Q.任意の予防接種は受けなくてよい?
【答え】×
日本の予防接種には、予防接種法により、接種することが積極的に勧奨されている定期の予防接種対象のワクチンと、これに含まれていない定期外接種の任意の予防接種があります。任意の予防接種について、感染症専門医で大阪府済生会中津病院に勤務する安井良則医師に、解説していただきました。
(安井医師) 任意予防接種は受けなくても良いという予防接種ではありません。
予防接種法という法律に基づいた接種ができないというだけで、子どもたちにとって大切なワクチンがたくさんあります。日本では予防接種法により、接種することが積極的に勧奨されている「定期の予防接種:定期接種」対象のワクチンと、これには含まれていない定期外接種のワクチンがあって、「任意の予防接種:任意接種」と呼ばれています。
おたふくかぜは任意接種ですが、おたふくかぜに罹ると、およそ700人に1人の割合で、高度難聴になるとのデータがあります。髄膜炎や脳炎、膵炎を起こすこともあります。思春期以降にかかると、精巣炎や卵巣炎を起こすことがあります。
予防接種を受けることで、感染症にかかることや、感染症にかかった場合の重症化を予防することかできます。体調が良くて、受けることができるのであれば、接種をおすすめします。
日本で接種可能な任意接種の種類
<生ワクチン>
・流行性耳下腺炎 (おたふくかぜ)
・黄熱
・帯状疱疹(水痘ワクチンを使用)
<不活化ワクチン・トキソイド>
・破傷風トキソイド
・成人用ジフテリアトキソイド
・A型肝炎
・狂犬病
・髄膜炎菌:4価
・帯状疱疹
・ヒトパピローマウイルス(HPV):9価(※定期接種を対象年齢以外で受ける場合)
まとめ
任意の予防接種にかかる費用は原則、自己負担となります。自治体によっては一部、または全部の費用を負担してくれるところもありますので、お住まいの自治体に確認してみましょう。また、実際に接種を希望される場合は、かかりつけ医にご相談ください。
引用:国立感染症研究所「日本で接種可能なワクチンの種類」(2021年8月現在)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏