インフルエンザ患者の報告増加に伴い、全国各地で、注意報や警報が発表されています。
厚生労働省が2023年1月20日に発表した資料によると、2023年第2週(1/9~15)のインフルエンザ定点あたりの報告数は全国で7.37と前週(1/2~1/8)の4.73から増加しています。
沖縄県では、1定点医療機関あたりの患者報告数は33.23となり、警報基準の30人を超えました。沖縄県は、2023年1月19日に、今シーズン全国初のインフルエンザ警報を出しています。
その他、福岡・佐賀・宮崎・長崎・鹿児島や大阪で、注意報レベルとなっています。
また、定点辺りの報告数は、東京やその周辺の関東でも増えています。
感染症の専門医は…
感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「新型コロナウイルス感染症も、地域によっては、患者報告数が減り始めている印象です。一方、大阪府では、インフルエンザが増えています。インフルエンザは、しばらく流行がみられなかったため、感受性者(感染の可能性がある人)が多くいると思われます。今後、どこまで増えるかは、予測がつきませんが、感染者の数は、更に増え、警報基準に達する可能性もじゅうぶんにあります。九州・沖縄や東京・大阪と言った大都市とその周辺でも報告数は増えています。2月上旬辺りまで警戒が必要です。」としています。
まとめ
インフルエンザは、インフルエンザウイルスを病原とする気道感染症ですが、「一般のかぜ症候群」とは分けて考えるべき「重くなりやすい疾患」とされています。
感染力がつよく、ひとたび流行が始まると短期間に多くの人が感染することから、室内の換気やマスクの着用が推奨されます。
また、ワクチン接種も重症化を防ぐために有効です。
引用
厚生労働省:インフルエンザに関する報道発表資料 令和5年第2週
取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏