増となりました。多くの府と県で、依然、警報レベルを超えていますが、2024年末の大きな流行からは、落ち着きをみせ始めています。現状について、感染症に詳しい医師を取材しました。

【2025年】1月に注意してほしい感染症!新型コロナ変異株XEC流行に注意 医師「社会の一部からの声に惑わされるべきではない」 インフルエンザ冬休み明けの動向要注意

感染症に詳しい医師は…

感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は「2024年末に、過去最多の報告数となっていたインフルエンザですが、多くの府県で、依然、警報レベルの定点報告数30を超えてはいるものの、患者報告数は、昨年末と比較して、減少しています。今週に入り、小児科外来の看護師の方からも、インフルエンザでの来院が減少しているとの話を耳にしました。学校等の冬休み明け後の動向には、引き続き注意が必要ですが、年末に大きな流行を見せた九州をはじめとする西日本では、患者報告数は、落ち着いていくと予測しています。一方、年末に、インフルエンザの大きな流行が無かった、北日本エリアは、引き続き注意が必要です。私の勤務先では、年明けから、高齢者のインフルエンザ入院事例が、散見されます。インフルエンザは、子どもの間で流行し、その後、家庭などで広がりをみせる傾向があり、高齢者が罹患するのは、流行の後半になります。健康に不安のある方は、感染対策をおろそかにしないようお願いします」としています。

インフルエンザとは?

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる感染症です。A型、またはB型インフルエンザウイルスの感染を受けてから1〜3日間ほどの潜伏期間のあと、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が比較的急速に現れるのが特徴で、あわせて普通の風邪と同じように、ノドの痛み、鼻汁、咳などの症状も見られますが、風邪よりも全身症状が強いとされています。子どもではまれに急性脳症を、高齢の方や免疫力の低下している方では、二次性の肺炎を伴うなど、重症になることがあります。合併症にも注意が必要です。

インフルエンザにかからないために

インフルエンザを予防する有効な方法は次のようなものがあります。
・外出後の手洗い
流水・石けんによる手洗いは、手指など体についたインフルエンザウイルスを物理的に除去するために有効な方法です。
・適度な湿度の保持
 空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適度な湿度(50〜60%)を保つことも効果的です。
・十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
 体の抵抗力を高めるためには、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取が効果的です。
・人混みや繁華街への外出を控える
 やむを得ず人混みに入る可能性がある場合は、防御のために不織布製マスクの着用しましょう。
・室内をこまめに換気する
常時換気設備がない場合は、定期的に窓を開けましょう。対角線上にあるドアや窓を2か所開放すると、効果的な換気ができます。
・ワクチンの接種
 ワクチンの効果があらわれるのは接種から2週間程度かかりますが、接種がまだの方は、ご検討をお願いします。インフルエンザワクチンは感染後に発症する可能性を低減させる効果と、発症した場合の重症化防止に有効と報告されています。

引用
厚生労働省:「インフルエンザの発生状況について」令和7年第2週、令和6年度インフルエンザQ&A

取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏

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