国立感染症研究所がまとめた第50週(12/13~19)のデータによると、インフルエンザの定点当たりの患者報告数は0.01と、依然として流行のきざしはみられていません。
一方で、地域別では三重県(0.13人)、岡山県(0.04人)と、わずかながら患者報告数が上がってきています。
地域別の患者報告数
第50週(12/13~19)までの定点当たり患者報告数が最も多い順
・三重県(0.13人)
・岡山県(0.04人)
・山形県、石川県、山梨県、京都府、兵庫県、高知県、鹿児島県、沖縄県(0.02人)
現在のインフルエンザの発生動向について、大阪府済生会中津病院に勤務する安井良則医師に取材しました。
流行っていない感染症ほど予防が肝心
(安井医師)例年、12月は既にインフルエンザの患者報告数が増え始めている時期です。現在の状況としては、国立感染症研究所の第50週(12/13~19)のデータをみると、流行のきざしは見えません。
日本でのインフルエンザの流行は、例年11月下旬から12月上旬にかけて始まり、1月下旬から2月上旬にピークを迎え、3月頃まで続きます。今のところ流行していないからといって、今後、全く流行しないというわけではありません。季節外れで流行する可能性も考えられます。流行していない感染症ほど、早めに予防のための対策をとっておくことは大切です。
インフルエンザの予防には、予防接種を受けることが有効です。ここ2年ほど、インフルエンザの流行がみられず、乳幼児が初めて感染すると重症化しやすいことから、予防接種を受けることで発病率、重症化の低減につながると言われています。予防接種を受けてから抗体ができるまで約2週間かかり、効果は約5か月間持続しますので、流行前に早めに接種することを、おすすめします。
予防方法
インフルエンザを予防する有効な方法としては、以下が挙げられています。
1.流行前の予防接種
2.外出後の手洗い等
3.適度な湿度の保持(50~60%)
4.十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
5.人混みや繁華街への外出を控える
引用:厚生労働省「インフルエンザQ&A」
取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏