【感染症ニュース】新型コロナ定点で増加傾向 今後に注意 マスク着用「オールオアナッシングではなくTPO」で
2023年5月25日更新
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新型コロナはまだまだ要注意!
新型コロナはまだまだ要注意!
 新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことに伴い、感染者数の報告が、全数把握から「定点把握」に切り替わっています。

 定点把握とは、全国約5000の医療機関(内科定点約2000・小児科定点約3000)からの報告を基に、流行状況を調べる仕組みです。

 2023年5月19日に発表された新型コロナ初の定点報告(5/8-5/14)によると、全国の平均は2.63人。前週比で、1.46倍となっており、今後の増加が懸念されています。

 厚生労働省は、今後の発生状況等について、毎週金曜日14 時を目途に公表する予定としています。

感染症の専門医は…

 感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は「この定点把握は、子どもの間で流行するインフルエンザを把握するために構築されたもので、主に成人の間で、流行する新型コロナウイルス感染症の患者発生数の推計に使うのは、正確性に問題があると思われます。しかし、定点把握のデータであっても、新型コロナウイルス感染症の患者数は、着実に増えつつあります。リアルタイムの患者数は分からなくなりましたが、注視して行く必要があります。大阪府では翌週の第20週も増加傾向であることから注意が必要です」としています。

マスク着用

 2023年3月13日から、マスク着用に関しては、個人の判断となっています。

 GWには、屋外でマスクを外して、思い切りレジャーを楽しまれた方も多いと思います。

 また、海外から観光客が日本を訪れているのを見かけますが、マスクをしている方は少ない印象です。

 新型コロナウイルス感染症だけでなく、様々な感染症も流行していますが、私たちは、まだマスク着用は必要なのでしょうか?

マスク「オールオアナッシング」の考えは間違っている

 安井医師は、「マスク着用は、新型コロナやインフルエンザの対策としては、重要だと思います。しかし、マスク着用は、自分自身を守ると言うよりも他者に広めないようにするためにするものです。先日、保育関係者から、マスクが個人判断となった現在、子ども達をどのように守るべきかとの質問がありました。先生にお伝えしたのは、お子さんより、大人が排出するウイルスの量が多く、大人から感染させてしまうことが予測されるため、体調不良を感じたら、先生はマスクを着用した方がいいとお伝えしました。マスクを外してもいいか?と『オールオアナッシング』で考えるのではなく、『時・場所・自分の体調』に応じての使い分けが重要です。また、医療機関・高齢者施設など、免疫の弱い方がいらっしゃる場所を訪れる場合には、着用を忘れないでください」としています。

取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

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