新型コロナウイルス感染症の代表的な症状として挙げられるのが、咳・のどの痛み・発熱・倦怠感などです。
しかし、人によっては、頭痛・嘔吐・下痢を訴えるなど、症状は多岐に渡ると、
感染症の専門医は指摘します。
今回、ご紹介するのは、普段、偏頭痛があったことから、頭痛の症状が現れても、新型コロナ感染を疑わなかったと言う24歳の方の経験談です。
栃木県・24歳・カイアさん
年末年始ということもあり、東京などに住んでいる友人たちが地元に帰省。
久しぶりに呑んだのが1月2日。
次の日、頭痛があったが偏頭痛持ちのため、さほど気にしていなかった。
4日
仕事中、咳が止まらなくなる。
時間が経つにつれ悪化。
午後になると身体のダルさを感じ始める。
仕事が終わる頃には、ぼーっとした感覚になっていた。
家に帰宅後、体温を計ると37.6度の発熱があった。
そのため常備していた抗原検査キットを使用。結果は「陰性」。
だが症状は悪化しているため夜間救急を受診。
薬を処方してもらい服用する。
5日
夜中の1時に寒気で目が覚める。
しばらく寝付けず、やっと眠れたがまた3時近くに息苦しさと寒気で目が覚める。
この時に体温を計ると39.0度の高熱が出ていた。
またその際にもう一度抗体検査を行う。結果は「陰性」。
この時はコロナではなくインフルエンザではないのか?
と個人的に疑っていた。
朝になり近所の内科の発熱外来を受診。
最初に発熱した時から24時間経たないと結果は出ないかも知れないと言われた。
また最近東京の人と接触したかを聞かれた。
(↑最近、東京都でのインフルエンザ感染者が増加傾向のため)
PCR検査とインフルエンザの検査の両方を行った。
発熱外来では車の中で待機をさせられ順番に看護師や医師が車まで来るシステムだった。
検査のための鼻をグリグリする綿棒を渡され看護師に見守られながら自分でグリグリして検体をとった。
しばらくして医師が結果を伝えに来た。
結果は新型コロナ「陽性」。
何日まで隔離をされるか、この後どうすればいいかのプリントなどを渡され提携薬局で薬を処方された。
まだコロナの特効薬はできていないため風邪症状の緩和や解熱鎮痛剤など計4種類の薬が4日分処方された。
6日(これを書いている当日)
朝5時に起床(睡眠時間8時間)
寒気がなくなった。
体温を計ると37.8度まで下がっていた。
そのため身体のダルさや節々の痛みもなかった。
その代わりに咳の症状が悪化。
咳込むことが多いため喉が痛い。
首のリンパ付近にしこりのようなものができた。
また咳をするたびにあばら骨付近が痛む。
鼻水の量も増えた。
夜になる頃には体温は平熱に戻った。
感染症の専門医は…
新型コロナウイルス感染症の臨床医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「オミクロン株の典型的な症状は、発熱・咽頭痛・咳と言った症状ですが、頭痛については、コロナ流行初期から症状を訴える方はいらっしゃいます。一方、下痢・嘔吐など、消化器系の症状がある方もおり、中には、発熱と下痢の症状で『陽性』判定が出た方もいらっしゃいました。のどが痛くないからと言って、コロナに感染していないと判断するのは早計です。新型コロナウイルス感染症の症状は、多様で、人それぞれです。体調不良を感じたら、周囲への感染を避けるためにも、会社や学校を休んで、検査を受けることが大切です。」としています。
まとめ
東京都福祉保健局では、宿泊療養・自宅療養者アンケート調査から、世代を問わず多くの方が、コロナ感染が判明する前に、「発熱・頭痛・体のだるさ・せき・のどの痛み」といった自覚症状を訴えていたとして、かかりつけ医や発熱相談センターにかかる前のチェックリストを作成しています。
上記のほかに、鼻汁・倦怠感・息苦しさといったかぜやインフルエンザに似た症状や、嗅覚異常・味覚異常もあるとされています。
新型コロナの症状は、様々で検査をしない限り判別は困難です。
また、インフルエンザも流行していますので、体調に不安を感じた方は、周囲への感染拡大を防ぐためにも、検査を受けることが大切です。
引用
東京都福祉保健局 新型コロナウイルス感染症 症状がある方はためらわずに連絡を! ~よくある「自覚症状」のチェックリスト~
取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏