【インフルエンザ】保育所登園の目安と症状について
2021年10月25日更新
半年以上前に更新された記事です。

びせいぶつ芸能社(インフルー)
びせいぶつ芸能社(インフルー)
 厚生労働省は、乳幼児期の特性を踏まえた保育所における感染症対策の基本を示すものとして、「保育所における感染症対策ガイドライン」2018年に発表しています。

 乳幼児のお子さんのいらっしゃる方が気になる、保育所などへの登園の目安と症状が記載されています。今回はインフルエンザについてです。

症状および特徴

 突然の高熱が出現し、3~4日続きます。倦怠感、食欲不振、関節痛、筋肉痛等の全身症状や、咽頭痛、鼻汁、咳等の気道症状を伴います。 通常、1週間程度で回復しますが、気管支炎、肺炎、中耳炎、熱性けいれん、急性脳症等の合併症が起こることもあるようです。

感染経路

 主な感染経路は飛沫感染ですが、接触感染することもあります。

流行状況

 インフルエンザウイルスは小さな変異を繰り返すため、以前にインフルエンザに罹患したことがある、又はワクチンを接種したことがある人でも、ウイルスに変異が蓄積すると、罹患することがあります。毎年冬になると、地域、学校などで流行します。

予防・治療方法

 予防には不活化ワクチンが使用されています。現行のインフルエンザワクチンは、接種すればインフルエンザに絶対にかからない、というものではありません。しかし、インフルエンザの発病を予防することや、発病後の重症化を予防することに対して、一定の効果があるとされています。インフルエンザの治療には、ノイラミニダーゼ阻害剤を中心とする抗インフルエンザ薬が使用されます。発症早期に使用した場合には、症状の早期改善が期待されます。

感染拡大防止のために留意すべきこと

 大人の場合には、インフルエンザの流行期に入る前にワクチンを1回接種しておくことで、発病の予防や発病後の重症化予防に一定の効果があります。13歳未満の子どもの場合には、ワクチンを1回接種するよりも2回接種する方が、抗体価の上昇が高くなります。このため、流行期に入る前に2週間から4週間(可能な場合には4週間)の間隔をあけて、2回接種を受けることが重要です。

 飛沫感染対策として、咳、くしゃみ等の症状があり、マスクを着用できる年齢の子どもには、マスク着用などの咳エチケットを実施するよう促します。また、接触感染対策として、流行期間中は手洗い等の手指の衛生管理を励行することが大切です。感染者の唾液、痰、鼻汁等が付着した場合には、手洗いの後、消毒用エタノール等で消毒しましょう。

登園の目安

 登園の目安は、「発症した後5日経過し、かつ解熱した後3日経過していること(乳幼児の場合)」です。

 「解熱した後3日を経過するまで」の場合、例えば、解熱を確認した日が月曜日であった場合には、その日は期間には算定せず、火曜日(1日目)、水曜日(2日目)及び木曜日(3日目)の3日間を休み、金曜日から登園許可ということになります。

 インフルエンザにおいて「発症した後5日」という時の「発症」とは、一般的には「発熱」のことを指します。日数の数え方は上記と同様に、発症した日(発熱が始まった日)は含まず、その翌日から1日目と数えます。「発熱」がないにも関わらず、インフルエンザと診断された場合は、インフルエンザにみられるような何らかの症状がみられた日を「発症」した日と考えて判断します。

 例:11月1日に発症し、11月4日に熱が下がっていれば、11月7日に登園可能になります。

 登園を再開する際は、各保育所の取扱いによっては、「意見書(医師が記入)」の提出が必要となる場合があります。お子さんの登園日の確認や、体調に不安がある場合には、かかりつけ医への相談をおすすめします。

 ※意見書は、一律に作成・提出する必要があるものではありません。

ワクチン接種の検討を

 インフルエンザの主な感染経路は、飛沫感染ですが、接触感染することもあります。

 インフルエンザワクチンは、接種すればインフルエンザに絶対にかからないというものではありませんが、インフルエンザの発病を予防することや、発病後の重症化を予防することに対して、一定の効果があるとされています。

 まだ、インフルエンザにかかったことのないお子さんが初めて感染し、発症すると、インフルエンザ脳症など重症化のおそれもあります。接種して抗体ができるまで、約2週間かかりますので、流行前に早めに接種することをお勧めします。

◇感染症・予防接種ナビでは、みなさまからインフルエンザの経験談を募集しています。

引用:厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」
文:感染症ニュース取材班

関連記事


RECOMMEND