【感染症ニュース】万が一災害が起こった時 避難先やボランティアの際に注意してほしいこと
2021年3月11日更新
半年以上前に更新された記事です。

 東日本大震災から今日で10年の節目を迎えました。この数年の間にも、台風や豪雨、大雪と言った様々な災害を実際に経験した方、ニュースなどで目にされた方も多いことでしょう。

 新型コロナウイルス等の感染症が流行する中で、万が一、大きな災害が発生した時に、避難所やボランティア先で注意しておきたいことがあります。

避難所で気をつけるべき感染症

 避難所では、多くの人が一時的に共に生活することになるため、人から人に広がる感染症に注意が必要です。

 特に注意したいのが空気感染する「麻しん(はしか)」や「水痘(水ぼうそう)」です。

 実際に、東日本大震災が発生した時に東北地方に設置された避難所では、海外から取材に訪れた記者によって「麻しん(はしか)」が持ち込まれたケースがありました。

 また、人の密度が高くなる避難所においては、飛沫によって感染する「新型コロナウイルス感染症」や「インフルエンザ」にも注意が必要です。

ボランティア活動の際は十分に確認を

 ボランティアは被災地の復興には欠かせない存在ですが、新型コロナウイルスなど感染症の流行地域から被災地に赴くことは、ウイルスを広めてしまう恐れもあります。

 若い人は、無症状のままウイルスを被災地に運んでしまう可能性もあるため、必ず健康観察を行いながら、自治体が決めたルールを事前に確認したうえで参加するようにしましょう。

 特にコロナ禍の現在においては、普段にも増して注意して移動してください。

体調が悪い時の避難について

 手指の消毒やマスク着用が感染防止に有効なことは知られていますが、避難所では衛生用品などの物資が十分に確保できない場合もあります。

 また、人によっては、一日中マスクを着用することも大きな負担になる可能性もあります。

 体調の悪い人で、身の回りの安全が確保されている場合には、自宅や安全な場所にとどまるという選択もあるかも知れません。万が一に備え、体調が悪い場合の避難方法なども普段から考えておくとよいかもしれません。

感染症・予防接種ナビでは、みなさまからの感染症経験談を募集しています。

取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

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