【新型コロナウイルス感染症】自宅療養者が先週より増加 専門医が背中側に肺炎が起こりやすい傾向を指摘 「うつぶせ寝」を訪問医に助言
2021年9月9日更新
半年以上前に更新された記事です。

 新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向にあるものの、自宅療養者数は増えているようです。

 厚生労働省が9月1日に新型コロナウイルス感染症患者の療養状況についてまとめた資料によると、療養者数は全国で20万7672人ですが、そのうち自宅で療養されている方は13万5859人で、全体の65%に当たります。

 先週の8月25日には、自宅療養者が11万8229人であったことから、1週間で1万7630人の増加がみられました。

 コロナ病棟で治療に当たる、大阪府済生会中津病院の安井良則医師に、現在の状況についてお話をうかがいました。

新規感染者数は減ってきているが…

 (安井医師)大阪も新規感染者数は減ってきています。しかし、入院してくる患者さんは後を絶ちません。入院患者のほぼ100%はワクチン2回未接種です。最近は「ブレイクスルー感染」について騒がれていますが、ワクチンを2回接種した方は、重症化していません。基礎疾患のある方や妊婦さんも入院してきますが、ワクチンを2回接種済みの方は、軽症ですぐ退院していきます。

臨床の現場も、これまでの経験の積み重ねにより、変化している

 これまで診察してきた中で、コロナ感染して肺炎になった患者さんのCTを撮ると、背中側に肺炎を起こしている傾向があります。私の働いている病院では、昨年秋頃からCT画像を確認した上で、背中側で肺炎を起こしている患者に対し、肺を安静にするため、うつ伏せ寝、もしくは横向きにして酸素を投与したところ、症状の改善がみられました。

 自宅療養者向けの訪問診療をする医師にも、臨床の現場における経験から、「うつ伏せ」で患者を寝かせるように助言しています。うつ伏せにする際には、抱きまくらやクッションを、体と布団の間にはさむなどの工夫が必要です。体の状態としては苦しいですが、うつ伏せや横向きの状態を保つことにより、背中側に肺炎の症状がみられた入院患者さんは、肺を安静に保つことができ、結果として酸素投与量も減っています。

 大切なのは、「肺」の状態を適切に把握し、血中の酸素濃度を上げることです。血中の酸素濃度を測定するパルスオキシメーターも入手しやすくなりました。現在の入院基準も、血中酸素濃度が一つの目安となっています。血中酸素濃度が低い場合には、うつ伏せ寝もひとつの選択肢として、考えてもいいのかもしれません。

 自宅療養をされている方は、かかりつけ医や、訪問診療の医師と相談の上で、おこなってください。

引用:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症患者の療養状況等及び入院患者受入病床数等に関する調査結果」(2021年9月1日0時時点)

取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

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