マイコプラズマ肺炎は、2012年以来の大きな流行となっています。
特に2016年第42週(10/17~10/23)の一週間の報告数は過去10年間で最多となっています。
12月まではこの本格的な流行が継続するものと予想されます。
マイコプラズマ肺炎の流行には引き続き注意が必要です。
地域別情報
2016年第42週(10/17~10/23)の速報データによると、定点当たり報告数が最も多いのは岐阜県、次いで群馬県、奈良県、青森県・石川県・大阪府(3県とも同値)となっています。
感染経路
飛沫感染による経気道感染や接触感染によって伝播すると言われています。感染には濃厚接触が必要と考えられており、保育施設、幼稚園、学校などの閉鎖施設内や家庭などでの感染伝播はみられますが、短時間の曝露による感染拡大の可能性はそれほど高くはありません。
治療
抗菌薬投与による原因療法が基本ですが、「肺炎マイコプラズマ」は細胞壁を持たないために、β-ラクタム系抗菌薬であるペニシリン系やセファロスポリン系の抗生物質には感受性はありません。
蛋白合成阻害薬であるマクロライド系(エリスロマイシン、クラリスロマイシン等)が第1選択薬とされてきましたが、以前よりマクロライド系抗菌薬に耐性を有する耐性株が存在することが明らかとなっています。近年その耐性株の割合が増加しつつあるとの指摘もあります。
最初に処方された薬を服用しても症状に改善がみられない場合は、もう一度医療機関を受診していただくことをお勧めします。
マイコプラズマ肺炎について詳しく見る▼
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2016/11/4