今シーズンは第42週以降、過去10年間の同時期と比較して報告数が最多となっており、第48週(11/23~11/29)もその状態が継続しています。一方、第48週は前週(第47週)の報告数よりも若干の減少がみられており、今後の流行の推移を慎重に見極める必要があります。
生後1か月以内でもかかってしまう可能性がある感染症ですので、乳幼児を育児中の方や接する機会のある方は、十分に注意してください。
RSウイルス感染症について
【症状】
潜伏期間は2~8日、典型的には4~6日です。発熱、鼻汁などの症状が数日間続き、初感染の子どもの20~30%では、その後、気管・気管支(下気道)などに症状が出ます。感染が下気道、とくに細気管支に及んだ場合、細気管支炎となります。発熱は初期症状として見られますが、呼吸状態の悪化により入院が必要となったときには、体温は38℃以下や平熱となっている場合が多いです。RSウイルス感染症は、乳幼児の肺炎の原因の約50%、細気管支炎の50~90%を占めるとの報告もあります。また、低出生体重児や心肺系に基礎疾患や免疫不全がある場合は重症化のリスクが高く、注意が必要です。
【感染経路】
飛沫感染と接触感染です。感染力が強く、また生涯にわたって何度も感染を繰り返すといわれています。年長者の再感染の場合、典型的な症状があらわれず、RSウイルス感染と気付かれないケースも多く存在します。そのため、家族間の感染や乳幼児の集団生活施設等などでの流行を効果的に予防することは困難です。
地域別情報
2015年第48週(11/23~11/29)の速報データによると、報告数が最も多いのは大阪府、次いで北海道、愛知県、東京都、埼玉県となっています。
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監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2015/12/09