【RSウイルス感染症】保育所登園の目安と症状について
2021年6月7日更新
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2018年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン(厚生労働省)より
2018年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン(厚生労働省)より
 厚生労働省は、「乳幼児期の特性を踏まえた保育所における感染症対策」についてガイドラインを発表しています。

 乳幼児をお持ちの親御さんが気になるのは、保育所などへの登園の目安と症状ではないでしょうか。今回はRSウイルス感染症についてです。

特徴

 RSウイルス感染症はRSウイルスの感染による呼吸器感染症です。感染すると、発熱や鼻水などの症状が数日続き、重い場合には咳がひどくなったり、呼吸が苦しくなるなどの症状が出ることがあります。乳幼児期に初感染した場合の症状が重く、特に生後6か月未満の乳児では重症な呼吸器症状を生じ、入院管理が必要となる場合も少なくありません。

 一度かかっても十分な免疫が得られず何度も罹患する可能性がありますが、再感染・再々感染した場合には、徐々に症状が軽くなります。

 通常、大人では鼻炎程度の軽い感冒症状がみられます。

 大人に症状がみられた場合、乳幼児に感染している可能性もあるので、注意を要します。

感染経路

 主な感染経路は飛沫感染及び接触感染です。2歳以上で再感染・再々感染した場合に、症状としては軽い咳や鼻汁程度しかみられず、保育所に平常時と変わらず通っている場合があります。

 また、保護者や職員が感染することもあり、周囲に感染が拡大することもあります。

流行状況

 毎年、主に秋から冬にかけて流行します。しかし、最近では夏季にも流行がみられるケースもあります。注意が必要です。

予防・治療方法

 ワクチンや抗ウイルス薬の開発がすすめられていますが、まだ実用化されていません。飛沫感染や接触感染により感染するため、手洗いの励行等一般的な予防法の励行が大切です。なお、特異的な治療法は確立されていません。

登園の目安

 登園の目安は、「呼吸器症状が消失し、全身状態が良いこと」です。

 保育所は、乳幼児が集団で長時間生活を共にする場です。感染症の集団での発症や流行をできるだけ防ぐことで、一人一人の子どもが一日快適に生活することが大切です。

 登園の目安を参考に、かかりつけ医の診断に従い、登園届の記入及び提出をお願いします。お子さんの登園に不安のある場合は、かかりつけ医への相談をおすすめします。

※登園届は、一律に作成・提出する必要があるものではありません。

感染症予防接種ナビでは、みなさまからRSウイルス感染症の経験談を募集しています。

文:感染症ニュース取材班

引用:厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」

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