厚生労働省によると、6/30時点での新型コロナの全国の感染者数は、23,447人と、再び増加の兆しが見え始めています。
一方、気になるのが、「新型コロナウイルス感染症」に罹患した場合です。
入院しなくても、「自宅療養」「宿泊施設での療養」となった場合に、入院保険は、支払われるのでしょうか?
今回、家族内で感染し、自宅療養を受けた40代女性会社員に取材しました。
感染状況
感染が分かったのは、6月の上旬です。
出張のため、娘の荷物を渡すために母に会いました。駅まで送ってくれるという母の言葉に甘えて送迎をお願いしました。
その車中で、母が「私、体調悪くて、PCR受けてきたんだけど、検査結果が出るのが今日のお昼なんだ。でも、多分大丈夫だと思うよ。」と話していました。
その時は、特に気にしていなかったのですが、出張先の駅に到着した後に、母から「陽性だった…」との連絡が。
母と、車に乗っていた時間は、10分。さらにマスクをしていたので、大丈夫だろうと思いながらも、大事を取って、営業先の訪問は全てキャンセル。
短時間なので濃厚接触にあたらないと判断もあり、その日のうちに地元に戻りました。
翌日は、自宅からリモート営業となりましたが特に体調に変化はありませんでした。
母と接触した2日後、朝から倦怠感があり、かかりつけの内科に電話をしてから受診しました。すぐにPCR検査を受けました。翌日出た結果は陽性。
かかりつけの内科では、検査段階から陽性だと思って行動してください。と言われたので、やっぱりそうだったか。と思いながらも倦怠感が酷く、身の置き所がない感覚と咳で3日間どうやってすごしたのかぼんやりしか覚えていません。
発症
PCRを受ける前に倦怠感があり、かかりつけの内科を受診してPCR検査。
翌日にPCR検査で陽性が判明。
その日38.8℃まで熱が出て倦怠感と咳がありました。
熱は3日ほどで下がりました。
保健所や保健センターからは、1日にはじめは複数回電話がありました。
厚生労働省My HER-SYSというサイト登録を促され、その後は、電話の回数は減ったものの、その後も一日一回は電話があったと思います。
電話では、看護師と会話をする機会があり、気管支が弱く、喉や咳の症状が日頃からよくあることを伝えたところ、パルスオキシメーターを届けると言われました。記憶は定かではありませんが、翌日には玄関先に届いていたと思います。
パルスオキシメーターは、当初は97という数値で特に気にしていなかったのですが、療養5日目くらいから、「ふぁ」として意識が薄れる感覚と息苦しさが少しありました。思い出したようにパルスオキシメーターではかったところ、95でした。時に94になることもあり、そのことを療養時に記述するWebサイトに記述すると、すぐに保健センターから電話がありました。
「深呼吸してもその数値ですか?」と。深呼吸しても1あがるくらいでとお話ししたところ、入院の可能性も言われました。自宅でパルスオキシメーターの測定を何度もしていましたが、2日後には、96まで回復しあとは、倦怠感との戦いで自宅隔離期間2週間を過ごしました。
隔離期間で一番助かったことといえば、自治体によって対応が違うかも知れませんが、自宅療養パックと呼ばれる物資でした。最初の電話で伝えられた電話番号に電話をして、教えてもらった数字を伝えると、トイレットペーパー、アルコールやビニール手袋、カップラーメンやご飯やレトルト食品、缶詰など。療養中は、例え、冷蔵庫に作れる食材があっても作れる状況ではなかったので、本当に、助かりました。
出社できたのは、およそ2週間後でした。
かかりつけの内科で、コロナのワクチン接種を何回受けたか聞かれました。3回目接種を1月に受けていたことを伝えたところ、受けていたことを本当によかったと言われました。倦怠感はあったものの、高熱が長く続くこともなく、ワクチン接種をしていたから重症化が防げたのかなとも思います。
保険会社に問い合わせると…
出社したときに、同時期に新型コロナに感染していた、同僚と話したところ、「入院保険に入っていたため、保険金が支払われた」とのことでした。
私も、加入していた生命保険会社に問い合わせたところ、「自宅療養、若しくはホテルなどでの療養の場合は、入院扱いになります」との回答。
厚生労働省My HER-SYSにある証明書でも可能ということで、これから申請することになりました。
私は、まだ支給されていませんが、支給された人が周りにいたら、聞いてみてもよいと思います。
保険会社にも聞いてみて下さい。
保険会社によって違うかもしれませんが、医療保険などに加入している方は、聞いてみるのも手だと思います。
感染症の専門医は
新型コロナウイルス感染症の臨床医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「この方は、肺炎で入院の一歩手前というところだと思います。
新型コロナウイルス感染症が引き起こす肺炎は、酸素吸入が必要なレベルに到達しやすいところが、通常の肺炎と違う所です。
一時期、落ち着きを見せていた新規感染者も、夏にかけて増えると予測しています。
室内の換気や室内で会話する際のマスクなど、基本的な感染対策は継続してほしい」としています。
自宅療養だけでなく「ホテル療養」も
今回の経験談をお寄せして頂いた方は、「自宅療養」ですが、「ホテル療養」でも保険がおりることがあるようです。
気になる方は、条件などを、ご加入の保険会社に問い合わせてみては、いかがでしょうか。
取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏