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首都圏を中心に全国的に感染が急速に拡大している新型コロナウイルス感染症。緊急事態宣言が発出されたことで感染拡大の食い止めに希望を抱く人も多いかもしれません。しかし、コロナウイルスは元々冬期に流行するウイルスで、1月後半から2月にかけて更なる急拡大が懸念されるので、過度な期待は危険です。感染が拡大している中で、日本はまもなく受験シーズンを迎えます。受験を控える受験生やその家族は、このコロナ禍をどう乗り越えればよいのでしょうか。
コロナ禍における受験
1月は、大学入試や国家試験など多くの受験生にとって一生を左右する大切な時期です。
新型コロナウイルス感染症は高齢者や基礎疾患がある人等が重症化しやすく、子どもは重症化しにくいと言われている一方で、特に高校生や大学生など交友関係や行動範囲が広い学生の間においては、集団感染の発生も報告されています。
また、子どもの感染経路の多くは家庭内によるもので、飲酒を伴う懇親会等で感染した家族が、無症状や軽症のまま気づかないうちに家庭にウイルスを持ち込んでいるケースが多いようです。
受験生は本人が感染した場合でも、家族等が感染した際の濃厚接触者になった場合でも、自宅待機しなければならず、試験を受けられなくなる可能性もあることを忘れないでください。
人生を左右する大切なこの時期は、受験生はもちろん、周りにいる家族全員が一丸となって対策することが必要です。基本的な予防以外に、家族がウイルスを持ち込むことがないよう、不特定多数が集まる場所や行動は避けましょう。
受験生だけでなく、家族が後悔しないようコロナ禍の受験を乗り越えてほしいです。
感染リスクが高まる5つの場面
新型コロナウイルス感染症対策分科会より感染リスクが高まる「5つの場面」が提言されています。
【場面1】飲酒を伴う懇親会等
【場面2】大人数や長時間におよぶ飲食
【場面3】マスクなしでの会話
【場面4】狭い空間での共同生活
【場面5】居場所の切り替わり
全ての場面でこれからも引き続き守ってほしいこと
・基本はマスク着用や三密回避。室内では換気を良くして。
・集まりは、少人数・短時間にして。
・大声を出さず会話はできるだけ静かに。
・共用施設の清掃・消毒、手洗い・アルコール消毒の徹底を。
最後に
感染者を必要以上に非難・批判したり、差別的に扱うことは、感染状況の調査に悪影響を与えるだけでなく、社会的な息苦しさや不必要な不安を生み出すことになるため、やめましょう。
感染症予防接種ナビでは、新型コロナウイルス感染症の経験談を募集しています。
引用:内閣官房「感染リスクの高まる『5つの場面』」年末年始特設サイト
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏