厚生労働省が、2023年11月6日に発表した「インフルエンザの発生状況について」第43週(10/23-29) によると、全国のインフルエンザ定点当たり報告数は19.68。前週の16.41から、3.27ポイント上昇しました。先々週から全国で、「注意報レベル(報告数が10)」を超えています。中でも愛媛県は、51.46と突出しており、その他、埼玉県では33.08と警報レベル(定点報告数30)を超える地域も現れています。また、同日に発表された第43週(10/23-29)の新型コロナウイルス感染症の定点報告数は、2.86と、先週の3.25から微減しています。現状について、感染症の専門医に伺いました。
【2023年】11月に注意してほしい感染症!専門医「インフルエンザ流行規模は予測不能 溶連菌感染症の動向気がかり 季節外れの流行のアデノウイルス感染症も…」 要注意は梅毒
感染症の専門医は…
感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は「新型コロナの定点報告は、2.86と下火になっています。一方で、インフルエンザの流行にしては、増加が続いています。地域差は、ありますが、例年より早めに流行が始まり、10月に入っても更に増加が継続しています。地域別の報告数をみると、関東・東海地方の増加が、全国的な数字を牽引しています。11月は、本当に注意してください。今後、流行に勢いがつけば、更なる増加に繋がる可能性もあります。現在の患者数の推移のグラフからみると、12月には、警報レベルに到達する恐れがあります。今のところ、大人の集団感染や介護施設などでの流行は、耳にしませんが、今後、学校などから家庭内に持ち込まれ、子どもから大人に広がるケースが出てくることも否定できません。インフルエンザが警報レベルになると、1回の当直勤務中に、3-4人の方が搬送されたり、来院されたりしますが、大阪では、まだその様な状況にはなっていません。しかし、これから冬に向け、低気温・低湿度といった本来の流行に適した環境に近づきつつあることから、今後の患者報告数の動向には注意してください」としています。
引用
厚生労働省:「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について」「インフルエンザの発生状況について」令和5年第43週、インフルエンザQ&A
取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 安井良則氏