RSウイルス感染症 全国的に報告数の増加が続いており、12月までは厳重な注意が必要です。
図.RSウイルス感染症の流行曲線 2004~2015年第41週(10月5日~10月11日)現在まで<br>監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
図.RSウイルス感染症の流行曲線 2004~2015年第41週(10月5日~10月11日)現在まで
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
 8月末頃より患者数が急増していたRSウイルス感染症ですが、9月中旬からは流行が本格化し、10月現在も全国的に報告数が多い状況が続いています。例年通りならば今後11月12月と、さらに報告数が増加する可能性が高く、引き続き厳重な注意が必要です。

 RSウイルス感染症は生後1か月以内でもかかってしまう可能性がある感染症です。乳幼児を育児中の方や接する機会のある方は、十分に注意してください。

RSウイルス感染症について

 RSウイルス感染症は、病原体であるRSウイルスが伝播することによって発生する呼吸器感染症です。年齢を問わず、生涯にわたり顕性感染を繰り返し、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の小児がRSウイルスの初感染を受けるとされています。

 乳幼児期においては非常に重要な疾患であり、特に生後数週間~数か月間の時期においては母体からの移行抗体が存在するにもかかわらず、下気道の炎症を中心とした重篤な症状を引き起こします。

乳幼児への感染について

 乳幼児期に初感染した場合に重症化しやすいことが知られています。一方で、年長児~成人が感染しても感冒様症状のみで終始し、RSウイルスに感染していることは殆どの場合気付かれないままに乳幼児への感染源となる場合が少なくありません。

 RSウイルスの本格的な流行時期がもうすぐやってきます。乳幼児に対する医療や保育、育児に携わっている方々は十分にご注意下さい。

速やかにかかりつけ医へ行く症状

 息がゼイゼイと呼吸が苦しそうになる。咳で何回も夜中に起きる。熱が下がっても症状が改善されない。咳込んで嘔吐してしまう。

 生後1か月未満でも感染する可能性があり、無呼吸の原因になることがある。※悪化するときには、発熱はあまり関係ありません。

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監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2015/10/23

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