家族のうち1人だけがコロナ陽性で自宅療養となった場合、同居している家族の感染リスクは気になるところです。
特にトイレやお風呂等、共用部分の消毒をする際に、何が効果的なのでしょうか。
この疑問について、新型コロナ患者の診察にあたる、大阪府済生会中津病院の安井良則医師にご回答いただきました。
こまめな換気とマスク着用、共用部分は家庭用洗剤で消毒しましょう
(安井医師)家庭内にコロナ陽性者がいる場合、共用部分ではマスクを着用し、こまめに換気をしてください。コロナウイルスはマイクロ飛沫を吸い込んで感染します。
乾燥して気温が低い冬の方が、水分が蒸発してマイクロ飛沫になりやすく、さらに密閉空間が多いため、飛沫感染のリスクが高くなります。冬場は寒いため、部屋を密閉しがちですが、できれば共用部分は常に換気しておきましょう。
トイレや浴室などの共用部分の消毒は、手が触れる部分の拭き取り消毒をしてください。毎回、床まで拭き取り掃除する必要はありません。テーブルやドアノブなどの物品の消毒には、界面活性剤が含まれる洗剤等を使用して、拭き取りましょう。
家庭用洗剤を使用して身近な物の消毒を
ご家庭にある洗剤(住宅用や食器用等で、有効な界面活性剤が含まれる洗剤)でも、共用部分の消毒ができます。
以下、経済産業省のホームページに掲載されている「ご家庭にある洗剤を使って身近な物の消毒をしましょう(一部抜粋)」より、消毒の際のポイントをお伝えします。
【台所用洗剤を使って消毒する際のポイント】
(1)洗剤うすめ液を作る。
たらいや洗面器などに500mlの水をはり、台所用洗剤を小さじ1杯(5g)入れて軽く混ぜ合わせる。(食器洗い機用洗剤ではなく、スポンジなどにつけて使う洗剤です。有効な界面活性剤が使われているか確認しましょう。)
(2)対象の表面を拭き取る。
キッチンペーパーや布などに、(1)で作った溶液をしみこませて、液が垂れないように絞る。汚れやウイルスを広げないように、一方向にしっかり拭き取るようにする。
(3)水拭きする。
洗剤で拭いてから5分程度たったら、キッチンペーパーや布などで水拭きして洗剤を拭き取る。特に、プラスチック部分は放置すると傷むことがあるので必ず水拭きする。
(4)乾拭きする。
最後にキッチンペーパーなどで乾拭きする。
【効果的に使うためのポイント】
・作り置きした液は効果がなくなるので、洗剤うすめ液は、その都度使い切りましょう。
・台所用洗剤でプラスチック部分(電話、キーボード、マウス、TVリモコン、便座とフタ、照明のスイッチ、時計など)を拭いた場合、そのまま放置すると傷むことがあります。必ず、すぐに水拭きしましょう。
・塗装面(家具、ラッカー塗装部分、自動車の塗装面など)や、水がしみこむ場所や材質(布製カーテン、木、壁など)には使わないでください。シミになるおそれがあります。
引用:経済産業省(HP)「ご家庭にある洗剤を使って身近な物の消毒をしましょう」
取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏