2016年の2月に注意してほしい感染症についてはこちらから
2月に注意してほしい感染症 インフルエンザ、RSウイルス感染症等まだまだ注意が必要
2月に注意してほしい感染症は、NO1・インフルエンザ、NO2・RSウイルス感染症、NO3・A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)、NO4・感染性胃腸炎(ノロ・ロタ他)です。
では、4つの感染症を詳しくみていきましょう。
インフルエンザ
インフルエンザは、インフルエンザウイルスを病原体とする急性の呼吸器感染症で、毎年世界中で流行がみられています。インフルエンザの流行は、例年11月下旬から12月上旬にかけて始まり,1月下旬から2月上旬にピークを迎え,3月頃まで続きます。
インフルエンザの症状は、1~4日間の潜伏期間を経て、突然に発熱(38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが出現し、鼻水・咳などの呼吸器症状がこれに続きます。通常は1週間前後の経過で軽快するが、いわゆる「かぜ」と比べて全身症状が強いのが特徴です。
インフルエンザの感染対策は、飛沫感染対策として、咳エチケット。接触感染対策としての手洗いの徹底が重要であると考えられますが、たとえインフルエンザウイルスに感染しても、全く無症状の不顕性感染例や臨床的にはインフルエンザとは診断し難い軽症例が存在します。
インフルエンザとは
RSウイルス感染症
近年は10~12月が本格的な流行の期間となっています。今年は、1月に入ってからも患者数が多いため、乳幼児は特に注意が必要です。
生後1か月未満でも感染する可能性があり、無呼吸の原因になることがあります。
【かかりつけ医に相談したほうが良い症状】
●息がゼイゼイと呼吸が苦しそうになる。
●咳で何回も夜中に起きる。
●熱が下がっても症状が改善されない。
●咳込んで嘔吐してしまう
※悪化するときには、発熱はあまり関係がありません。
RSウイルス感染症とは
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)
冬休み明けから春休みまでの間では、2月後半から3月はじめにかけてピークとなります。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)の症状は、潜伏期間は2~5日であり、突然の発熱、咽頭痛、全身倦怠感によって発症し、しばしば嘔吐を伴います。通常発熱は3~5日以内に下がり、主な症状は1週間以内に消失する予後良好の疾患ですが、溶連菌が産生する毒素に免疫のない場合は猩紅熱(しょうこうねつ:溶連菌の産生する毒素で全身の皮膚に赤い発疹が現れるのが特徴)に発展する場合があります。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)とは
感染性胃腸炎(ノロ・ロタ他)
感染性胃腸炎とは多種多様の原因によるものを包含する症候群名です。全国約3,000カ所の小児科定点からの患者発生報告数が増加するのは冬季です。その大半はノロウイルスやロタウイルス等のウイルス感染を原因とするものであると推測されています。また、患者発生のピークは例年12月中となることが多く、同時期の感染性胃腸炎の、特に集団発生例の原因の多くはノロウイルスによるものであると考えられてきました。
主な症状は、はき気、おう吐及び下痢です。通常は便に血液は混じりません。あまり高い熱とならないことが多いです。小児ではおう吐が多く、おう吐・下痢は一日数回からひどい時には 10 回以上の時もあります。感染してから発病するまでの「潜伏期間(せんぷくきかん)」は 1~2 日と他の感染症と比較して短い方であり、症状の持続する期間も数時間~数日(平均 1~2 日)と比較的短期間です。
ノロウイルス感染症とは
ロタウイルス感染症とは
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2015/2/1