2017年第2週(1月9日~15日)のインフルエンザ推定受診者数は、前週の推定値よりも20万人近く増加し、60万人を突破しました。また、47都道府県全てで前週よりも増加し「本格的な流行期間」に入ったといえます。
次週以降の患者数は100万人を超える可能性もあり、今後もインフルエンザの患者発生の推移には注意が必要です。
インフルエンザの感染対策
飛沫感染対策としての咳エチケット、接触感染対策としての手洗いの徹底が重要であると考えられますが、たとえインフルエンザウイルスに感染しても、全く無症状の不顕性感染例や臨床的にはインフルエンザとは診断し難い軽症例が存在します。これらのことから、特にヒト-ヒト間の距離が短く、濃厚な接触機会の多い学校、幼稚園、保育園等の小児の集団生活施設では、インフルエンザの集団発生をコントロールすることは、困難であると思われます。
2009年4月に新型インフルエンザ〔パンデミック(H1N1)2009〕の発生が明らかとなり、世界各国で大きな流行をもたらしたことがありました。日本では、2009年の5月に最初の国内患者発生報告があり、同年第48週(11月下旬~12月初旬)をピークとした大きな流行に発展しました。その後、新型インフルエンザの流行は鎮静化し、最近ではAH1pdmの他にAH3亜型やB型インフルエンザウイルスも国内のインフルエンザ発生例から継続的に検出されています。
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2017/1/20