今シーズン、インフルエンザ推定患者数の増加が続いており、全国的な流行開始の時期は近付きつつあります。今後ともインフルエンザの患者発生の動向については注意が必要です。
流行のようす
薬局サーベイランスによると、今シーズン(2017/2018年シーズン)の2017年11月13日~19日(第46週)のインフルエンザの推定患者数は22,088です。2017年10月16日~22日(第42週)以降5週連続して増加が続いています。全国的な流行開始の基準である「週あたり推定患者数=30,000/週」に近付きつつあります。また、休日明け11月20日(月)の推定患者数は6,521と、今シーズンの1日当りの最多数を更新しています。
11月20日(第47週)以降もインフルエンザの患者数の増加は継続し、11月中に基準値を超えて流行が開始となる可能性が高くなってきています。
都道府県別情報
下記は、各都道府県別の2017年11月13日~19日(第46週)の人口1万人当たりの1週間の推定受診者数多い順です。
・福井県
・沖縄県
・北海道
・長崎県
・大分県
・石川県
・宮城県
・宮崎県
九州地方は全国平均値を上回っている地域が多くなっています。
累積推定患者数
2017年9月4日(第36週)から11月19日(第46週)までの累積の推定患者数は105,587。
年齢群別情報
年齢群別
5~9歳(18.9%)
0~4歳(13.4%)
30~39歳(12.3%)
40~49歳(12.3%)
10~14歳(11.0%)
の順となっています。10歳未満の年齢層の割合が高くなっています。
ウイルスの型
国立感染症研究所感染症疫学センターの病原微生物情報によると、今シーズンこれまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルス(185検体解析)は下記です。
・A/H3(A香港)亜型が37.8%
・A/H1pdm 37.3%
・B型24.9%
の順となっています。
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏