ゴールデンウイーク(GW)明けの溶連菌感染症の流行にご注意ください。
子どもの間で拡がる感染症 突然の発熱に注意
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(一般には溶連菌感染症と言われます)は、特に小児の集団生活で気をつけてほしい感染症です。子ども同士の接触頻度が高い保育園や小学校などで感染が拡がるケースが多いです。また、家庭内においても兄弟間(姉妹間)で感染することもあります。
感染すると2~5日の潜伏期間の後に発症し、突然38度以上の発熱、全身の倦怠感、喉の痛みなどが現れ、しばしば嘔吐を伴います。また、舌にイチゴのようなぶつぶつができる「イチゴ舌」の症状が現れます。
春休み中は患者が減少 例年GW明けに流行
国立感染症研究所が発表している感染症発生動向調査によると、定点当たり患者報告数は第11週~第14週(3/15~4/11)の期間で減少がみられました。これは、春休みの期間中で子ども同士の接触機会が少ないことが影響していると思われます。
例年では、GWの連休が明け、保育園や小学校などの再開に伴って、患者報告数の増加がみられます。
予防には手指衛生と咳エチケットが有効
主な感染経路は、咳やくしゃみなどによる飛沫感染と、細菌が付着した手で口や鼻に触れることによる接触感染です。感染した場合、治療が開始されてから48時間が経過するまでは学校、幼稚園、保育園での集団生活は許可すべきではないとされています。
予防のためのワクチンは、まだ実用化されていません。予防には、手洗いなどの手指衛生とマスクの着用など咳エチケットが有効です。
感染症予防接種ナビでは、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)の経験談を募集しています。
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏