【新型コロナウイルス感染症】3歳~15歳の家庭内感染増加 16歳~18歳の学校等での感染が45.7% 子どもたちの集団活動は…
2021年9月2日更新
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 子どもによる新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されています。

 厚生労働省は、2021年4月1日から7月22日までに報告された3歳から18歳までの感染場所の調査結果を公表しました。それによると3歳から15歳までは自宅での感染が多いですが、16歳から18歳は学校等での感染が45.7%と自宅での感染より多くなっています。この現状を踏まえ、夏休み明けで学校が再開するが、感染が拡大しないよう対策が必要との見方を示しています。

 現在、大阪府の一部自治体では夏休み延長やオンライン授業への切り替えが行われていますが、宮城県や広島県の一部の学校では新学期を迎え、登校が始まっています。

 夏休み明けでお子さんの登校に不安をお持ちのご家庭も多いのではないでしょうか。

 学校における感染症対策について、コロナ病棟で診察にあたる、大阪府済生会中津病院の安井良則医師に話を伺いました。

Q.学校における感染症対策にはどのようなものがありますか?

 A.(安井医師)夏休み明けの登校によって懸念されることは、感染性の強いデルタ株による爆発的な感染状況になりかねないということです。学校内でのマスク着用、手洗いの励行、教室内ではこまめな換気を行い、できればオンライン環境下でのリモート授業にするなどの対策が必要です。

 今回のデルタ株による感染は10代および10歳未満の子どもたちにも広がっています。学校内で感染が広がることにより、子どもたちを介して家庭内感染につながるおそれもあります。学校においては極力、子どもたちが集団で活動することは控えていただきたいです。

文部科学省が学校での感染症対策についてまとめたガイドラインを新たに発表

 新学期を迎えるに当たり文部科学省では、8月20日に新型コロナウイルス感染症対策について留意すべき事項をまとめたガイドラインを公表し、各学校へ対策の徹底を求めています。

【小学校、中学校及び高等学校等における新学期に向けた 新型コロナウイルス感染症対策の徹底等について】
・発熱や倦怠感、喉の違和感などの風邪症状があり、普段と体調が少しでも異なる場合には、児童生徒等・教職員ともに自宅での休養を徹底する。
・児童生徒等の登校時に、健康観察表などを活用し、検温結果及び健康状態を把握すること。
・登校時や登校後に児童生徒等に風邪症状が見られた場合には、当該児童生徒等を安全に帰宅させ、症状がなくなるまでは自宅で休養するよう指導すること。
・感染経路を絶ち、学校内にウイルスを持ち込まないようにするため、児童生徒等や教職員においては、こまめな手洗いや咳エチケットの徹底を図るとともに、健康的な生活(十分な睡眠、適度な運動、バランスの取れた食事)により抵抗力を高めること。
・集団感染のリスクを低減するため、3密が同時に重なる場を避けることはもちろんのこと、できる限りそれぞれの密を避けること(ゼロ密)が望ましいこと。
・密閉を回避するため、気候上可能な限り、常時換気に努めること。
・身体的距離を確保するため、児童生徒の間隔を可能な限り2m(最低1m)確保するように座席を配置すること。
・飛沫感染を防ぐため、児童生徒及び教職員は、身体的距離が十分とれないときや換気が不十分と思われる場などでは原則としてマスクを着用すること(ただし、熱中症予防の観点も含め、学校教育活動の態様や児童生徒等の様子などを踏まえ、臨機応変に対応すること)。
・給食等の食事をとる場面での感染症対策については、食事の前後の手洗いの徹底、席の配置の工夫、大声での会話を控える、食事後の歓談時におけるマスクの着用などの対応をとること。また、飲食の場面では感染リスクが高まるとされていることから、十分な換気を行うこと。

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引用:厚生労働省「第49回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年8月25日)」
文部科学省「小学校、中学校及び高等学校等における新学期に向けた 新型コロナウイルス感染症対策の徹底等について」

取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

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