【感染症ニュース】今年は高熱の傾向? RSウイルス感染症全国9週連続増加! 流行地域では2年続けて感染の子どもも
2022年7月29日更新
流行地域は注意
流行地域は注意
 RSウイルス感染症の流行が、全国的に拡大傾向にあります。国立感染症研究所の第28週(7/11-7/17)速報データによると、RSウイルス感染症の定点当たりの報告数は9週連続増加。前週と比べて全国で約1.5倍と、前々週と比べると約2.35倍。全国の小児科定点(約3.000か所)の報告数は、第28週だけで7,000人を超えています。

 都道府県別に見ると、三重、大阪、愛知、兵庫、大分の順に定点あたりの報告数が多く、実に37の都道府県で報告数が増加しています。

感染症の専門医は・・・

 感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「今年流行しているRSウイルス感染症は、高い熱が出る傾向にあるということです。現在流行している新型コロナウイルスも熱が出るので、見分けがつきにくいのですが、新生児や乳児にとっては、呼吸困難などの重篤な呼吸器疾患を引き起こすことがあるRSウイルス感染症の方が、重症化の可能性があります。例年、9月ごろから流行が始まる傾向にあったRSウイルス感染症ですが、今年は流行が早まっています。全国的な流行は、これから本格化していくと見られますので、現在流行していない地域でも、注意が必要です」

診断の遅れが、不慮の事態を招くことも

 国立感染症研究所のホームページには「RSウイルスは年齢を問わず、生涯にわたり顕性感染を起こすが、特に乳幼児期において非常に重要な病原体であり、母体からの移行抗体が存在するにもかかわらず、 生後数週から数か月の期間にもっとも重症な症状を引き起こす。また、低出生体重児や、あるいは心肺系に基礎疾患があったり、免疫不全のある場合には重症化のリスクが高く、臨床上、公衆衛生上のインパクトは大きい」「生後4週未満では、罹患した際には呼吸器症状を欠く非定型な症状をとることが多く、診断の遅れにつながる。この年齢では、突然死につながる無呼吸が起きやすいことも報告されており、注意が必要である」とあります。

 特に乳幼児は症状が急変する場合もあります。熱がある、呼吸が苦しい、喘鳴(ヒューヒュー・ゼイゼイ)がある、あるいは少しでも普段と様子が違うときは、早めに医師の診察を受けてください。

三重県感染症情報センターによると・・・

 感染症の予防・蔓延防止のため、感染症の発生状況を調査している三重県感染症情報センターによると、「三重県では都市部を中心にRSウイルス感染症が流行しています。1週間に30人以上の感染者が出ている病院もあり、大きな流行が発生していると言っていいと思います。例年は0歳児、1歳児の感染が多いのですが、今年は2〜4歳の感染も多いのが特徴です。幼稚園や保育所で兄や姉が感染し、さらに家庭内で乳幼児にうつしているというケースもあると聞いています。三重県の都市部は、名古屋への通勤圏でもあることから、人の移動も流行拡大の原因の一つなのではないかと思います」

 また、情報センターが専門の医師に聞いたところ、去年も感染したけれど、今年も感染したというケースがかなりあるということです。三重県ではこれからも、感染動向を注視し、予防を呼びかけていくとのことです。

飛沫感染・接触感染の予防を!

 RSウイルスは、咳やくしゃみの時に飛び散る飛沫を吸い込んだり、飛沫がついたおもちゃなどを触った手で口・鼻・目を触れたりすることで感染します。

 RSウイルスには何度も感染しますが、大人や何度も感染したことがある子どもは、軽い風邪の症状が出るか、あるいは症状が出ないこともあります。怖いのは、感染がわからず、知らないうちに乳幼児にうつしてしまうことです。家庭内での感染もあるので、家族全員の手洗い、身の回りの品の消毒など、日常的に清潔を保つように心がけましょう。

引用
国立感染症研究所:IDWR速報データ2022年第28週
国立感染症研究所 RSウイルス感染症とは
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/317-rs-intro.html

取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

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