薬局サーベイランスによると、2019/1/14~2019/1/20(2019年第3週)のインフルエンザの推定患者数は、約207万人であり、前週の値(約168万人)と2009年の測定開始以来の最多数を更新しました。週明けの1月21日の推定患者数は約52万人と先週とほぼ同等であり、現在の流行状況は今週も継続するものと予想されます。
都道府県別情報
各都道府県別の第3週の人口1万人当たりの1週間の推定受診者数をみると福井県、三重県、栃木県、熊本県、岐阜県、大分県、茨城県、滋賀県、高知県、北海道の順となっており、43都府県で前週よりも増加が見られています。
年齢群別情報
2018/9/3~9/9(2018年第36週)から2019/1/14~1/20(2019年第3週)までの累積の推定患者数は5,526,503であり、2018年10月1日現在の人口統計を元にした累積罹患率は4.36%でした。年齢群別での累積罹患率は5~9歳(13.41%)、10~14歳(9.95%)、0~4歳(9.52%)、15~19歳(5.93%)、20~29歳(4.97%)、30~39歳(4.76%)、40~49歳(4.30%)、50~59歳(3.47%)の順となっていて、例年に比べると成人層の罹患率が高くなっています。
ウイルスの型
国立感染症研究所感染症疫学センターの
病原微生物情報によると、今シーズンこれまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルス(882検体解析)は、A/H1pdm が67.1%と多く、次いでA/H3(A香港)亜型31.5%、B型1.4%の順となっています。一方、1月に入ってからはA/H3(A香港)亜型の検出割合が高くなりつつあります。
1/14~1/20(2019年第3週)のインフルエンザの推定患者数は約207万人と、2009年に薬局サーベイランスが始まって以来の最多数を更新し、今シーズンのインフルエンザは既に大きな流行となっていて、今週(第4週)もこの状況は継続するものと予想されます。今しばらくはインフルエンザの流行には厳重な警戒が必要です。
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏