今シーズンのインフルエンザ患者発生の立ち上がりは例年と比べてかなり早く、全国的な流行の開始や本格的な流行への移行も早まることが予想されます。今後ともインフルエンザの患者発生の動向については注意が必要です。
流行のようす
薬局サーベイランスによると、2016年44週(10月31日~11月6日)のインフルエンザ推定患者数は21,437人となり、第33週(8月15日~21日)以降12週連続で増加が続いています。
前週(第43週:10月24日~30日)の推定患者数(19,236人)と比べて大きな増加ではありませんが、全国的な流行開始の基準である「週あたり推定患者数=30,000/week」に近くなっており、11月中に基準値を超えて流行が開始となる可能性が高いと思われます。
第45週の月曜日(11月7日)の推定患者数は5,313人と今シーズン最多を更新しています。2016年第36週から第44週までの累積推定患者数は81,210人であり、昨シーズン(2015/2016シーズン)の同時期までの推定患者数(21,609人)の4倍近い値となっています。
都道府県別情報
各都道府県のインフルエンザの流行の指標である、第46週の人口1万人当たりの1週間の推定受診者数は、沖縄県・福井県・栃木県・北海道・秋田県・和歌山県の順で、人口密集地である大都市圏広範囲にインフルエンザの流行が広がってきているという印象はありません。
年齢別情報
推定患者数の年齢群割合を見ると、40~49歳(14.1%)、30~39歳(12.1%)、10~14歳(11.9%)、20~29歳(11.6%)、5~9歳(10.4)%の順となっており、成人層の割合が高くなっています。
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2016/11/11