【感染症ニュース】インフルエンザは全国定点30で警報レベルに 学級閉鎖も急増 子どもたちを中心に流行今後の予測は…
2023年12月20日更新
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寒くても、部屋の換気を忘れずに!
寒くても、部屋の換気を忘れずに!
厚生労働省が12月15日に発表した「インフルエンザの発生状況について」令和5年第49週(12/4-10)によると、全国のインフルエンザ定点当たり報告数は33.72。前週(48週)から約26%増加し、全国規模で警報レベル(30人)となりました。インフルエンザが全国で警報レベルとなるのは、2019年以来です。

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都道府県別では、北海道が最多

都道府県別で見ると、最多は北海道の60.97。次いで宮城57.49、大分53.71、宮崎49.64、三重47.49、熊本46.88、群馬46.45、長野46.23、福岡45.66、新潟41.40、佐賀41.21、鹿児島40.80、岩手40.06が多くなっています。

インフルエンザによる学級閉鎖も急増

また、全国のインフルエンザによる学級閉鎖なども、前週と比較して約36%増加しています(休校157、学年閉鎖1592、学級閉鎖4633)。そのうち小学校は4289と最も多く、子どもたちの間でインフルエンザが流行しています。

感染症に詳しい医師は・・・

感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐兼感染管理室室長の安井良則医師は、
「インフルエンザがついに全国で警報レベルを超え、本格的な流行に入りました。暖冬傾向と言われていますが、ここに来て全国的に寒波が到来し、また空気も乾燥していますので、インフルエンザが流行しやすい気候になってきました。これから学校などが冬休みに入りますので、一旦報告数は減少すると思いますが、年明けにはさらに大きな流行の波が来るのではないかと予測しています」としています。

首都圏など大都市はこれから本格的な流行に

また安井医師は、首都圏など大都市はこれから本格的に流行するのではないかと予測しています。「データを見ると東京・神奈川、京都・大阪・兵庫の報告数は警報レベルの30を超えていません。過去の例を見ると、12月にそれほど流行していなかった地域が1月には患者発生数が急増している場合が多く、年明けには大都市圏で大きな流行になるおそれがあると思います」

インフルエンザとは?

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる感染症です。38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が比較的急速に現れるのが特徴です。あわせて普通の風邪と同じように、ノドの痛み、鼻汁、咳などの症状も見られます。子どもではまれに急性脳症を、高齢の方や免疫力の低下している方では、二次性の肺炎を伴うなど、重症になることがあります。

室内で過ごす時の注意

寒い冬は、室内で過ごす時間が増えます。しかし環境を整えないと、インフルエンザなどの感染症に感染しやすくなります。
・適度な湿度の保持
空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適切な湿度(50〜60%)を保つことも効果的です。
・室内ではこまめに換気を
また、こまめに換気をすることが重要です。窓開けによる換気のコツは、対角線上にあるドアや窓を2か所開放すると、効果的な換気ができます。また、暖房器具の近くの窓を開けると、入ってくる冷気が温められるので、室温の低下を防ぐことができます。その際、カーテンなどの燃えやすいものから距離をあけるなど、火災の予防に留意してください。2003年7月以降に着工された住宅には「常時換気設備(24時間換気システム)」が設置されているので、常に稼働させるようにしましょう。また、常時換気設備がなくても、換気扇を常時運転することで換気ができます。

体調の悪いときは、外出を控える

また、年末に向けて忘年会や帰省など、人に会う機会が増えますが、体調の悪いときは無理をせず、感染拡大の防止を心がけましょう。

引用
厚生労働省:「インフルエンザの発生状況について」令和5年第49週(12/4-10)、インフルエンザQ&A

取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏

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