【感染症ニュース】新型コロナ全国定点報告数11週連続増加… 8歳児が39.8℃の発熱・激しい咽頭痛 医師「子どもの発症例が増えている」
2024年2月9日更新
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寒くても時々換気を!
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厚生労働省が令和6年2月9日に発表した令和6年第5週(1/29-2/4)の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況について」によると、全国の定点当たり報告数は16.15。これで11週連続の増加になりました。都道府県別では多い順に石川、福島、愛知、茨城、長野。全国的に感染が広がっていることがわかります。

【2月に注意してほしい感染症!】新型コロナ増加に勢い新たな流行株JN.1への置き換わり一因か… インフルエンザ動向に注意

新たな派生株JN.1の感染者が増加

また、国立感染症研究所感染症疫学センターが発表した「新型コロナウイルス感染症サーベイランス週報令和6年第4週(1/22-28)」によると、今年第3週のデータでは、流行の主流となっている派生株はオミクロン株XBB系統(HK.3.2、HK3、JD1.1ほか)を抜いて、同じオミクロン株のBA.2系統(BA.2.86.1、JN.1、JN1.4など)が約64.97%となっています。その中でもJN.1は31.47%と、最も多くなっています。

感染症に詳しい医師は・・・

感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は、
「新型コロナウイルス感染症は、新たな派生株の流行で患者数が増加しています。当医院においても、新型コロナに感染している方が毎日のように入院されています。高齢者施設でのクラスターも発生していますし、流行を実感しているところです」と語っています。

東京や大阪の感染者数が少ないことについて

都道府県別に見ると流行にばらつきがあり、東京や大阪は意外と少ない数字になっています。これについて安井医師は、
「東京や大阪はこれまで多くの発症者を出していたため、ある程度多くの方に免疫があるというか、比較的にかかりにくい、あるいは発症しなくなっているように思います。一方、これまでそれほど大きな流行にならなかった地域については、今回発症される方が多くなっている印象です。ただし愛知などは、これまでも多くの患者が出ているので、全てが当てはまるかどうかというのは難しいところです」としています。

新型コロナウイルス感染症の経験談 8歳 京都府

小学生の息子の経過です
1/26 身体に違和感があったようで明け方に起きる。熱を測っても36.8度と平熱。弱冠しんどそうだったので学校は休ませる。昼に測ると37.7度まで上がってきたので夕方小児科を受診。ここでコロナ陽性と出る。この日は発熱とちょっと喉が痛いかな程度。
1/27 朝には解熱。食欲はあまりない。昼過ぎから再び熱があがり38.2度。
1/28 朝から38度越えでこの日はmax39.8度まで上がる。カロナール服用で38度まで下がる。
1/29 朝解熱したが、この日から喉の痛みが酷くなり、ゼリーぐらいしか食べられず。また咳も出始めたので咳の度に激痛がはしる。カロナール再度服用し、数時間はましになったが、薬がきれると再び激痛。多分この日が一番辛かったとおもう。
1/30 喉の痛みは少し緩和されたが咳が頻回に出ている。食欲は戻りつつある。今はこの状態。

オミクロン株は子どもの発症も多い

安井医師は、オミクロン株が流行するようになって、子どもの発症例が増えていると話しています。
「現在、新型コロナウイルスの患者報告数は、インフルエンザと同じ定点が使われており、小児科が多くなっています。そのため合計の数字については、子どもたちの患者報告数が多くなっているので、子どもたちの間で流行が拡大しているように見えますが、実際にはいろいろな年代で患者が増えていると思います。新型コロナの流行当初は、子どもは感染しても発症しない、あるいは発症したとしても症状は重くないとされていましたが、オミクロン株に置き換わってからは、症状が出るお子さんが多く見受けられるようになった印象です。最近では、大人は、抗ウイルス薬が処方されることが多くなりましたが、飲み薬で12歳未満に投与できる抗ウイルス薬はありません。体験談のように、小さなお子さんが新型コロナを発症すると、解熱剤などの対症療法しか今のところ治療方法がないのが現状です。感染予防は難しいですが、手洗いや換気など日々の感染対策を引き続き行うことが重要です」

引用
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況について令和6年第5週(1/29-2/4)、新型コロナワクチンQ&A、新型コロナウイルス感染症診療の手引(第10.0版)
国立感染症研究所:新型コロナウイルス感染症サーベイランス週報令和6年第4週(1/22-28)
取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏

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