厚生労働省が2024年7月12日に発表した2024年第27週(7/1-7)の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について」によると、全国の定点当たり報告数は8.07。前週(6/24-30)の5.79と比べ、40%ほど増加しています。都道府県別にみると、沖縄県(29.92)・鹿児島県(23.13)・宮崎県(19.74)・熊本県(18.24)・佐賀県(16.31)の順に高くなっています。すべての都道府県で増加しており、注意が必要です。今回は、千葉県から寄せられた、新型コロナウイルス感染症の経験談をご紹介します。
【7月に注意してほしい感染症!】新型コロナ徐々に増加 夏の感染症「手足口病」警報レベルのエリアも… 医師「マイコプラズマ肺炎、今後、更に増加」と予測
経験談 20歳 千葉県
中華街へ行った次の日(23日)38.0℃の熱 倦怠感・鼻水・咳あり 次の日には 咳・鼻水・倦怠感が少しあるものの 36.4℃と平熱 よかったと安心していた。24日のお昼いつもより食欲なく残したお昼を母親が少し食べた。もちろんスプーンは替えて。(コロナだと思っていなかった)25日 母親が具合悪くなり 1日だけ微熱 次の日には平熱になったが倦怠感と頭痛あり 念の為 病院に行ったら コロナ陽性。自分もコロナだったんだと思う。たった1日でも・微熱だったとしても 検査は必要だと感じたが 検査をしてないで気づいてない人は多いのではないだろうか?
感染症に詳しい医師は…
感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は「経験談をお寄せいただき、ありがとうございます。お母さまが陽性であっても、ご本人が陽性だったのかは分かりません。直接診断した訳ではないので、わからないことも多いですが、症状は比較的軽そうでよかったです。ご指摘の通り、以前と違い、検査も有料ですので、発熱しても、検査しない方も多くなっていると考えられます。しかし、新型コロナウイルス感染症の患者報告数は、事実として増えていますので、身近な方が感染する例も、今後、増加していくでしょう。第27週(7/1-7)現在、九州・沖縄地方は、大きな流行となっており注意が必要です。また、東京都・愛知県・大阪府と言った人口の多い都市での増加も目立ち始めました。秋から、ワクチン接種が始まりますが、お金もかかりますし、個々人で判断が必要になります。自分と周辺の方が罹患した場合のリスクや罹患後症状などを考えながら総合的に判断してください」としています。
新型コロナウイルス感染症とは?
新型コロナウイルスは感染者の口や鼻から、咳・くしゃみ・会話のときに排出されるウイルスを含む飛沫またはエアロゾルと呼ばれるさらに小さな水分を含んだ状態の粒子を吸入するか、感染者の目や鼻、口に直接に接触することにより感染します。一般的には1メートル以内に近接した環境において感染しますが、エアロゾルは1メートルを超えて空気中にとどまりうることから、長時間滞在しがちな、換気が不十分で混雑した室内では、感染が拡大するリスクがあることが知られています。感染すると2〜7日の潜伏期間のあと、咽頭痛、鼻汁・鼻閉、咳といった上気道症状に加え、倦怠感・発熱・筋肉痛・頭痛といった全身症状が生じることが多く、その症状はインフルエンザとよく似ています。オミクロン株が主流となった現在は、嗅覚・味覚障害の症状は減少しています。軽症の場合は1週間以内に症状が軽快することが多い一方、発症から3か月を経過した時点で何らかの症状が2か月以上持続し、他の疾患による症状として説明がつかない場合には、罹患後症状(後遺症)の可能性を考える必要があります。
夏の感染対策のポイント
感染対策としては従来どおり、「換気」「手洗い・手指消毒」が有効です。冷房を入れていても換気を心がけ、換気扇も活用してください。ウイルスは手から目や鼻、口に入ることがあるので、流水や石けんによる手洗い、アルコール製剤などでの手指消毒が有効です。また、高齢者や基礎疾患のある方が感染すれば、重症化リスクが高まります。夏休みやお盆で帰省するなど高齢の方と会う場合や、大人数で集まる場合は、感染予防を心がけ体調を整えるようにしましょう。夏の暑さのある中で、屋外でのマスク着用は、現実的ではありませんが、医療機関や高齢者施設など感染した場合のリスクが高い方がいらっしゃる施設を訪問するときには、感染させないためにもマスクの着用が効果的です。
引用
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況について令和6年第27週、新型コロナワクチンQ&A、新型コロナワクチンについて
取材
大阪府 済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏