【感染症ニュース】新型コロナ第10波は収束へ インフルエンザ全国定点16.76と減少も北海道・東北地方一部で増加 医師「インフルエンザ3月中は引き続き注意」
2024年3月4日更新
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3月中は引き続き注意
3月中は引き続き注意
厚生労働省が2024年3月1日に発表した2024年第8週(2/19-25)の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について」によると、全国の定点当たり報告数は7.92。前週(2/12-18)の10.10と比べて、大きく減少しました。全都道府県で減少しています。
また、同日に発表された「インフルエンザの発生状況について」によると、2024年第8週(2/19-25)のインフルエンザの定点報告数は、16.76。前週の第7週(2/12-18)の20.64から減少しています。しかし、新型コロナウイルス感染症と違い、北海道・東北地方では、前週比で増加しているエリアもあり、引き続き、注意が必要です。現状について、感染症に詳しい医師に聞きました。

【2024年】3月に注意してほしい感染症!インフルエンザ・新型コロナ共にピークアウトの兆候も…要注意はRSウイルス感染症

感染症に詳しい医師は…

感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は、「新型コロナウイルス感染症も、インフルエンザも減少傾向にあります。厳冬期から、寒さもいくぶん、和らいだことも一因として考えられます。新型コロナウイルス感染症については、いわゆる第10波は収まりつつあると考えています。夏の流行が始まるまで、減少していくでしょう。また、インフルエンザも全国的に減少しています。しかし、全国定点では、15を超え、低くない報告数が出ていますし、3月中は、まだ油断できません。しばらくは、注意が必要と考えています」としています。

インフルエンザ症状と対策

インフルエンザは、1~4日間の潜伏期間を経て、突然に発熱(38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが出現し、鼻水・咳などの呼吸器症状がこれに続きます。通常は1週間前後の経過で軽快するが、いわゆる「かぜ」と比べて全身症状が強いのが特徴です。くしゃみ、咳、会話等で口から発する飛沫による飛沫感染が主な感染経路です。他に接触感染もあるといわれています。飛沫感染対策として、咳エチケット。接触感染対策としての手洗いの徹底が重要であると考えられますが、たとえインフルエンザウイルスに感染しても、全く無症状の不顕性感染例や臨床的にはインフルエンザとは診断し難い軽症例が存在します。これらのことから、特にヒト-ヒト間の距離が短く、濃厚な接触機会の多い学校、幼稚園、保育園等の小児の集団生活施設では、インフルエンザの集団発生をコントロールすることは、困難であると思われます。

新型コロナウイルス感染症とは

新型コロナウイルス感染症は、発熱・鼻水・のどの痛み・咳などといった、風邪のような症状から始まります。また、頭痛や強い倦怠感などが良く見られる症状です。下痢や味覚・嗅覚障害を伴うことも少なくはありません。感染者の口や鼻から、咳、くしゃみ、会話等のときに排出される、ウイルスを含む飛沫又はエアロゾルと呼ばれる更に小さな水分を含んだ状態の粒子を吸入するか、感染者の目や鼻、口に直接的に接触することにより感染します。一般的には1メートル以内の近接した環境において感染しますが、エアロゾルは1メートルを超えて空気中にとどまりうることから、長時間滞在しがちな、換気が不じゅうぶんであったり、混雑した室内では、感染が拡大するリスクがあることが知られています。最も重要な対策は、咳エチケットと手洗い・アルコール消毒など手指衛生を徹底することです。手洗いが大切な理由は、ドアノブや電車のつり革など様々なものに触れることにより、自分の手にもウイルスが付着している可能性があるからです。外出先からの帰宅時や調理の前後、食事前などこまめに手を洗いましょう。また、感染拡大を防ぐため、人と人との距離を保つことが重要です。
引用
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について」「インフルエンザの発生状況について」令和6年第8週、インフルエンザQ&A、新型コロナウイルスに関するQ&A
取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏

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