溶連菌感染症の流行は、例年、ゴールデンウィーク明けの5月中旬以降に患者数が急増しているので注意が必要です。例年、本格的な流行は、5月中旬~6月です。症状は、突然38度以上の発熱と全身倦怠感、のどの痛みによって発症し、しばしばおう吐を伴います。溶連菌感染症では、重症化すると発疹も現れることがあります。これからの時期、春から初夏にかけて、流行に注意が必要です。
地域別情報
2018/4/16~4/22(第16週)の速報データ・定点当たり報告数が多い順
・鳥取県
・新潟県
・福井道
・北海道
・埼玉県
症状
溶連菌感染症は、学童期の小児に最も多く、3歳以下や成人では典型的な症状が現れることは少ないといわれています。
症状としては2~5日の潜伏期間を経て、38度以上の発熱と全身倦怠感、のどの痛みによって発症し、しばしばおう吐を伴います。
また、舌にイチゴのようなぶつぶつができる「イチゴ舌」の症状が現れます。まれに重症化し、全身に赤い発疹が広がる「猩紅熱(しょうこうねつ)」になることがあります。また、十分な抗菌薬の投与による治療をおこなわないと、リウマチ熱や急性糸球体腎炎などを引き起こすことが知られています。
感染経路
溶連菌感染症は、発症者の咳やくしゃみなどによる「飛沫感染」、細菌が付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」によってうつります。
予防
予防のためのワクチンは、まだ実用化されていません。
予防には、手洗い、咳エチケットなどが有効です。
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監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏