【感染症ニュース】全国インフルエンザ定点報告数再増加 症状を感じたら早めに医療機関へ 専門医「更なる増加も」
2023年11月29日更新
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治療薬は発症から48時間以内に服用
治療薬は発症から48時間以内に服用
厚生労働省が11月24日に発表した「インフルエンザの発生状況について」令和5年第46週(11/13-19) によると、全国のインフルエンザ定点当たり報告数は21.66。前週(45週)から約25%増加しました。ほとんどの都道府県で増加が見られ、北海道、宮城、長野、佐賀で警報レベルとなる30を超えています。

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インフルエンザとは?

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる感染症です。38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が比較的急速に現れるのが特徴です。あわせて普通の風邪と同じように、ノドの痛み、鼻汁、咳などの症状も見られます。子どもではまれに急性脳症を、高齢の方や免疫力の低下している方では、二次性の肺炎を伴うなど、重症になることがあります。

感染症に詳しい医師は…

感染症に詳しい大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、
「45週で報告数が減少しましたが、46週で再び増えています。新型コロナウイルスの流行以前は、冬になるこの時期からインフルエンザの患者が急増していましたが、今年は流行の始まりが早かった割には、患者数の増加がゆるやかになっています。例年の流行と傾向が異なるため、この先どのように推移していくのか予測が難しいところですが、全国的に気温が低下して流行しやすい環境になっていくため、患者数はさらに増加していくのではないかと思っています」としています。

学校などでの学級閉鎖が相次ぐ

また、子どもたちの間でのインフルエンザの流行は続いていて、46週では全国で3954の施設で学級閉鎖などが起きました(休校68、学年閉鎖958、学級閉鎖2928)。
安井医師は「この3年間、新型コロナウイルスの影響でインフルエンザの流行がなかったため、感染の機会がなかった子どもたちの間で大きな流行になっているということが言えると思います。家庭内で子どもから大人にうつすというケースも多いと思います」としています。

インフルエンザにかかったら早めに医療機関へ

咳やくしゃみ、発熱などがあったら、早めに医療機関を受診することが重要です。抗インフルエンザウイルス薬は発症から48時間以内に服用を開始すると、発熱期間は通常1〜2日間短縮され、鼻やノドからのウイルス排出量も減少します。一方、症状が出てから48時間以降に服用を開始した場合は、十分な効果は期待できません。効果的な使用のためには、用法、用量、服用する日数を守ることが重要です。
そして、
・安静にして休養をとる。睡眠を十分にとる
・水分を十分に補給する。お茶でもスープでも飲みたいものを飲む
など、体調の回復を心がけましょう。

インフルエンザをほかの人にうつさないためには咳エチケットを

また、人によってはインフルエンザウイルスに感染しても、全く症状が出なかったり、軽い風邪のような症状で治る場合もあります。しかし軽症であっても、感染者の咳やくしゃみなどの飛沫からインフルエンザウイルスは飛び散ります。
インフルエンザをまわりの人にうつさないためには咳エチケットが大事です。
・咳やくしゃみをほかの人に向けて発しない
・咳やくしゃみが出ているときは、できるだけ不織布製マスクをすること。とっさの咳やくしゃみの際にマスクがない場合は、ティッシュや腕の内側などで口と鼻をおおい、顔をほかの人に向けない
・鼻汁、痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨て、手のひらで咳やくしゃみを受け止めたときにはすぐ手を洗う

インフルエンザにかかったら無理をしないこと

インフルエンザにかかったら、無理をして学校や職場に行かない、人混みや繁華街などへの外出を控えるなど、ほかの人にうつさないための行動も重要です。
安井医師は「これから年末に向けて、忘年会や帰省など人と会う機会が増えていくと思いますが、それにつれて感染症も広がっていくことが予想されます。ご自身の体調を見極め、感染症を人にうつさない行動をお願いしたいと思います」と語っています。
引用
厚生労働省:「インフルエンザの発生状況について」令和5年第46週(11/13-19)、インフルエンザQ&A、

取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏

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