【感染症ニュース】5年ぶりに大きな流行となっているおたふくかぜは6~7月にその流行のピークを迎えます
図 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ) 推定患者数 各シーズン別週別推移<br />監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
図 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ) 推定患者数 各シーズン別週別推移
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
 おたふくかぜは5年ぶりの大きな流行となっており、それに伴って無菌性髄膜炎の報告数が過去10年間の同時期と比較して最多となっています。

 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は、両方またはどちらかの耳下腺の腫れを特徴とするウイルス感染症で、3~6歳の小児を中心に発症します。

 特に6~7月が最も流行する月で、感染報告数の増加と、それに伴って無菌性髄膜炎の報告数が過去10年間の同時期と比較して最多となっています。

地域別情報

 2016年5/30~6/5の速報データによると、定点当たり報告数が最も多いのは宮崎県、次いで山形県、佐賀県、鹿児島県、富山県となっています。

症状

 2~3週間の潜伏期(平均18日前後)の後、両方またはどちらかの耳下腺が腫れます。

 主な症状は唾液腺(耳の下にある耳下腺のほか、舌の下にある舌下腺、顎の下にある顎下腺)の腫れ、圧迫した際の痛み、物を飲み込む際の痛みや発熱で、通常48時間以内に症状のピークがあり、1~2週間で症状が軽くなります。

 合併症としては発症者の約10%に髄膜炎がみられます。思春期以降では、男性で約20~30%に睾丸炎、女性では約7%に卵巣炎を合併するとされ、また数100例に1例程度ですが、難聴を合併する場合もあります。

予防

 おたふくかぜに有効な抗ウイルス剤が開発されていない現状では、集団生活に入る前にワクチンで予防しておくことが、現在取り得る最も有効な感染予防法です。

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)について詳しく見る▼

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2016/06/15

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