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大阪府済生会中津病院の安井良則医師に取材しました。
今週に入り、東京都の新規感染者数は7日間平均で1000人を超えるなど、新型コロナウイルス感染症の急拡大に歯止めがかかりません(7/20時点)。
また首都圏を見ても、神奈川県・千葉県・埼玉県で多くの感染者が報告されています。
4連休や夏休みが始まり、東京オリンピックも開催され、人流が変わることが予想されます。
東京オリンピックについて
このような事態の中での東京オリンピック開催については、コロナ病棟で診療にあたっている私個人としては賛成できません。
世界各国から様々な「株」が持ち込まれ、入り交じることで新たな「変異株」が出現する懸念もあります。
また、日本で感染したウイルスを国外に持ち出す可能性も否定できません。
世界各国の選手団は、ワクチン接種を終えてから参加するとのことですが、ワクチンによって、発症予防効果は異なります。
先日、南アフリカの選手とスタッフに陽性者が出たとのニュースもありました。
ウイルスの国内への流入が、検疫などの水際で食い止められていないことが気がかりです。
また、最も危惧しているのが、「選手村」の環境です。
感染対策のルールが決められ、アルコールの持ち込みの規制・選手同士の交流規模縮小などが実施されるとのことですが、感染症の専門家の目から見て、実効性はじゅうぶんとは言い難いです。
選手や関係者には、ワクチンを打ったからと言って安心な訳ではないことを理解した上で、選手同士の交流や会食は慎んで頂きたいと考えています。
また、1都3県(埼玉、千葉、神奈川)の競技会場は無観客となりましたが、一部、観客を入れての開催となります。
一般の方が観戦する場合には、ワクチンをまだ接種していない人も周りにいらっしゃることを理解した上で、マスク着用や手指衛生など、感染対策を継続して頂きたいです。
マスク着用について
厚生労働省は、マスクの着用について飛沫の拡散予防に有効で、基本的な感染対策として着用を促しています。
着用時には、心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇するなど、身体に負担がかかることがあるので注意が必要です。
のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心がけてください。
また、周囲の人との距離を十分にとれる場所で、マスクを一時的にはずして休憩することも必要です。
感染症予防接種ナビでは、新型コロナウイルスに感染した方や新型コロナワクチンを接種した方からの経験談を募集しています。
取材:大阪府済生会中津病院 安井良則医師
出典:厚生労働省:「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント