【感染症ニュース】オミクロンBA.5は「発熱」症状多い? 島根県のこれまでの調査からの傾向 大阪で入院増の病院も
2022年7月13日更新
半年以上前に更新された記事です。

感染拡大エリアは要注意!
感染拡大エリアは要注意!
 新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が急増しています。

 2022年7月12日の新規感染者は、全国で76,012人。

 島根県では、過去最多の1271人となっています。

 島根県の発表では、7月1日から5日の間に29件の新型コロナウイルスの遺伝子解析を実施。

 うち、25件からオミクロン株の新たな系統「BA.5」が検出されたとのことです。

 感染拡大の背景には、「BA.5」の広がりがあるとみられています。

島根県感染症対策室によると

 感染者は、18歳以下の割合が多く、7-12歳の小学生の感染報告が特に多くなっています。

 また、集計途中ではあるものの、これまで感染者が提出した調査票の傾向として、「発熱」症状を訴える人が最も多く、「無症状者」よりも、何らかの症状がある「有症状」と答えた人が多いとしてます。

 現在、島根県では、感染経路が特定が困難で、市中感染が広がっているような状況としており、飛沫感染のおそれがある場面でのマスク着用など、基本的な感染対策の継続を呼びかけています。

感染症の専門医は

 感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は「私が勤務する病院でも、新型コロナウイルス感染症で、入院される方が増えています。

 2022年7月12日現在の病床使用率は、まだ高くはありませんが、今後、感染者が増えれば、病床がひっ迫し、軽度の肺炎であったとしても、入院できなくなる可能性もあります。

 置き換わりが進むオミクロン株BA.5については、感染力が強いと言われていますが、はっきりとしたエビデンスは、まだありません。

 しかし、2021年も7-8月は、新型コロナウイルス感染症が大きな流行をみせましたので、今年も、同時期の7-8月は、感染者が大きく増加するおそれがあります。

 また、空気が乾燥すれば、新型コロナウイルスを含んだ飛沫やエアロゾルが空気中を漂い続ける可能性が高まるため、こまめな換気が必要です。」としています。

まとめ

 島根県の調査票による傾向は、7/13時点のもので、今後、傾向が変わる場合もあります。

 発熱・からだのだるさ等体調不良を感じたら、医療機関をすぐに受診するようにしてください。

オミクロン株「BA.5」とは?

 新型コロナウイルスは、変異を繰り返しながら、流行を継続しています。

 国内では令和4年2月頃に全国的にデルタ株からオミクロン株のBA.1系統に置き換わり、その後、さらにオミクロン株のBA.2に置き換わり、現在の感染の主流系統になっています。

 オミクロン株BA.5は今年2月に南アフリカで初めて検出され、6月24日までに、63カ国から17,381件が報告されています。

 検出国は当初は南アフリカからが多くを占めましたが、現在はヨーロッパを中心に変化。BA.2からBA.5への置き換わりが進んでいる地域もあります。

 WHOのデータによると、世界的で検出される新型コロナウイルスの25%がBA.5とのことです。

 日本においても、BA.5はすでに検疫および国内で検出されており、国内の一部の地域ではBA.5の検出割合が上昇しているとの報告があります。

取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

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