<インフルエンザ情報>流行立ち上がりは2014~15年シーズンと同水準となっているが、今週は患者数が急増することが予想される
図. 各シーズンのインフルエンザ推定患者数 週別推移(2016年は第50週まで)<br />監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
図. 各シーズンのインフルエンザ推定患者数 週別推移(2016年は第50週まで)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
 今シーズンのインフルエンザ流行の立ち上がりは2014~15年シーズンと同水準となっていますが、今週(第51週)は患者数が急増することが予想されます。今後ともインフルエンザの患者発生の推移には注意が必要です。

流行のようす

 薬局サーベイランスによると、2016年第50週(12月12日~12月18日)の推定患者数は192,913人です。第33週以降18週連続して増加が続いているものの、第47週以降の流行の立ち上がり方が緩やかになってきていたことを反映して、2014~15年シーズンの同週の値(226,156人)を下回りました。

 一方、第51週の月曜日(12月19日)の推定患者数は67,060人と、前週月曜日の値35,406人よりも急増しており、第51週の患者数は大幅に増加する可能性が高いです。

都道府県別情報

 人口1万人当たりの1週間の推定受診者数は、栃木県、北海道、富山県、福井県、岩手県、奈良県、東京都、秋田県、岐阜県、新潟県、広島県、神奈川県、千葉県、兵庫県の順となっています。

年齢別情報

 今シーズン累積の推定患者数は666,552人で、日本の人口推計値(2016年11月1日現在、1億2695万人)で換算すると、約200人に1人がこれまでにインフルエンザに罹患したこととなります。

 年齢群別では10~14歳(14.3%)、5~9歳(13.8%)、40~49歳(12.7%)、30~39歳(11.9%)、20~29歳(10.1%)、15~19歳(9.4%)、50~59歳(8.4%)、0~4歳(7.7%)の順となっています。5~14歳の年齢群の増加が目立ちます。

ウイルスの型

 国立感染症研究所によると、今シーズンこれまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルスは、A/H3(A香港)亜型が86.7%と大半を占めており、次いでA/H1pdm 11.3%、B型2.0%の順となっています。

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2016/12/20

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