国立感染症研究所の2024年第26週(6/24-30)速報データによると、インフルエンザの定点あたり報告数は0.2。前週の0.16から、25%増加しています。大きな流行とはなっていませんが、大阪府では、翌第27週(7/1-7)の定点報告数は0.42と第26週(6/24-30)と比較し、94%増となっています。インフルエンザは、例年、11月下旬から12月上旬頃に始まり、翌年の1~3月頃に患者数が増加し、4~5月にかけて減少していく傾向にあります。しかし、2023年は、例年の流行と違い、年間を通じて、過去最高の患者報告数になりました。現在の状況について、感染症に詳しい医師を取材しました。
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感染症に詳しい医師は…
感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は「インフルエンザは、大きな流行ではありませんが、患者報告数の伸びと言った意味で、気がかりな動きをしています。全国的にも、第26週は、前週比で25%増加していますし、大阪府では、翌週の第27週(7/1-7)データで、定点0.42。第26週(6/24-30)と比較し94%増と更に大きく増加しています。なぜ、今の時期に増加しているのかは不明です。夏休みに入れば、学校などでの感染機会が少なくなるため、減少すると考えられますが、今後の動向には、注視が必要です」としています。
沖縄県・茨城県は、定点1.0超え
第26週(6/24-30)の都道府県別インフルエンザの定点報告数は、沖縄県2.89・茨城県1.18の2県が1.0を超えています。
インフルエンザ症状と対策
インフルエンザは、1~4日間の潜伏期間を経て、突然に発熱(38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが出現し、鼻水・咳などの呼吸器症状がこれに続きます。通常は1週間前後の経過で軽快するが、いわゆる「かぜ」と比べて全身症状が強いのが特徴です。くしゃみ、咳、会話等で口から発する飛沫による飛沫感染が主な感染経路です。他に接触感染もあるといわれています。飛沫感染対策として、咳エチケット。接触感染対策としての手洗いの徹底が重要であると考えられますが、たとえインフルエンザウイルスに感染しても、全く無症状の不顕性感染例や臨床的にはインフルエンザとは診断し難い軽症例が存在します。これらのことから、特にヒト-ヒト間の距離が短く、濃厚な接触機会の多い学校、幼稚園、保育園等の小児の集団生活施設では、インフルエンザの集団発生をコントロールすることは、困難であると思われます。
引用
国立感染症研究所 令和6年第26週速報データ
厚生労働省 インフルエンザQ&A、新型コロナウイルスに関するQ&A
取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏