インフルエンザ 10月中旬から8週連続で増加。昨年のペースを大幅に上回る
インフルエンザ全国の推定患者数(薬局サーベイランス)
インフルエンザ全国の推定患者数(薬局サーベイランス)
 インフルエンザの推計受診者数が10月中旬から8週連続で増加しています。ほとんどの都道府県で増加しており、昨年のペースを大幅に上回っています。

 薬局サーベイランスからの2014年第49週(12月1~7日)のインフルエンザの推計受診者数は、106,621人でした。都道府県別でみると、奈良県、岩手県、埼玉県、福島県、神奈川県、東京都、千葉県、栃木県の順となっています。首都圏を中心とした関東地方および東北地方、近畿地方の一部では特にインフルエンザの流行に注意が必要です。

 インフルエンザウイルスは大半が昨シーズンと同様A/H3ですが、昨シーズンは、1月の本格的な流行期にA/H1pdmが急増しています。

 まだ例年のインフルエンザの流行のピーク時に比べると推計受診者数は、10分の1程度ですが、既にインフルエンザの流行期に入り、12月の流行規模はこれまでのところ例年の同時期を大きく上回っています。今後ともインフルエンザの推計受診者数の推移には十分な注意が必要です。

 インフルエンザの主な感染経路は飛沫感染であり、他に接触感染もあるといわれています。感染対策としては、飛沫感染対策としての咳エチケット、接触感染対策としての手洗い等の手指衛生が非常に重要です。特にたくさんのインフルエンザの発症者が集まる病院や、乳幼児・高齢者が集団生活を送っている施設では咳エチケットが重要です。マスクは鼻を出さずにあごまでしっかりと覆って正しく装着しましょう。

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2014/12/10

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