インフルエンザの流行が非常に大きくなっています。不要不急の外出を控えてください。
1/29~2/4(第5週)のインフルエンザの患者数は約190万人と過去最多数を更新しました。今週(2/5~11)は漸く前週よりも減少する可能性が示唆されますが、B型インフルエンザが流行の主流となってきているため、現在の流行状態はまだ継続していくものと予想されます。まだしばらくはインフルエンザの流行に厳重な警戒が必要です。
流行のようす
1/29~2/4(第5週)の1週間当たりのインフルエンザの推定患者数は前週の値(1,774,469)よりも増加して1,935,715となり、今シーズンの最多数を記録するとともに、2009年に薬局サーベイランスが開始して以来の最多数を再度更新しました。一方、週明けの2/5(月)の推定患者数は416,647と前週の月曜日の値を下回っていて、2/5~11(第6週)の患者数は前週よりも減少することが示唆されます。
都道府県別情報
都道府県別人口1万人当たりの1/29~2/4推定患者数多い順
福井県
北海道
大分県
三重県
奈良県
熊本県
富山県
高知県
秋田県
滋賀県
岐阜県
※34都道府県で前週の値よりも増加がみられています。
累積患者数
2017年9月4日~2018年2月4日までの累積の推定患者数は8,553,185でした。
2017年10月1日現在の人口統計を元にした累積罹患率は6.75%でした。
年齢群別情報(累積罹患率)
5~9歳(30.13%)
10~14歳(21.51%)
0~4歳(15.35%)
15~19歳(9.80%)
40~49歳(5.93%)
30~39歳、(5.67%)
20~29歳(4.81%)
50~59歳(4.89%)
60~69歳(3.30%)
70歳以上(2.11%)
※5~9歳の累積罹患率は30%を超えました。
ウイルスの型
国立感染症研究所感染症疫学センターの
病原微生物情報によると、今シーズンこれまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルス(2,627検体解析)の順
A/H1pdm 46.4%、
B型34.2%
A/H3(A香港)亜型19.4%
※年明けの2018年第1週以降に検出されたインフルエンザウイルス465検体の解析ではB型50.3%、A/H3(A香港)亜型26.9%、AH1pdm 22.8%とB型(特に山形系統)が多数を占めています。
主な症状
インフルエンザは、1~4日間の潜伏期間を経て、突然に発熱(38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが出現し、鼻水・咳などの呼吸器症状がこれに続きます。通常は1週間前後の経過で軽快するが、いわゆる「かぜ」と比べて全身症状が強いのが特徴です。
乳幼児のインフルエンザ受診のめやす
<すぐに医療機関を受診した方が良い場合>
・熱に加えて顔色が悪かったり、おう吐下痢がある
・症状が長引いていてなかなか改善しない
・けいれんを起こしてしまった
・呼びかけに反応しなくなった(意識障害が疑われる場合)
※薬局サーベイランスとは、全国およそ1万箇所の薬局での調剤情報を集計することでインフルエンザ患者数を推計する調査(運用:公益社団法人日本医師会、公益社団法人日本薬剤師会、日本大学薬学部薬学研究科、株式会社EMシステムズ共同運用)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏