インフルエンザ 早くも本格的な流行間近
インフルエンザ 全国の推定患者数(薬局サーベイランス)
インフルエンザ 全国の推定患者数(薬局サーベイランス)
 薬局サーベイランスによると12月8~14日の一週間のインフルエンザ推計受診者数は、226,156人となり、前週の2倍以上の急激な増加となっています。10月中旬以降9週連続して増加しています。

 昨シーズンの同時期と比較して、大幅に上回っており、今シーズンのインフルエンザの流行は、12月としては、大きなものとなっています。

 また、休日明け12月15日(月)の推計受診者数は、870,740人と前週の月曜日の推計受診者数37,474人を大幅に上回っており、第51週の推計受診者数は、40万人を超えて、例年の1月の本格的な流行に匹敵するものとなる可能性があります。

 各都道府県のインフルエンザの流行の指標である人口1万人当たりの1週間の推計受診者数は、全ての都道府県で右肩上がりの増加を示しており、第50週では、奈良県、埼玉県、岩手県、東京都、神奈川県、千葉県、福島県、茨城県、京都府、大阪府の順となっています。首都圏を中心とした関東地方、近畿地方、そして東北地方の一部での流行が目立っています。

 なお、これまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルスは大半が昨シーズンと同様A香港型(A/H3)ですが、昨シーズンは、1月の本格的な流行期にA/H1pdmが急増しています。

 インフルエンザの流行は、12月としては大きく、既に本格的なものとなりつつあります。今後ともインフルエンザの推計受診者数の推移には十分な注意が必要です。

 インフルエンザの主な感染経路は飛沫感染であり、他に接触感染もあるといわれています。感染対策としては、飛沫感染対策としての咳エチケット、接触感染対策としての手洗い等の手指衛生が非常に重要です。特にたくさんのインフルエンザの発症者が集まる病院や、乳幼児・高齢者が集団生活を送っている施設では咳エチケットが重要です。マスクは鼻を出さずにあごまでしっかりと覆って正しく装着しましょう。

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2014/12/17

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