感染症・予防接種ナビに寄せられた皆様からの感染症経験談を紹介します。今回はカンピロバクター感染症で、いずれも医療機関で診断を受けた方の経験談です。
経験談1
北海道・20代(かんぴさん) 発症時の最高体温39.3℃
自分で調理した鶏肉を食べ発熱・腹痛・頭痛を発症 加熱の不十分が原因と思われます
【経験談】
この時期、暴飲暴食でずっとお腹が緩かった&やや風邪気味で免疫力低下していた。
9月28日 自宅にて、少し前にTwitterで流行った「30分チキン」(鶏胸肉を弱火で30分焼くというもの)を作る→見た感じ生焼けっぽい箇所があると思いながらも、まぁいいかとそのまま食べる。
10月1日 夕方、37.7℃ほどの発熱→夜には39.3℃まであがる。腹痛と下痢が少しある。
10月2日 朝になっても熱が下がらず38℃台。腹痛と1日8回ほどの下痢、食欲不振、熱がつらく、市販薬を飲み熱は37℃台まで下がる。
10月3日 熱は38℃台。下痢、腹痛は治ってきた。オンライン診療を受ける→食中毒と診断。
10月4日 熱はほぼ下がり微熱程度。腹痛は無く、だるさ、頭痛、下痢が続く。
10月5日 熱は下がるが下痢が続く。
10月6日 下痢が終わる。
下痢が終わるまではレトルトのお粥と、煮込んだうどんばかり食べてました。やっと回復してきたので今日は蒸しパンなども食べましたが、お腹の調子も安定してます。このご時世コロナかと思って余計不安でした、、、もう2度と生焼けの肉は食べません。
経験談2
東京都・20代(Mたんさん) 発症時の最高体温40.6℃
生肉・生焼けの鶏肉を食べ発症 最高体温が40℃を超え、救急搬送されています
【経験談】
10月29日 焼き鳥屋にてレバ刺し、生焼けの焼き鳥を食べる。
10月30日 元気にたこ焼きを食べる。
10月31日 ユッケ、肉寿司など、生の牛肉を食べる。
10月31日 深夜、関節痛、胃痛、発熱38℃以上が出る。EVEを飲んで寝る。
11月 1日 朝、40.6℃の熱が出る。関節痛、胃痛が激しく呼吸が苦しくなり救急車で運ばれる。病院で腸が浮腫んでいるとの診断を受け、整腸剤、解熱剤をもらい帰宅。38℃前後に落ち着くも腹痛、下痢が続く。
11月 2日 寝ようにも腹痛で1時間おきに起きてしまう。10~15分おきにトイレに駆け込むが、水下痢が少量出るだけで、ひたすらに辛い。熱は38℃前後。
11月 3日 11月2日同様に症状が改善されることはない。トイレを我慢すると40℃近くの熱が出てしまうことがわかった。
11月 4日 腹痛の間隔が少しずつではあるが、開いてきた。下痢はネバネバしていて、たまに血が混ざっている。
食事は基本お粥か元気がある時はゼリー、フルーツを食べる。生ものは食べないほうがいい。
経験談3
兵庫県・30代(田中さん) 発症時の最高体温38.8℃
鳥レバーが原因か? 長く続く下痢、倦怠感、筋肉痛、悪寒の症状を訴えています
【経験談】
10月24日 夕方、居酒屋にて鳥レバーを食べる。
10月25日 少し咳が出始め、倦怠感も若干あり。あまり気にする程度ではない。熱は平熱。
10月26日 夕方、仕事中にボーッとしだして倦怠感も増し、若干息が上がる。食欲半減。夕飯を食べた直後、トイレに駆け込み下痢。熱は平熱。筋肉痛のように節々が痛く、なかなか熟睡できない。
10月27日 熱は平熱。倦怠感、筋肉痛、水下痢がすごい。夜、食欲なし。食べたあと、トイレに駆け込み下痢。しんどくて風邪薬飲む。ちょっとマシに。お風呂に入るのもしんどい。今度は悪寒がすごく、ガタガタ震え、布団4枚、暖房をつけて寝る。なんとか寝たら、案の定、汗びっしょり。熱は38.8℃。お腹は痛くないものの、下痢でお腹がずっと発酵状態。ポコポコずっと言っている。たまにトイレ行って排泄するものの、エンドレスで水下痢。水分補給しながら、なんとか、悪寒は治まってくる。布団2枚でもいける。
10月28日 朝方、熱は平熱になり、内科へ。若干の悪寒と筋肉痛が未だ残る。
<おことわり>ご紹介する経験談は、あくまでも投稿者個人の症状や意見です。
カンピロバクターとは
カンピロバクター属は家畜や家禽(鳥類に属する家畜のこと)の腸管や生殖器に感染する微生物です。1970年代にヒトの下痢症の原因であることが確認され、感染性腸炎の原因菌として広く認識されるようになりました。
食中毒集団発生で原因食品が判明した事例では、肉類が最も多く、大半は鶏肉およびその内臓肉です。一方、牛レバーの生食による例も見られます。
主な症状は胃腸炎で、下痢、腹痛、発熱、悪心、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感など、他の感染型細菌性食中毒と酷似していますが、カンピロバクターは1日最高便回数が多く、血便を伴う比率も高いことが特徴です。
カンピロバクターは、低温環境下で、より長時間生存できるため、冷蔵庫を過信してはいけません。加熱には弱いので、食品の正しい加熱調理に努めるとともに、調理などの過程で他の生鮮食品や調理器具の汚染に注意しましょう。鶏肉などを取り扱う場合は調理する人の手洗い、まな板などの調理器具を清潔に保ちましょう。特に乳幼児には鶏刺し、砂ずり刺し、牛レバー刺しなどの生食はさせないようにすることが重要です。