2012年以来の大きな流行となっているマイコプラズマ肺炎は、2016年10月以降流行が本格化し、現在もその状況が続いてます。
おそらく、12月まではこの本格的な流行が継続するものと予想されます。
マイコプラズマ肺炎の流行には引き続き注意が必要です。
地域別情報
2016年第43週(10/24~10/30)の速報データによると、定点当たり報告数が最も多いのは群馬県、次いで岐阜県、青森県、埼玉県、大阪府となっています。
特徴的な症状
特徴的な症状は咳。初発症状発現後3~5日から始まることが多く、乾いた咳が経過に従って徐々に増強し、解熱後も長期にわたって(3~4週間)持続します。
治療
抗菌薬投与による原因療法が基本ですが、「肺炎マイコプラズマ」は細胞壁を持たないために、β-ラクタム系抗菌薬であるペニシリン系やセファロスポリン系の抗生物質には感受性はありません。
蛋白合成阻害薬であるマクロライド系(エリスロマイシン、クラリスロマイシン等)が第1選択薬とされてきましたが、以前よりマクロライド系抗菌薬に耐性を有する耐性株が存在することが明らかとなっています。近年その耐性株の割合が増加しつつあるとの指摘もあります。
最初に処方された薬を服用しても症状に改善がみられない場合は、もう一度医療機関を受診していただくことをお勧めします。
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監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2016/11/11