【3月に注意!感染症ランキング】1位は新型コロナ、2位と3位は新型コロナによく似た呼吸器系の感染症がランクイン
2022年2月25日更新
半年以上前に更新された記事です。

 3月に注意してほしい感染症ランキング1位から順に、流行の傾向と感染対策を見ていきましょう。

【No.1】新型コロナウイルス感染症
 全国で新規感染者数は減少しつつありますが、療養者数、重症者数及び死亡者数の増加が継続しています。特に高齢者施設でのクラスターに注意が必要です。施設のクラスターが起きた場合でも3回目接種をしていると症状が軽い人が大半です。

 現在の新型コロナの症状として、ワクチン接種している方は無症状もしくは肺炎にならない程度の軽症ですんでいます。発熱しても1日か数日程度でおさまり、喉が痛かっただけという方もいます。一方で、オミクロン株であってもワクチン未接種の場合、発熱がしばらく続き肺炎症状がみられることもあり、重症化している方が目立ちます。40代や50代でも重症化して入院するケースもあります。発熱、咳、呼吸困難など、これまでのコロナ既存株と変わらないような症状が出ています。1回目の接種がまだという方は、今からでも遅くはありませんのでワクチン接種をおすすめします。さらにワクチン接種者も含め、マスクの正しい着用、手指衛生、こまめな換気といった基本的な感染対策を続けていきましょう。

【No.2】RSウイルス感染症
 RSウイルス感染症は、1歳未満の乳児が感染すると重症化しやすい感染症です。子どもの間で新型コロナが増えていますが、新型コロナの流行がおさまった時に警戒しなければならない感染症です。

 新型コロナの「発熱」「咳」「鼻水」といった症状が似ている点から、新型コロナの検査と同時にRSウイルス感染症の検査をすることが増えると予想されます。多くの場合は軽い症状ですみますが、重い場合には咳がひどくなり、呼吸が苦しくなるなどの症状が出ることがあります。昨年と同様、九州地方を中心に、西日本から各地にひろがっていく恐れがあり、注意が必要です。

 RSウイルス感染症について詳しく見ていきましょう。RSウイルス感染症は、病原体であるRSウイルスによっておこる呼吸器感染症です。潜伏期間は2~8日、一般的には4~6日で発症します。お子さんに発熱や呼吸器症状がみられる場合は、かかりつけ医に相談してください。感染経路は、飛沫感染や接触感染です。ワクチンはまだ実用化されていないため、手洗い、うがい、マスクの着用を徹底しましょう。家族以外にも保育士の方など、乳幼児と接する機会がある人は特に注意が必要です。

【No.3】インフルエンザ
 インフルエンザは、2月に流行していなくても3月・4月に注意をしておいた方が良い感染症です。RSウイルス感染症と同じく、呼吸器系の感染症なので、新型コロナの患者報告数が減ってきた時には要注意です。

 インフルエンザの症状としては、1~4日間の潜伏期間を経て、突然に発熱(38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが出現し、鼻水・咳などの呼吸器症状がこれに続きます。通常は1週間前後の経過で軽快しますが、いわゆる「かぜ」と比べて全身症状が強いのが特徴です。予防方法としては、1.流行前のワクチン接種、2.外出後の流水・石鹸による手洗い、3.適度な湿度の保持、4.十分な休養とバランスのとれた栄養摂取、5.人混みや繁華街への外出を控えること等があげられます。

【No.4】感染性胃腸炎(ノロ・ロタ等)
 感染性胃腸炎の患者報告数は、昨年に比べると多いですが、例年並みです。ノロウイルスとロタウイルスは毎年、春休みに向けて流行の山はあります。全国的にまんべんなく患者報告数が多いため、乳幼児の保育施設などでは特に注意が必要です。

 予防方法としては、食べ物はできるだけしっかり加熱するようにしましょう。感染性胃腸炎によるものと考えられる嘔吐物の処理は、次亜塩素酸ナトリウム系(塩素系消毒剤)を用いて、適切に行いましょう。使用する濃度は500ppmが推奨されます。嘔吐や下痢などの症状が改善しても24時間は、自宅で様子をみるようにしましょう。症状がなくなったからといって、登園もしくは登校させると、集団感染につながるおそれがあります。

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

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