インフルエンザ 本格的な流行規模のまま先々週から横ばいだが、全国的に小児の患者数は増加傾向
薬局サーベイランスによるインフルエンザ全国の推定患者数
薬局サーベイランスによるインフルエンザ全国の推定患者数

流行のようす

 薬局サーベイランスによると、先週(第3週・1月12~18日)の推定患者数は1,271,385(約 127万人)となり、前週の推定値(約134万人)をやや下回りました。

 また、休日明けの1月19日(月)の推定患者数は、312,772(約31万人)であり、こちらも前週の1月13日(連休明けの火曜日)の値(約33万人)をやや下回っています。

都道府県のようす

 各都道府県のインフルエンザの流行の指標である人口1万人当たりの1週間の推定受診者数は、第3週は23県で前週(第2週)の値を上回っていますが、人口の多い関東地方や近畿地方は全ての都府県で前週よりも減少がみられています。
都道府県別では宮崎県、熊本県、大分県、岡山県、鹿児島県、福井県、佐賀県、静岡県、広島県、徳島県、富山県の順となっていて、九州、中国、中部地域の流行が目立ちます。

年齢別のようす

 15歳以下の年齢層の割合が更に増加して半数近くを占めていて、学校、幼稚園、保育園等の小児の集団生活施設においてインフルエンザの流行が再び本格化しているものと予想されます。

 今シーズンのインフルエンザの流行は、2015第2週、第3週と横ばいかやや減少傾向となっており、第4週も1月19日の推定患者数をみると患者数の急増はないものの、第3週までの本格的な流行は保たれた状態が続くものと予想されます。ただし、全国的に小児の患者発生割合は増加が続いており、学校、幼稚園、保育園等でのインフルエンザの集団発生はまだこれからも増加する可能性があります。

 国立感染症研究所によると、これまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルスは大半がA/H3(A香港)亜型である状態が続いています。

 インフルエンザの流行は、第2週、第3週と本格的な流行規模を保ったまま横ばいの状態が続いていて、第4週も同様であることが予想されます。
しかし流行の中心は成人層から小児へと移行してきており、今後の流行規模についてはまだ予測できません。

 インフルエンザの流行の推移には今しばらくは注意が必要です。
なお、2015年9月1日以降の今シーズンのインフルエンザの累積の推定患者数は約528万人となっています。

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2015/1/22

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