今回取材したのは、国から難病に指定されている「潰瘍性大腸炎」という疾患を持つ、37歳の女性です。
難病情報センターによると、「潰瘍性大腸炎」は、大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患です。特徴的な症状としては、下血を伴うまたは伴わない下痢とよく起こる腹痛です。
完治に導く内科的治療はまだないため、病気に伴う症状をコントロールする薬を毎日、内服しているそうです。経過観察のため3ヶ月に一度通院し、2年に一度は内視鏡などの検査をおこなっています。
女性は基礎疾患があり、免疫が低く感染症にかかりやすいのではと思っていたので、主治医にコロナワクチン接種について聞いたところ、受けた方が良いとのすすめもあり、ワクチン接種を決めたとのことです。
1回目の接種
主治医からワクチン接種について聞いていたこともあり、集団接種などで早く打とうと思っていました。しかしなかなか予約が取れず、結果的に主人の勤めている会社の職域接種で、9月15日にようやく受けることができました。
会場で、問診の先生に自分の病気を伝えたところ、元がアレルギー体質ということもあり、副反応が出やすいかもしれないと言われました。
私は1回目の接種で、すぐに腕の痛みを感じました。打った方の左腕が上がらず、しばらくすると、接種した部分がハンマーでたたかれたかのような痛みになりました。それと同時に吐き気が起こり、頭痛も少しありました。発熱はありませんでした。
1週間ほど経った頃、接種した方の腕が痒かったので見てみると、赤く腫れていることに気づきました。
そこからさらに1週間近く経ちましたが、接種した腕の赤みがますます広がってきて、不安になりました。接種した方の二の腕全体が真っ赤になり、痛痒くなったので、これが「モデルナ・アーム」かと思いましたが、日にちが経つにつれて、徐々に赤みやかゆみは治まってきました。
一緒に接種した主人も、接種した腕の痛みはあったそうですが、その他の症状は特になかったようです。
高校生の15歳の娘は、ワクチンを打った直後から腕のしびれと、倦怠感が強かったようで、日曜に接種したのですが、月曜は大事をとって学校を休みました。
2回目の接種
2回目は10月10日に接種し、その日の夜に、38.4度の熱が出ました。食欲がなくなり、スポーツ飲料だけ飲んで、ひたすら寝ていました。1回目ほど、しんどくは感じませんでしたが、接種した方の腕が痛かったです。
次の日は37.4度と、微熱程度に下がりましたが、頭痛と倦怠感で体がだるく、仕事が休みで良かったと思いました。
娘も接種した日に38.4度の熱が出たのですが、次の日が学校だったため、1日だけ学校を休みました。2日目は熱が下がっていたので、学校に行きましたが、帰ってきたらすぐに横になっていたので、身体がだるかったようです。
主人も、接種した日に37.7度の熱が出て、次の日は下がりました。
2回目の接種は他の方の話で聞いていたように、副反応が結構出るんだなと感じました。
ワクチンを打ちたくても予約が取りづらく、不安な日々
私は持病があるので、免疫が低く感染症にかかりやすいのではと思い、コロナが流行りはじめたというニュースを見てからは、外出を控えていました。
主治医もワクチン接種しておいた方がいいと言っていたので、早く予約を取りたいと思っていましたが、優先枠があるといっても、なかなか予約が取りづらい状況にあり、少し不安な日々でした。
予約のキャンセル待ちも考えましたが、急な予定が入って動くと疲れやすいため、2回目の接種のことまで考えると、予約日が確定している方が安心できました。
小学6年生の11歳の息子は早生まれのため、ワクチンが打てる年齢ではありません。同じクラスの友達で12歳になっている子のほとんどはワクチンを接種しているようで、その日に腕が痛かったくらいと言っていたそうです。
自分の持病のこともありましたが、まだワクチンを打てない年齢の子どもがいるので、家族として感染のリスクを下げるために、接種しておいて良かったと思います。
<おことわり>ご紹介する経験談は、あくまでも個人の症状や意見です。
◇感染症予防接種ナビでは、新型コロナウイルスに感染した方や新型コロナワクチンを接種した方からの経験談を募集しています。
引用:難病情報センター「潰瘍性大腸炎(指定難病97)」
文:感染症ニュース取材班